↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒスティマⅥ  作者: 長谷川 レン
第二章 連合軍vsヘレスティア
16/39

太陽って作れるんですよ?

視点はリクちゃんからマナちゃん。



 真っ白となった視界が少しずつ収まってくると、目の前には派手なクレーターとその少し向こう側で横たわっている二人の姿を確認できた。

 予想以上に爆発が大きかったので大丈夫かと少し心配していたけどツツの魔力も流れたことから殺傷力を無くしたから大丈夫だとは思っていた。

 ちなみに自分は〈プロテクト〉で爆発は完全に防いだ。


「ふぅ。ありがと、ツツ」

「どうってことは無いぜ! にしても、自爆するかもしれないなんて考えなかったこの娘は?」

「ん~。なんてったって、ハナさんだから……」


 考えていない、と思われます。なにせバカと言うか、アホの子なので。

 そんなふうに話していた頃。


「ぐ……ぅ……」

「っ!?」


 ボクは急いでルナを構える。呻き声のした方に顔を向けると、竜田が横腹を抑えながらゆっくりと起き上がり、立ち上がった。


「はぁ……はぁ……。さすがだぜ聖地様……。まさか〈爆草〉を爆破させるような事をしやがるとは……」

「あれだけの爆発だったら即気絶だと思ったんですけど……」


 そう言ったところで気がつく。竜田が纏っている悪魔の黒肌の上に、薄い膜のような物があり、それに亀裂が入っている。


「それ、〈悪魔の衣〉ですか?」

「ああそうだ……。っつってもダメージは相当だったけどな……」


 それでも竜田は剣を握り、戦う姿勢を見せている。


「もう、勝負はついてますけど……」

「最後の足掻きだ……。素直に受け取れや……」


 もう魔法は完成し、後は言葉を放つだけで発動する。ボクの目にはもう魔力粒子が見えているのでどんなふうに攻撃するかが分かる。

 竜田が剣を触れるとしたら後一太刀だろうか。ボクはツキを鞘におさめ、ルナをしっかりと構える。


「ハッ。上等だ……〈浸透真〉」


 距離を超えて迫って来たその竜田の剣を紙一重で裂けると、ボクはルナで竜田の体を思いっきり抉った。


「ぐ……。ハハ……なんだよその刀……。まるで死ぬ事が出来ねぇな……」

「ユミさんに教えてもらいました。神具をしっかりと扱えれば人の体に傷をつかせる事なく気絶させれる事を」

「露骨な平和主義者が居たもんだ……」


 地面へと崩れ落ちる竜田。すると、重たかった空気も自然と和らぎ、誰かが見ていたなんて事が少しでも嘘のように感じてしまう。


「一体誰だったんでしょう?」

『それよりもリク。こ奴等は放っておいて塔へと急がんかのぅ?』

「あ、そうだった。早く行って白夜さんを説得しないとね」


 二人と置いて地面を蹴る。後の事は、母さんが何とかしてくれるだろうから。



★★★★★★★★★★



「〈ウォーターウェーブ〉」

「〈フレアボム〉!」


 丸い球体が大爆発を起こし、こちらへと迫っていた巨大な波を中心から爆散。一時的に激しい雨になって降ってくるけど、ウチの炎はそれだけでは消えない。


「先に早く行く! ウチは後でいくから!」

「だが、水系統相手に炎は!?」

「じゃあウチと同等にやれる自信ある!?」

「く……ッ」

「ハーロン軍、彼女に任せる他ない! いくぞアラレウンド軍! 彼女に任せる!」

「「ハッ!」」


 アラレウンド軍第一部隊隊長の指示のおかげですぐさま他の邪魔者は去った。これでウチさえ避ければ大丈夫――。


「逃げるなら、全て飲み込めば良いんですわ。〈ハザードオーシャン〉」

「ちょ、それはいくらなんでも大きすぎだってば!?」


 いくらなんでもこんな数秒の内に全員が此処を離脱している訳が無い。同じ神同士の力でぶつかっている以上、属性による優劣はとても重要だ。カンマの時は大海原なんて呼び出さなかったからよかったものの、レナ(、、)の場合はいくらなんでも範囲がでか過ぎる!?

 そう考えている内も巨大な大海原のような波が攻めて来ている。どうやってこれに勝てばいいと言うのだ。これがキリとかだったら雷で力尽くで行けたかもしれないけど(※雷系統は水系統に優勢なため)。


「だけど、やるしかない! トリプルマジック! 〈螺旋焔球〉!」


 久しぶりにいつもより多く魔力が抜かれる感覚を味わいながら三つのURUの魔法が一転を狙って飛んでいき、迫る大波にぶつかって行く。

 水系統はやはり相手が悪い。だけど、ウチがURUを三つも飛ばした事により何とか大波を爆散。何とか後ろに居た軍を守る事が出来た。


「す、すまない!」

「謝る暇があるなら早く行く! ウチだって今のを何回も防げるような魔力は無いんだよ!」


 ウチが言った事によって軍は一応は列をなして駆け足でライコウへと入って行く。その間も構わず追撃を何連発もしてくる。


「〈ウォーターランス・スプラッシュ〉」

「〈フレアウォール〉!」


 三つの炎の壁を用意して、それらを受け止める。一つ、二つ、そして三つ目になった所でようやく全てを受け止め、これも防ぐ事が出来た。


「ちょっとレナ! あんた何でウチ達に攻撃してくるのよ!」

「…………。〈ウォーターランス・散槍〉」


 レナはウチの言葉など聞かずに魔法を発動。前は三発しか放てなかったその魔法からは五発にまで増え、それが一斉にウチへと迫ってくる。

 他の兵に行かなくて良かったと考え、ウチはすぐさま背中に顕現している〈炎翼〉によってその場を宙返り、二発を同士打ちさせて無力化させると、すぐさま弓を引き絞って一発を撃墜。もう二発は旋回や宙返りを屈指して家にぶつけたり城壁にぶつけたりして避けた。


「ちょっと人の話聞かないってどういう事!?」

『マナ様。これは私の憶測ですが、レナ様は操られているのではないでしょうか?』

「え? そんな!?」


 レナが操られた!? そんな事が――。


「〈スプラッシュスライサー〉」

「!?」


 ウチが驚いていると、レナは無数の切れる水圧の刃を展開し、放たれた。いくつかを回避していくけど、さすがに全ては避けきれず、仕方なしに魔法を放つ。


「〈フレアウォール〉!」


 一枚の壁に少しだけ多めの魔力を入れ、すぐさまそこから離脱。いくつもの刃がぶつかりヒビが入り、すぐさま壊れる。


「フィエロ! とりあえず殴ったら治るかな?」

『ええ物凄く懐かしいユミ様理論です。本当にありがとうございました。……と、冗談はさておき、気絶させてしまえば確かに治るでしょう。もしくは、洗脳を解くための治癒魔法です。しかし、マナ様が出来るのは前者だけですね』

「至ってシンプルでいいね~。でも、一応言っておくけどウチはユミ様みたいに自由奔放でも単刀直入でも元男でも姫様でも無いからね~?」

『一応、考える人ではあるんですよ? ただ、それが全部力尽くで解決出来てしまわれただけと申しますか……』


 仕事嫌いそうだったけど、それなりに考える人だって事はわかってる。国民のみんなもユミ様の事はかなり慕っていたし。


「それじゃあ戦う方向に決まったし~。レナさん、今すぐに元に戻してあげるからね~」

「…………〈ヴォルテックプリズン〉」


 辺り一面に水の気配を感じ取り、急上昇。居た場所がすぐさま水に覆われて冷や汗がかくけどそんなことをしている暇なんて無い。


「〈火矢〉!」


 上空へと逃れたウチはすぐさま矢を五本同時に放つ。するとレナは地面から手を振り上げると、まるで吸い上げられるように出てきた大量の水が手の動作と同じように動いて矢を飲みこんだ。


「嘘。魔法も無しに水を操れるの?」

『おそらく、加護の力です』

「そういえば、フィエロの加護って一体……」

『私のですか? 空を飛ぶ飛行速度が上がり、火系統の力を強める加護ですが?』


 能力アップと行ったところか。炎が操れるとかじゃないんだと少し残念だったけど。


「…………」


 すると、何を思ったのか、レナはその手にハープを取りだした。


「何、あれ?」

『カイシンの神具です。おそらく曲に惹かれたためにハープの姿何だと思われます』


 レナがそんなのとは知らずに、ハープの弦を指で弾いた直後だった。



 ――先程まで魔法などで放たれて水びだしになっていた水が全て意志を持つかのように一斉に襲い掛かって来た。



「ちょ、嘘でしょ!?」


 それらを続けざまに回避し続けるも、永久に襲ってくる水に抵抗出来ず、瞬く間に水がウチの体へと突撃してくる。


「痛ぅ!」


 それは予想以上に堅い塊となっており、一つ一つがかなりの圧力の加わっている水だ。もはや打撃兵器となっているそれを破壊する事を試みる。


「〈神魔破陽弓〉!」


 魔力使用量の大きいこの魔法をあまり使わないようにしてきたが、今では簡単に出せる事が出来るくらいに魔力が大きくなっているウチはそれを放つと、襲い掛かって来た水が蒸発。白い煙となって視界を悪くしてしまった。


「あ、やっちゃった!?」


 視界が見えなくなってしまったその時、霧の向こうから残っていた水が襲い掛かって来た。

 急いで上空に避難し、避けると、水がその場にとどまったまま動かない。


「この霧で見えてないのはレナさんも同じ……? なら……」


 ウチは魔力を解放。手に持っていたフィエロから金色の炎が漏れ始め、そのすべてが上へと集まって行く。

 すると、霧越しでもこちらが見えるのか、水がその場から動き始めてウチへと襲ってきた。

 だけどもう遅い。ウチへと迫って来た水は全てウチにたどり着く前に蒸発してしまう。


「熱っ!?」


 それほどの高熱……いや、光熱を放っているのだから!


「いい加減目を覚まさせてもらうからねレナさん! 〈金焔太陽球〉!」



 え? 名前からもっといろいろな物が溶けて蒸発していくって?

 ……だ、大丈夫だよ。……たぶん……。ほ、ほら、レナさんだって同じ神使いだしね?



「いっけぇ!!」


 内心の不安とは裏腹に、ウチは上空で溜めていたそれを下へと落とす。


「くっ。〈ハザードオージャン〉!」


 レナが慌てた様子で先程よりも魔力を大量に込められた大波を呼び出しその金色の太陽へと向かわせていくが全て蒸発して消えて行く。

 そして……。



 ――遠くで巨大な爆発音がしたのと同時にこちらでも複十数の建物を巻き添えにして地形を変えながら爆発させた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。