表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅亡回避し栄華を手に! 名門だけど滅び歴史に埋もれた豊嶋家の嫡男に転生したので天下統一を目指します。  作者: 武雅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

105/190

譜代重臣達への命

1482年11月


下総と上総の仕置きを大まかに済ませ、江戸に戻ると、父である泰経と譜代の重臣である後藤秀正、土屋元親、肥田氏本を呼びだした。


下総と上総の仕置きを大まかにしたとは言え、下総は、佐倉一帯を千葉兄弟に与えて、印西、成田一帯の代官に命じ。

上総は江戸湾側の沿岸部で豊嶋に従わない国人の討伐と豊嶋家の支配拠点とする城の候補地を探すよう叔父の泰明に命じた。

そして赤塚資茂には国府台に本格的な城を築城するように命じただけだったりする。


なので、下総、上総の支配を強化する一環の為、父と譜代の重臣を呼んだのだ。

俺は家臣を公平に扱っているつもりだが、どうしても能力や所領の場所の関係で一部の者を重用して譜代を蔑ろにしていると言われかねないので、今回は譜代の重臣の中でも相模方面に所領を持つ者に仕事を与える事にした。


「先の合戦で下総の大部分と、上総の一部を豊嶋の勢力下に置く事が出来た。 これで江戸湾の水運がほぼ豊嶋の手中に収まり、関東管領も古河公方も江戸湾の水運を押さえられた事で、豊嶋が荷留めを行えば、思うように物も手に入りにくくなるだろう。 だがそれは古河公方も分かっているはず。 故に近いうち兵を挙げる可能性があるだろう。 よって豊嶋家としてはその前に、下総、上総の支配を盤石にしておきたい。合戦に加われなかった其の方達は手柄を挙げらなかったであろうから、此度ひと働きしてもらいたいと思っている。 これは合戦と同じと心得よ!」


集まった譜代の者は、所領が遠く、国府台での合戦に参加できなかった事で、褒美は望めないと思っていたところに、俺から声がかかったので、 3人共、目を輝かせている。


「まず、後藤秀正は築城中の国府台城に向かい赤塚資茂と共に堅固な城とせよ。 その方は、江戸城の増築、川越城の増改築にも携わっておる。 国府台城を10000の兵が籠れ、2000の兵でも守れる堅城にせよ。」


「10000の兵が籠れ、2000でも守れる城でございますか? なんとも難しい事を申されます。 しかしそれだけ国府台が重要なのは承知しております故、ご期待を裏切らぬ城を築いて見せまする」


「金はいくらでも使え。 中の館などは後回しで良い、農繁期までの間、近隣の領民を銭で雇い春までに強固な城にせよ!」

「ははっ!!」


「次に、土屋元親、肥田氏本だが、其の方らは下総、上総に大軍が通れるだけの街道を作れ! 曲がりくねった道では無く、真っ直ぐな道だ」

「恐れながら、大軍が通れる真っ直ぐな道を作れば、攻められた際に…」


「それは分っておる。 いずれ街道沿いに城を築く、今は街道を優先し、豊嶋が下総、上総に兵を差し向ける際の進軍速度を優先するのだ。 それに街道が整備されれば商人達も商売がしやすいであろう。 下総、上総の商人に街道を整備すると言ったら自ら矢銭を出してきた。 金の心配はいらない故、領民を銭で雇い短期間で仕上げるのだ。 途中に所領を持つ国人衆が文句を言って来たら、街道を整備した武蔵の豊嶋領を引き合いに出し、街道が整備されれば人が集まり所領が栄えると説け。 それでも納得しないなら、佐倉の平塚、上総の叔父上が兵を率いてやって来るぞ、と言ってやれ!!」

「ははっ!! ご期待に背かぬよう励みまする」


命を受け、頭を下げる譜代の重臣達に、「其の方らの働きに期待しておる」と声をかけ、父である泰経の方に向き直る。


「父上には京へ向かって頂きたく存じます」

「京へか? ワシに何をさせるつもりじゃ?」


「官位を頂いた後に、朝廷へお礼の品を献上致しましたが、再度、某の名代として、朝廷への5000貫文の献金と併せて書状を届けて頂きたく。 船を用意致します故、途中、三浦殿の家臣を乗せた後、鎌倉で公方様である足利政知様にお会い頂き、朝廷、幕府、日野富子殿へ関東管領と古河公方である足利成氏の暴虐ぶりをしたためた書状を届けて頂きたいのです。 あっ、あと日野富子へは2000貫文を届けてくだされ」


「朝廷に献金した後に、幕府へ書状を届けるか…、引き受けた! だが、日野富子殿とは先の将軍の正室であろう、そんな者に金と書状をとどけるのか?」


「日野富子は京で11年近く続いた争いで、西軍、東軍の守護達に金を貸し利を貪っており、未だに金を貸した守護達に対し影響力を持っているはず。 豊嶋に好印象を持たせておけば幕府が関東管領や古河公方に有利な裁定を下そうとした時、再度金を届ければ、裁定を覆せなくとも豊嶋が不利になるような裁定を邪魔することぐらいしてくれると思われます」


「今の内に、各地の守護へ影響力のある者と誼を通じておくという事か」


「左様でございます。 あと、幕府にはあくまでも鎌倉公方様の書状を届けに来ただけという体で、こちらからは何もせずとも結構でございます」


「ほう、幕府へは書状を届けるだけか。 幕府自体、金が無いのであろう? 銭を手土産に守護の座を欲する事も出来ようぞ」

「それでは余りにもあからさま過ぎまする。 それに畿内では関東管領と古河公方が幕府に莫大な金を毎年献上するので、成氏の朝敵を取り下げて欲しいと願い出ているとの噂が実しやかに囁かれているとか。 銭を献金すれば豊嶋も同様と噂されかねませぬ」


「噂か…、誰が流した噂かは知らぬが、幕府としては下手に銭を受け取ると権威に関わると思い、おいそれと受け取れないという訳か。 財政難の幕府としては迷惑な噂じゃな」


「左様、幕府も困り果てておりましょう。 人の噂ほど怖い物はありませぬな…」


「まったくだ。 ではワシは京に行く支度でもしよう。 其の方らも急ぎ取り掛からねば後れを取るぞ!

 宗泰が合戦と同じと言うたのだ。見事成し遂げれば大将首並みの手柄と同等ぞ」


父である泰経が譜代重臣達に声をかけると、重臣達は立ち上がり父と共に足早に部屋を出て行く。


う~ん、大将首は言い過ぎでしょ…。

まあそのつもりで励んでくれれば俺としては助かるんだけど。


恐らく後藤秀正、土屋元親、肥田氏本は、自分達の所領に近い国人衆にも声をかけるだろうから春の田植え前にはそれなりの成果は出るあろうな。


後は日野富子と良い関係が築けるかどうか…。

相当な守銭奴っぽいし、もっと金を要求されるかな?



誤字脱字、稚拙な文章ではございますがお読み頂ければ幸いでございます。

宜しくお願い致します。


また評価、ブックマークありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] テンポ的には面白いのですが、この時代の関東は明と遠すぎて貨幣経済になっていなかったので、ポンポンた大金を献金となると違和感がありますね。堺商人か、本願寺を間に入れて金策をして、話を脹ら…
[一言] 父・泰経にはせっかく上京するので、畿内で有名な武将かその父親とかをスカウトしてもらっては如何でしょうか。噂によって豊嶋家の名声も広まっているので、スカウトに応じてくれる可能性は高いと思います…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ