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囓る
囓らして、と男子高校生は弟のうなじに向かっていい、それから優等生の弟の手元まで顔を寄せていって、囓る。
まだ湯気が立っているのが見えている優等生のさらのトーストは、そんな具合に、毎朝きまって損われることになっている。
伸び悩んでいる身長は高校入学から、この冬からは弟との身長差も気に病んではいるのに、改善する方向にはまるで結びつかない、彼の少食についての家族から向けられる心配にも、今朝も背を向けて、高校生は考えている。
優等生の一日にどこかしら、他の連中から見損われるような面が見られるとしたら、朝のここくらい、自分の存在がある点くらいだろうと、そう、高校生は見当をつけている。




