コックリさん
「笑湖殿、チャロアイト!それがしはここでやんすよ!」
弁慶さんが大きな声出して手を振ってるよ…
しかも、やんすって…語尾ガチャ的には当たりなのかな?
「弁慶さん目立ち過ぎ。立ってるだけでわかるから、大きな声ださないで下さい」
「すみません。ついはしゃいでしまいました」
あれ?敬語も使えるんだ。それはそれで怖いな。
「弁慶。笑湖殿が困っている。そなたは目立ち過ぎるから、早く陽光殿の所に行きましょう」
いや、チャロアイトさんも十分目立ってるよ。
「それでは笑湖殿、後程また合流しましょう」
チャロアイトさんが軽く手を振って、ふたりは校長室に向かった。賢者さんに会いに行く計画を立てるんだよね?
……「えい!認識阻害」なんてね。私も使いたいな。
「皐月さん。今の人って、英雄弁慶さんだよね?突然ごめんなさい。僕、異世界研究部代表の『藤タロウ』お話するのは初めてだよね?でも、顔くらいは知ってるでしょ?僕有名だから」
あー、変なポーズ見られちゃったかな?まぁいいか。
この人藤君だ。やたら女子に人気なんだよ。異世界研究部?そんな部活あったかな?
「そうだよ。本名は佐藤彰さん。けど、本名で呼ばれるの嫌いみたいだよ」
「すっごい!陽光校長の所に来たんだよね?皐月さん知り合いなの?紹介してよ」
「それに、一緒にいた娘って、隣の駅前に時々店を出してる易者さんだよね?ハーフエルフって噂の…」
チャロアイトさんって案外有名なんだな。それにしても、めんどくさい人に絡まれたな。パパと同類のオタクかな?めんどくさいのは異世界帰りの人だけで十分なのに。
「今度紹介してあげるから、今日は勘弁して。ごめんね」
早く教室に行って落ち着きたい。登校するだけでこんなに疲れたの初めてだよ。
あれ?アメデオちゃんの尻尾が増えてる…なんで?藤君のせい?彼も魔力持ちなのかな?後で校長先生に相談しないと。
午前中の授業が終わってお昼休み。朝の件でちょっとザワザワしたけれど、とりあえず大きな波風は立たなくて良かった。
「笑湖殿。昼食を一緒に…」
チャロアイトさん。クラスの男子が皆釘付けだよ。藤君まで来たら大変。
「チャロアイトさん、屋上でお弁当にしよ」
あわてて屋上に避難…って思って来たのに、なんで藤君がいるのよ。
なんだろ?一生懸命床に何か描いてる。鳥居とYES・NO。五十音?あれって、コックリさんじゃんか。異世界研究部ってオカルト研究もしてるんだ…
「あの間違った術式は少し危険だな…半端な事すると痛い目見るかも?少し教えても構わないかしら?」
「そうなんですか?でも、めんどくさいからやめておきましょ」
コックリさんとか遊びの一種でしょ?やめておきましょとか言っちゃったけど、チャロアイトさんの言うことだし…やっぱり少し不安。
あれ?なんだろ?耳がキーンってなる。なんだか辺りが静かになって、藤君のコックリさんが青白く光りだした。あの光って黄色い本の光に似てる…
「…」
え?チャロアイトさんが真剣な顔してる。
嫌な予感しかしないよ。




