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暖を取る
その一、彼が破いて捨てたクリームシチューを持ち出して、それであなたはあたたまる。
その二、彼が吐いたルームシューズのなかに手を突っ込む。余裕があるようであれば、鼻先も。
その四、だれかを指差してわらう。
その五、だれかを指差してわらっているだれかを指差さないままでひそひそ。
その六、各駅停車の温情を素早く捕まえる。
その七、 夏を好む男子によく見られる顔に息を吹きかけるしか能がないあの感じを、今までのように厭わしいと思うのはやめる。ぎこちなく笑いかけてみたり。それであなたはあたたまる。それであなたはあたたまってしまう。
その八、思い出してみる。
その九、もっとよく思い出してみる。
その十、家の人たちが買い出しに出ているあいだ、ケイティ・ペリーの『ワン・オブ・ザ・ボーイズ』をかけて歌いまくり腕を振り回し跳びはねる。そして実は二階の部屋で寝ていただけの小学六年生の妹に、その様子を目撃されれば尚良し。
そしてこれは最後の手段であり、あなたにとっては三番目あたりに思いついたようなこと。あなたはおれと友達でいるのはやめる。あなたはおれとやる。




