私たちの限界という天使
私はキューピッド役になることにあまりに慣れすぎている。
でもきっと仮面優等生だからこそ、私は幻想を抱く。どこかにきっと本物が、そう私は期待する。
天使なんかいない、私はどうして、自分以外みんな敵だ、信じられるのは、自分を本当の意味で守ってあげられるのは自分自身なのだと、日々、あきらかに私を嫌っていると分かる他人の言動で暗い気持ちになる度に、そう自分にいい聞かせるということをよくやるのに、どうしてまだ、会ってまもない他人に肯定されるのを期待してしまったりするのだろう。
私は期待する、天使がいることを、なぜなら世界はすごく広いから。
黒があまりに多いことを、イコール純白の存在を目にすることを期待してもいいとつい考えてしまう。
天使なんかどこにもいない、それが居るとすれば私は自分の頭の中でしか、そういう存在は感じたことがない。私が私を嫌っていて、陰で散々悪くいっていると分かっている人とバイト先で何度も顔を合わせ、もう本当にくたびれ果てた、そう思った時。
ある人に対して、もうこれ以上優しく接することができないと思った時。
もうこれ以上繰返し繰返しやってきたことをやらないでいいと、何度も何度も誰かにいわれて、でも自分ではそう思えなかったから、ずっと続けてきた、そういうことをもうやらないでいいかもしれないと、頭のどこかでそれが正しく感じられていなくても、それでも止めていいのかもしれないと思って、全部がぴたっと止まった時。
自分たちの限界、という天使だけが、圧倒的な優しさでいつも私たちを包んだ。私たちはそうしていつも目を閉じた。




