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今だけ家なき子
今日はもう店じまい、もうほんとに無理、もう全部が厭、もう店じまいしている私が十七時をお知らせします。
お米を研いでセットして、コーヒーを作って、クリームサンドクラッカーを出して、それらを自室の低いほうのテーブルに置き、すべて腕のなかに、あの日の海がまだここにある内に、今日はもう、部屋から出なくて済むように。
音楽が欲しくなった時のために、CDを適当にラックから抜きとるとテーブルの下の暗がりにバシャッとこぼした。
私は泣くまいとしている。
うなだれて、コーヒーを叩き割って、海を叩き割って、どうして、って思う。
どうしてどこまででもこの心は逃げれてしまうんだろう。
そんなのは独りだからさ。じゃあもういいよ。早速インタビューを始めていこうと思いマッスル。
今日は弱虫の炎さんにお越し頂いております。
「どど、どーも」
スムージーさんのファースト・インプレッションをお聞かせねがえますか。
「くぴゃあ」
というメールがきて即時返信したのに音沙汰のなくなった女友達を持った男子高校生の火曜の夜について、と彼はいった。原稿用紙二枚ぶんの謝罪を求める。
ごめんね? と彼女はいった。




