2.
晴れて(?)お尋ね者となった怜。自分の置かれた状況を理解できず絶賛混乱中なのであった。
一体何が起きてるんだ………。突然床が光ったと思ったら知らない土地にいた。
所持品は購買でお昼を買うための500円と、充電が満タンのスマートフォン。当然圏外だけど。
(ここが異世界なのはほぼ確定だよな)
アニメや漫画でよく見る展開だし、日本…というか地球の常識が通用しなさそうだった。
教室全体の床が光っていたから、新川さんや獅央、他のクラスメイトもこっちの世界に来ていることだろう。
他に分かることといえば、さっきみたいな異常な脚の速さ。俺の運動神経はそこそこだし、これが何に起因するものなのかは分からないけど、アニメとかだとスキルやステータスなんてものが多い。
もしそうだとするのなら、お約束のアレがあるな。
「ステータスオープン。………なんてね」
さて、何か出るといいんだけど。
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名前:御堂筋 怜 (17) 性別:男
Lv:1 (100)
ステータス
HP:100
MP:10
筋力:20
頑強:20
知力:20
敏捷:20
スキル
不明
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透明なタッチパネルのようなものが目の前に浮かび上がり、俺のステータスが表示されている。
とりあえずステータスオープンの文言で合っててよかった。これで違ってたら普通に恥ずかしかったし。
肝心のステータスだけど、走る速さを意味するであろう敏捷が飛び抜けて高いってことはなかった。それでもLv1で門番の人より速かったから、普通の人よりもステータスは高くなってると考えていいかな。
「転移者特典のチートみたいなのはなさそうだなぁ」
今のところ特筆すべき点は無いし、一般人よりちょっと強いぐらいに思っておいた方が良さそう。他の皆んなはどうなんだろう。そもそもどこに居るのかも分からないんだけどね。
後は…………ん、なんだこれ?
「メニューに戻る?とりあえず試せることは全部試してみるか」
ステータス画面の右下に、そう書いてあるボタンを発見した。分からないことだらけのこの状況、とにかく出来ることはやってみようと思う。
ボタンを押した次の瞬間、ステータス画面が消えていくつかの項目が新たに見れるようになった。
「マップにスキルツリー、その他……って大雑把だな。しかもなんか入ってるっぽいし」
その他のアイコンにのみ、「1」という数字が赤く光っていた。あれだ、スマホアプリの通知みたいなやつだ。
気になるのでアイコンをタップしてみる。すると、メールのような何かが収納されていた。タイトルは………
「『御堂筋様へ』ねぇ………。一体誰からのメッセージなんだか」
もう一度パネルをタップし、メッセージの中身を読んでみる。
『御堂筋様、私は地球を管理する神でございます。此度の異世界転移の件につきまして先ずは謝罪を。私は其方の世界の神からの干渉を受け、転移者を我が地球から出す事態となってしまいました。私に抵抗手段は無く、みすみすそのような蛮行を許してしまったこと、遺憾の意に堪えません』
「マジか。地球って弱いんだ………」
『そして御堂筋様がイレギュラーに巻き込まれ、他のご友人の方々と離れた場所に転移してしまったことも、私に責任があります。せめてものお詫びとして、存在強度を遥かに高めておきました。これで其方の世界の神は、安易に手出しできない筈です』
「存在強度ってなんだよ。まあ余計なことに巻き込まれないならいいけど」
『私の方でも皆様の帰還方法を探ってみます。私の予想では其方の神を殺せば帰還できると思いますので、当面は神殺しを目標にしていただければと』
「…………………………は?」
『最後に、辛うじて手に入れた其方の世界に関する情報を纏めておいたので、是非ご一読いただければと。それではまた』
ここでメッセージは終わっている。読み終えた後、新たにメッセージが一件。さっき地球神(仮)が言ってた、異世界に関する情報だろうな。
その前に、ひとつ言いたい事が。
「ほぼお前のせいじゃねえかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ふう、スッキリした。ここが誰もいないような平原で良かった。いつか地球神はぶん殴る。
気を取り直して、異世界の情報とやらを開いてみる。うおっ、結構びっしりだな………やるじゃん地球神。ビンタぐらいで許してあげてもいいよ。
内容に一通り目を通して、その他のところにあったメモ機能に軽く情報を書き出してみる。
・雰囲気としては西洋に近く、文化はかなり発達している。電子機器類は無いが、銃器等は存在している。
・言語は自動で翻訳されている。ただし転移者以外が地球の文字を書いても読むことはできない。
・大陸には5つの国が存在しており、それぞれが同盟関係や敵対関係にあったりする。
・金銭は、白金貨・金貨・銀貨・銅貨の4種類。それぞれ日本円で1千万円・10万円・1000円・10円相当の価値を持つ。
・様々な職業が存在しているが、最も稼ぎが良いのは冒険者。反面、最も危険な職業。
他にも細かい部分はあるが、ひとまずこんなところだろうか。
言語は確かに通じてたな。俺自身は日本語を話している感覚なのに、向こうもちゃんと聞き取れていたみたいで少し違和感があった。その内慣れるだろう。
転移者以外がって部分は、俺がこの世界の人に文字を教えられるってことなのか?でもそれだと自動翻訳の辻褄が合わない。別に困らないから無視してもいいか。
国に関してはマップを確認すれば済む話だ。そう思っていたけど、どうやらこのマップは自分が行った所しか見えない仕様らしいので、地道に埋めていく必要がある。
最後に気になったのは、冒険者が一番稼げるということについて。冒険者とは、魔物を狩ったり素材を採取してお金を稼ぐ職業らしい。
しかし、一番稼げると言っても他の職業と比較した訳では無く、ただ情報として記されていただけだ。なので、他の職業がどれくらい稼げるのかは全くもって未知数。この世界での需要も分からないことだしな。
あとメモとは関係ないけど、スキルツリーの欄には何も表示されなかった。レベルが上がると見れるようになるのか?
「とりあえずは冒険者になるのが最優先事項か。何をするにもお金が必要になるからね。こういう時は冒険者ギルドみたいなのを探すのが鉄板だよな」
大きい目標はかなり先の話になりそうだし、小さな事からコツコツ進めていこう。
冒険者ギルドは大きめの街には大体あると思うから、とりあえず最寄りの街で…………あ。
多分さっきの街が最寄りだけど、俺入れないよな………………。




