あなたの詩集を追い出しました
あなたの詩集を汚したくて汚したわけではないけれど、僕は僕だって、あなたが前にそういってくれて、僕が刺されたみたいに、刺されたんだ、だから今回、あなたの言葉を汚した僕というものを思った瞬間からもうすでに僕はそれを、だから着ているんだ、だから行く時なんだ。
あなたの詩集を、汚染されている世界に置いてきました。
正確にいうなら夜の、僕達が出た小学校の前。
手助けは体育倉庫の前でだけで良かったのです。あの娘に身売りしたんでしょう、僕は恩を仇で返したい。
あなたは、穴から決して出てこない母親のために、雪の日にさえ森へ帰ります。
ワイングラスを欲しがる、穴暮らしの母親。つくづく自分とあなたは違う思考しかできないのだと僕は感じました。
僕があなたにプレゼントした手袋をちゃんとあなたは使ってくれています。最強手袋です。せめて、穴から手しか出さない母親と会って、何度めかも分からない苦い帰り道、あなたが手に息を吐きかけて擦りあわせる哀れっぽいポーズをしなくて済むように。
あなたの詩集を見た瞬間、あなたが出したやつだと分かりました。
あなたの声のかけ方、あなたの飛び出しナイフのような性質を持った言葉遣いを僕は、ちょくちょく思い返しては、適用してもいました。
初めてのアルバイト、大学生活、恋愛遊戯などで常にあなたならこういう状況でどう反応するだろうか、どういい返すだろうか、と考えていたんです。
でももうあなたの詩集を僕は追い出します。どれだけ言葉を使おうが、結局やっぱり、これはただそれだけのこと。
あなたの詩集の代わりになるものなんてこの先ないとわかっていて、それでも行くということ。




