7、ラメーンと酒
「我々は、ラ・メーンという……まあ、傭兵部隊ですな。今回は、このエアリアルの情報保護のために、雇われています」
チャシューさんとこか。
「雇われている……ということは、より良い条件でこちらについてくれませんかね?」
「そういう事を繰り返すと、信用を失うのですよ。ただ、今回の件は個人的にはいろいろ思う部分がありますね。……食屍鬼にかける情けは、無いが」
チャシューさんが潜り込んでいる組織だし、話がまるでわからん奴らではないのかな。
「ええと、ここで立ち話もなんだし、中で話しませんか?」
結界内で話すことになった。
「カンラカンラ!三輪さん、解ってくれるかね?」
「……解りません」
ラ・メーンからは、副長のカラシミソフと、秘書っぽい女性ミズハ・セールフさんが、結界内に来て話すことになった。小笠原さんに似た少女も結界内に来たが、何も話さない。
他にこの結界の主、是害院博士がいる……博士が実験で作ってしまった巨大ナメクジと共に。
うっかり「ナメクジかわいいですね」と言ったら、酒を沢山持って来てくれた。かなり嬉しいが、本題そっちのけでナメクルンS(巨大ナメクジの名前だった)の開発秘話を語りだして3時間が過ぎた。
食屍鬼二人は、黙々と飲み続ける。ガイラルアッヴァーン氏は、酔い潰れた。
ナメクルンS開発秘話に耳を傾ける、ラ・メーンの二人。
小笠原さんモドキ……ラ・メーンの二人によるとエアリアルは、僕のコップを見ている。
「飲みたいんですか?」
……こくり
飲みたいようだ。もう一つコップを持ってきて、酒を注いだ。是害院博士の酒だが、まあいいや。
「うま、い」
無表情だが、少し嬉しそう。
「……ということで、ナメクルンSが誕生したのだよ!」
是害院博士の話が、終わったようだ。
カラシミソフさんが、こちらを向いた。
「是害院博士は、あちこちの国や組織から求められている人材なのです。だから、博士の話を聞くことができただけでも、収穫はあった。……しかし、エアリアルの話もしましょうか」
「そうですね。あ、酒どうぞ」
「一応、仕事中なんだが……」
「最近うるさいですけど、働きながら飲むのが当たり前だった時代のほうが、人類の歴史では長いんじゃないですかね。あ、運転するなら飲まないでください」
「ううむ。ミズハ君、帰りの運転を頼めるかね?」
「ご自分でどうぞ」
ミズハさんは、そう言ってカラシミソフ氏の頼みを断った。
「三輪さん、注いでください」
そして、僕に酒を要求してきた。
「おい、ミズハ君!仕事中に酒を……」
「早い者勝ちです」
「くうぅ…、私も飲みたかった」
ミズハさんに酒を注ぎ、カラシミソフ氏にはお土産として一本渡した。もちろん、是害院博士の酒をだ。




