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45話 カニ退治

僕とアイン、それにライデンさんの三人で南のボスである[ジャイアントクラブ]を倒すために南の門を抜け


「そういえば、アイン新しい衣装完成したんだ」

「ああ、一昨日例の姉妹から連絡が合ってな、どんなの着せられるかと思ったらちょっと派手だけど意外とまともでホッとしたよ」


そう言うアインの今着てる服装は

黒いつや消しレザーで作られた西洋の騎士の軍服を少し乱れさせたような服装に背中までしかない黒いショートマントを付けている

・・・・なんかどこかのBLゲームに出て来る軍人バンパイアのような格好をしているが

元々長身で少し暗めで大人しい顔のアインにはよく似合っている


そんなアインに対してライデンさんは

黄色い雷の刺繍がしてある紺色のちょっと長めの中華服みたいな服を着ている



「それにしても、僕達もだけど周りの皆も統一感のない格好をしてるよね」


回りを見渡しても、ほとんどの人が初心者装備ではなく思い思いの服を着ている

ファンタジーな服から普通に現実でもありそうな服まで

特に男性はネタ系の服が多く見かけるのに対し

女性はここぞとばかりにひらひらした可愛らしい服を着たりしている


「まぁな、それぞれの趣味もあるだろうが、その服を作っている服装プレイヤーによっても違うしな」

「そうなんだ」

「ああ、有名なところだとアヤメさんは特にファンタジー系のコスプ・・・じゃなくてそっち系のオーダーメイドの服を作ってるんだ」

今コスプレって言いそうにならなかったか?

「レンの様なエルフの服とか魔術師のローブ、神官服とか魔女の衣装などちょっと地味系から派手なのまで幅広くやってるみたいだな」


「ライデンさんの服は誰に作って貰ったんですか?」

「僕かい?僕はたまたま知り合った男性プレイヤーに作ってもらったんだ、彼の趣味が外国の民族衣装でねいろんな国の・・特に南アジア系の衣装が好きでこの服もベトナムのアオザイをベースに製作したそうだよ」

アオザイだったんだ

女性のアオザイはテレビでもよく見かけるけど男性のアオザイってあんな感じなんだ・・・


「俺の着ているあの姉妹はどちらかというと本来は男装系の衣装を作っているみたいだな、二人が作った服を買ってる女性を見かけたけど皆そっち系の服を着てたみたいだし」


「ん?その服を作ったのってシルバーとゴールドの姉妹だっけ?」

「ああ」

「あの二人は確かBL系衣装専門だったはずだぞ」

「ぶっ!!」

やっぱり・・・・


まぁ気を取り直して


みんなそれぞれのパートナーを呼び出し


ちなみに今回のメンバーは


僕はさっき天さんから教えてもらった事を参考にして、小回りがきいてスピードもある[パール]とパールには劣るが空が飛べるのが強みの[スカイ]のに二匹にがんばってもらおう


アインは、何時もの相棒ゴーストの[レーヴァ]と西の塔で仲間になったバットの[キキーラ]


ライデンさんは、初心者広場で仲間にしたウッドスネークの[スニーク]とワイルドウルフの[ワルツ]


この六匹で挑む事にしたのだが・・・


「えっと、ライデンさん呼び出した時からスニークがワイルドウルフのワルツだっけ?に巻き付いたままなんですが大丈夫なんですか?」


「あはは、最初は皆そー言うよな、スニークはと言うかウッドスネークと言う種族は常に木の上で一生を過ごすらしく・・・地面に下りられないんだ」

「え?」

「種族特性と言うらしいんだが、地面に下りてしまうとなんか混乱してしまって、じたばた暴れまわってしまい何もできなくなってしまうんだ」

種族特性か・・・スカイが暗いところでは目が見えなくなるのと同じようなものだろうか



「それじゃあどうやって戦うんですか?」

「ウッドスネークは見た目と違って意外と伸縮性に優れていて、他のパートナーにしがみつきながらその尻尾を鞭の様にしならせて攻撃するんだ」


「なるほど」


「他のパートナーがいなかったときなんて、自分に巻き付くしかないもんだから大変だったよ」

「あははっ」

「戦うときは、自分が敵につっこまなくちゃいけなかったから・・最初は何度死に戻ったか」





道中は、さすが皆レベルも高くなってるせいかほとんど苦労する事もなく順調に先に勧めた


それにしても、ライデンさんの二匹、さすが慣れているのか物凄いコンビネーションで敵を倒していく


ワルツの攻撃が避けられてもその上にいるスニークの追撃によって叩き落され、その隙に回り込んだワルツが噛み付いて敵を倒す


敵が複数襲い掛かってもスニークの頭と尻尾で叩き落され、その隙にワルツの攻撃で倒していく

常に二匹が一緒にいるからこそのコンビネーションだ


そんなことを思っている間にいきなり砂浜が現れその手前に看板が


ボスはあの砂浜に出るのか・・・


看板手前には、何時もの如く、ボス戦の準備をしている人や急遽臨時PTの募集をしている人たちであふれている

そんな人達に軽く挨拶をしながら、先にボスに挑ませてもらう



看板の横を通り抜けると途端に後ろからの声が聞こえなくなり


しばらく砂浜を歩いていると前方の砂浜が盛り上がっていき


そこから現れたのはここのボス[ジャイアントクラブ]


クラブの時も思ったのだが、


カニと言ってもいろんな種類があるが

この[ジャイアントクラブ]は足が短く、そしてしっかり太い

見た目は、毛のない毛蟹、ハサミも両方同じ大きさで安定感のある姿をしている


そのぶん、関節は狙いにくそうだ


そして、甲羅はクラブとは比べ物にならないくらい堅そうだ


先手必勝とばかりにパールはそのスピードで狙い通り関節に攻撃を仕掛けるが微妙にHPが減ったかな?くらいだ


さすがボスだけあってHPも高いみたいだ


そう思っていると、いきなりボスが横向きになったと思うと


猛スピードでこっちに突っ込んで来た!!


はやっ


何とか皆よけることができたがさすがカニだけあって横歩き?のスピードは物凄い早い


そのかわり攻撃はワンテンポ遅れてやってくる

そのおかげで皆避けられた


ちょっと驚いたが、

僕達プレイヤーはボスから離れ

何時もの如く戦闘はモンスター達に任せ(サポートはしっかりしてますよ)


順調に攻撃をしていくがやっぱり直接攻撃は関節以外の攻撃が弾かれている


今までボス戦ではほとんど出番のなかったパールも今回はそのスピードを生かし確実に関節にダメージを与えて行ってくれている


逆にスカイは上空からは関節が狙いにくいのか低空で回りこんで攻撃するが連続での攻撃は意外と関節には当たらないで半分は弾かれてしまっている


・・・・・・レーヴァはずっと甲羅に張り付いているがHPが多すぎる為かHPドレインが効果があるのかがよくわからない^^;

ボスも流石に甲羅までハサミが届かないのかほとんど無視してる




ボスも必死に爪を振り回して反撃をするが大振りのためなかなか当たらないが

その分当たればかなりのダメージを受ける


スカイが軽くかすっただけで瀕死状態になって急いで回復をしたりした


こんな攻撃まともに喰らったらこのメンバーだったら皆即死だろう


だけどどんな攻撃が強くても当たらなくては意味が無い


そんな感じで戦っていると


HPゲージを見るとそろそろ残り30%をきった途端


突然ボスが急に一回転まわったかと思ったら足をすぼめ左右のハサミを顔の前でくっつけ完全ガードの構えをとってしまった


モンスター達がガードを崩せないか必死に攻撃するがまったくと言っていいほど全然ダメージを受けてない


あっ・・・まずい


「皆攻撃ストップしてーー!!」

「え?」


「ボスがガードし始めてこっちが攻撃するたびに、ボスの口から泡が吹き出して来てる」


そう、今までは少し泡が吹いてるかくらいだったのが

ガードし始めてから、こっちが攻撃するたびに泡をどんどん吹き出して来てる!


そして・・・


ボスがガードを解いたと思った瞬間

その口から細いが物凄い速さの泡をまるでなぎ払うかのように吐き出してきた!!


「うわっ」

「皆無事か?」


「僕は平気」

「自分は大丈夫だが・・・」


ライデンさんはうまく避けられたみたいだが


「スニークとワルツが巻き込まれた」


二匹ともHPは半分ほどしか減ってないが・・

その泡の所為でスニークが地面に落ちてバタバタと暴れてしまっている

「スニーク!!戻れーー」

ライデンさんが急いでスニークを石に戻し

再び召喚すると泡は取れたがワルツがまだ泡だらけなので巻き付けない為

ライデンさんに巻き付いて回復薬で回復をしている

ついでにワルツも一度戻して再び召喚・・・そしてやっと戦線に復帰できた


ちなみに、泡によって起こる状態異常のスリップ、あとは水に濡れた時になるびしょぬれ、気絶や混乱などは回復するアイテムが見つかっておらず

一度石に戻して召喚すると回復するらしいが


毒や麻痺、石化などは一度戻しても状態異常は回復しない

治すには専用の回復薬を使うか・・・もしくはその状態異常の強さによるけど時間の経過でも直る

現時点の毒だと3分ほど我慢すると直る




そんなことをしている間にも順調に戦いは続いている


ボスのHPは残り10%きった


流石にここらへんになるとボスの動きも活発になっていき

爪を振り回すだけではなく、体自体も回転させて抵抗してくる


こっちも特にパールなんかさっきっから同じ右足の付け根ばかり攻撃をしている・・・


あっ・・・・パールが攻撃してたところの足が取れてボスがバランスを崩した


今がチャンスと全員でもう攻撃の結果ボスのHPはもうほとんどない


と、その瞬間!!


あーー、やっぱり足が一本ない状態でもそんなこと関係ないような感じで横歩き?と言うか横走りでこっちに突進を仕掛けてきた


普段の動きは大振りなのにこの横歩きだけはやけに速い・・


だけど攻撃する瞬間はやっぱり一度動きを止めて腕を振り上げているので何とか避ける隙はある


そんなこっちが避けている間にパール達も追いついて、何とかボスに止めを刺すと


ボスは何もなかったかのように、むくりと立ち上がり、再び砂浜の中に潜っていってしまった


あっ・・・残された足は光の粒子になって消えた


ドロップを見ると[大蟹の足☆4]と言うアイテムを手に入れていた


・・・ちなみに食材だった

大蟹の足は部分破壊限定のドロップアイテムでとても美味しい(らしい)


10/7 アインとライデンさんの服装について加筆しました^^;

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