表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅亡回避し栄華を手に! 名門だけど滅び歴史に埋もれた豊嶋家の嫡男に転生したので天下統一を目指します。  作者: 武雅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

170/190

細川政元よりの使者

■江戸城 豊嶋宗泰


鎌倉にて使者に対して将軍からの要求を拒否し江戸に戻って20日程経った頃、今度は管領である細川政元より書状が届けられた。


持ってきたのは鎌倉に将軍の使者として来た者であったが、今回は前回と違い肩を張って威厳を保とうとするでもなく、物腰が柔らかい。


う~ん、前回、鎌倉での件で俺が豊嶋家の正当性を主張し、将軍の命を拒否したから、戻って雷が落ちたか?

いや、それよりも、帰路、堺まで船で向かい、京に戻ったとはいえ、直ぐに武蔵へ向かわされるとは…。

将軍家ってブラック企業か?


そう思いながら、管領である細川政元よりの書状を受け取り、内容を読み進める。


そこに書かれていた内容としては、豊嶋家の言い分は尤もであり、将軍の命を拒否した事に関しては、細川政元が責任をもって不問となるよう取り計らうとの事。


そのうえで、俺に、武蔵、下総、上野、伊豆、甲斐、5ヶ国の守護に任じるよう働きかける事。

そして駿河の駿東郡、富士郡の領有は認めるが、その代わりに伊勢盛時と和議を結び、双方、相手の所領に兵を進めないようにとの事だった。


「ご使者殿、伊勢盛時と和議を結べと書状に書かれておるが、これは伊勢も承知のことか? それに、和議を結んだとして豊嶋家に何の利がある? 豊嶋家は今川家再興を願う者達が身を寄せておる。 和議を結んだとなればその者達も落胆しようぞ」


「恐れながら、管領様はいずれ今川家再興の為に、伊勢が治めている駿河を今川一門に返還させて今川家を再興されると申されており申した。 あいや待たれよ、宗泰殿が疑念を持たれるのもごもっとも。 話にはまだ先があり申す」


伊勢が大人しく駿河の地を今川一門に返還するなどあり得ぬと言う表情をする俺に、使者の者が話の先を続ける。


どうやら細川政元は、遠江、尾張守護である斯波家の力を削ぎ、自身の管領職という地位を確固たるものにしようと企んでいるらしく、伊勢盛時を強引に駿河守護へ任じたのも、伊勢に遠江を攻めさせる為の伏線だったようだ。


確かに地盤が無ければ遠江を攻め取る事は出来ない。

本来は、伊勢が今川家を裏で操り、父の弔い合戦と言う名目で今川による遠江侵攻をさせる予定だったが、小鹿が暴走し龍王丸を殺し、それを伊勢が討ったことで政元は方針転換せざるを得なくなったとの事だ。


斯波を攻め、遠江を奪う理由は、斯波家の力を削ぎ幕府への影響力を落とし、自身に近い者を遠江を治めさせる事で、幕府への影響力を高めたいとの狙いがあるらしい。


そんな事を堂々と俺に話して良いのかと思ったが、先の合戦の折、父を細川政元の元に派遣し、斯波家を貶めようとしたことで、豊嶋家も細川政元を支持する家と認知されたらしい。

迷惑な…。


「話は分かり申した。 なれど和議を結んだとて伊勢盛時は信用できませぬ。 某には遠江を手中に収めたとて伊勢が駿河を手放すとは思えませぬ故」


「それにつきましては、伊勢盛時殿に誓紙を出させまする。 誓紙を出し、管領様が仲介し結んだ和議の条件を破るなど致しますまい」


誓紙一枚で信用しろとか普通に考えてあり得ない。

あり得ないが、使者の男は自信満々に真顔で伊勢盛時が和議の条件を破る事は無いと言い切っている。


だが、現在、豊嶋家は出費が多すぎて、積極的に他国へと侵攻することが難しい状況だ。

そして、ここで細川政元の話に乗れば、一度内政に力を入れる事で立て直しを図る事が出来る。


「ご使者殿、いや、武田材明たけだ きあき殿、こちらより一つ条件をお付けしてよろしいか?」


「お伺いし、必ずや管領様にお伝え致しまする」


約束するとは言わないが、管領である細川政元に必ず伝えるとの事なので、現段階ではこれで良しとし、条件を伝える。


「武蔵、下総、上野、伊豆、甲斐、5ヶ国の守護とのお話でござったが、上総も加えて6ヶ国の守護に任じて頂きたい。 上総も豊嶋がほぼ治めておる故、問題はございますまい」


「ろ、6ヶ国の守護に御座いまするか…。 あいや、承知致しました。 必ずやお伝え致しまする」


その後、使者として武蔵に来た武田材明と詳細な和議の条件を詰めると、武田材明は駿河に向かう為に船上の人となる。


なんで豊嶋家が船を出さないといけないんだ?

まあ堺に向かう船が出航するところだったから、ついでと言えばついでなんだが…。


そして5日程経った頃、武田材明が、誓紙と詳細な和議の内容が書かれ、伊勢盛時の花押が書かれた書状を持って帰ってきた。


これで伊勢盛時との和議が結ばれ、互いに不戦協定が結ばれたのだが、恐らく信濃が豊嶋、伊勢、両家の草刈り場であり、代理戦争の場になった瞬間でもある。


そして武田材明が京に戻り1ヶ月後、年の瀬も迫る12月に、幕府より、俺が武蔵、下総、上総、上野、伊豆、甲斐、6ヶ国の守護に任じられた。


それにしても、今回、俺を6ヶ国の守護にする為に、細川政元が相当骨を折ってくれたらしい。


何でそこまでして骨を折ったのか疑問だったが、幕府内部で自身の影響力を増す為の布石である事に加え、三峰宮を再興した事が影響しているようだ。


どうりで摂津国の石山に三峰宮の分社を建てる話がすんなり進んだわけだ。


細川政元自身が修験道にのめり込み女人を近づけない程の徹底ぶりらしく、豊嶋家が三峰宮を、そして修験道場を再興した事で、かなり好感を持たれていたらしい。


俺は修験者を使って諜報活動を強化したかっただけなんだけどね…。

稚拙な文章ではございますがお読頂き誠にありがとうございます。

また誤字報告ありがとうございます。

本当に、誤字脱字、言い回し等、稚拙で申し訳ございません。


また、評価、ブックマークありがとうございます。

評価を頂けると大変励みになります。

是非↓の★★★★★にて評価をお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ