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ファミリア  作者: あさま勲


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72/72

72・受付嬢エリザ

 ウィル君を従え、キーアリーハは書類を手渡す。

 木簡や羊皮紙じゃなくてガチな紙だぜ……薄くて軽く嵩張らないが、この世界だと結構なお値段がすると思う。

 オレを召喚した時も、キーアリーハは紙じゃなくて木簡を使ってたしな。

 書類を見た受付嬢は、表情も変えず書類に目を通すと大きな溜め息を吐いた。

 地味な服に控えめな化粧だけど……良く見ると美人だね。人間モードになったらドキドキしちゃうかも。猫状態のオレには、どーでも良いんだけどさ。

「お嬢様。ようやく、護衛を付ける気になったんですか……」

 うん? この受付嬢って公爵家の関係者っすか?

 足元でそう思うオレを、キーアリーハは抱き上げた。

「なんか、変なのに付きまとわれてるのよ……このシャドウに執着してるカンジなのよね」

「少し前にお嬢様が召喚したファミリアですね? ガウスから報告は受けてます」

 うん、この受付嬢。絶対に公国の関係者だわ。

 そう思ったんでオレは質問をぶつけてみる。

「ちなみに、ガウスさんって、今ナニやってんの?」

「壁に耳あり障子に目あり……」

 オレの問いに受付嬢は笑うと、その唇に一本だけ立てた指を当てる。

 ……つまり内緒って事ですか?

 つか、この世界に障子はないと思うんだけど……って事は、アンタも転生者ですかいっ!!

 まあ、ふいんき的に……じゃない雰囲気的にガウスさんは無事っぽいんで一安心だわ。つか、カンジ的には、あのストーカーにも絡まれてなさげだな……

「学園で授業が再開されるのは十日後です……その間、面倒事に巻き込まれないよう気を付けてくださいね?」

 なんか、気配的にウィル君とも面識ありそうだな? なんて思ってるとウィル君が口を開く。

「その時は、エリザさんが助けてくれますよね?」

 ああ、やっぱ面識あったのね……で、名前がエリザさんと。

「無理ですね……私は魔法使いとしては三流ですから。そうなった時の対応役としてウィルが居るんでしょ?」

「オレは、そーゆーのは苦手なのよね。まあ、お嬢様ベッタリな護衛はシャドウさんに任せ、オレは一歩引いて警戒に当たるよ」

 いやまあ、ガチでベッタリな護衛役はオレなんだろうけどさ……オレ単体じゃ、戦力的にはウィル君以下だと思うんだよな。キーアリーハと合体って切り札はあるけど、オレがキーアリーハに取り込まれかねないとかでキーアリーハが嫌がりそう。

「まあ、さすがに学園じゃ馬鹿な事はやらないと思うわよ? 先生方は皆優秀な魔法使いでしょうからね」

 生徒にも優秀な連中が居て、ここで騒ぎを起こしたら、そういった魔法使い連中に袋叩きにされちまう……それを期待してキーアリーハは学園に戻ったんだっけ。

「じゃ、手続き完了で良いかな?」

「一応は……ウィルが正規の生徒として認められるのは春節明けになるから、それまで騒ぎは起こさないように」

 ……つまり、認められた後なら騒ぎを起こしても構わないと? ……なワケないか。

 まあ、ちと窮屈ではあるけど、ウィル君の問題は、とりあえずは解決で良いっぽいな。

「さて、ご主人様。ボクちゃん、この世界を見て回りたいワケなんだけど、単独行動しちゃって良いかな?」

 護衛にウィル君がいるならオレは単独行動しちゃっても良いと思うんだ。あと、学園の方が公国より安全だってキーアリーハも判断したっぽいしさ。

「ダメです。アナタはアタシの半身ですから……まあ明日、アタシとウィル同伴で見て回りましょう?」

 ……まあ、ガチで単独行動できるとは思ってなかったけどさ。

「了解……明日『は』二人と一緒に行動するよ」

「今日『も』お嬢様から離れないようにね?」

 明日からは義務を果たすんで今日は勝手に単独行動を……そう思ったがウィル君が釘を刺してくれたよ。

 あとキーアリーハさん。影触手でオレの身体を絡め取らないでください……魔力の組成がオレの身体に近いんで合体しちゃう可能性もあるんですが?

 ま、良いや。後で怒られても良いんで単独行動しちまえ。

 キーアリーハの影触手と融合し制御を奪うと、キーアリーハから影触手を切り離して取り込んでやる。

 キーアリーハお得意の影魔法……オレに対しては、決定打にはならないっぽい。

「ちょっ……シャドウっ!!」

「お腹が空いたら帰るんで、心配しないで良い。お腹が空いてなくても夜には帰るからさ!」

 魔力の気配でキーアリーハの所在は探知できる……逆にキーアリーハもオレの所持は探知できるから追ってくる可能性もあるんだよな。

 まあ、追いかけてきたら諦め、一緒に行動するけどさ。

 そう思いつつ、オレは身体を変化させる。

 ファルコンの姿に形を変えたわけだが、大きさは仔猫サイズのままだ……真っ黒だしカラスと判別できんような?

 まあ、良いやね。

 キーアリーハと一緒だと、色々窮屈なのよね……猫って孤独を好む生き物なのよ? ……厳密な意味でオレは猫じゃないんだけどさ。

 追ってくるかと思ったけど追ってこないね……影触手を取り込んだときにキーアリーハの魔力を吸いすぎた?

 まあ、ウィル君とエリザさんが付いてるんでキーアリーハは問題ないっしょ。

 さて、念願の単独行動だぜいっ!!

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