オプオプ博士
揺すっても叩いても熟女は起きない。ファーストキスまで捧げたのに。このまま何も起きなかったら…踏んだり蹴ったりだ。
スマホは圏外だけど、内蔵AIのオプオプ博士は使えるみたい。情報の更新は出来ないけれど、それでも十分助けにはなるはず。
「ねぇ?オプオプ。異世界の情報ってどのくらい持ってる?」
「過去の攻略ベースならありますよ。でも異世界にも色々あるので、何かヒントはありますか?」
「とりあえず、予備知識はなくて、エルフの熟女が寝てる…」
「エルフの熟女ですか?エルフの平均寿命は600年が相場だから、そのエルフ推定450歳位ですよ。エルフの中でも高齢者です。美しいですか?」
「とりあえずおばさん。どちらかと言えば綺麗かな?でもジャージ着てる」
「テンプレ展開でいくなら、とりあえずキスとか?」
「それ、もうやったけど起きないんだよ」
「既に試したのですね?奥手だと思っていたのに、手が早いですね笑」
「余計な事言うとアンストするよ」
「ごめんなさい…しかし、キスで起きないとなると困りましたね。テンプレが通用しないとなると、フロンティアの可能性もあります」
「自然に起きるの待つしかないかな?別に急いでないし」
オプオプ博士にも攻略方法わからないのか。困ったな。
とりあえず近場を散策してみるか。空を飛んでる人とかいるから、魔法系統の異世界っぽいけど。
それに、僕にもチート能力とかあるはずだよな。外れスキルが実は…みたいな。
小屋に戻ると熟女が起きていた。良かった。
「あら。あなた起こしてくれたの?死んでるかと思ったでしょ?」
言葉が理解出来るということにとりあえず安心した。
「おはようございます。僕、昨日こちらに転生してきたのですが、目的も何もわからないんですよ」
「おばさん、何か分かりますか?」
「おばさんは失礼ね。あたしは『フローラル』見ての通りエルフよ。フローでいいわ。あんたは?」
「僕は『アロハ』ハワイの言葉でこんにちはです」
フローラル…とてもバラには見えないけれど、頼りになるのはこの人とオプオプ博士だけか。
「あたしが起きたって事はアロハ、あんたキスしたね?」
「どんな気持ちだった?エルフとキスなんて、異世界モノの王道だろ?キュンキュンしたろ?」
「いえ、闇歴史になりました」
どうやらキスをしたのは正解だったようだ。時間差イベントかな。
「失礼しちゃうね。とりあえず飯食いな」
「はい。いただきます」
食事は現世とあまり変わらない。パンのようなものと野菜のスープ。デザートに変な形のフルーツ。コーヒーまで。普通に旨い。
「ごちそう様でした」
「早速ですけど、色々と聞いてもいいですか?」
のんびりする異世界物もあるけれど、まずは目的を知らないと。
「そうだね。あたしのところに来たって事は…」
僕はオプオプ博士を起動させて一緒に聞く。
「生成AIかい?こいつらバカだろ。頼りになるのか知れたもんじゃないよ?」
「意外と頼りになりますよ。現代人の必須アイテムです」
「そうです。私、有能です。フローさんよろしくお願いします」
「でも、充電切れたら使えないだろ?」
「振動充電だから、大丈夫です」
「へー。テクノロジーも進化してるんだね。まぁよろしく」
「さて、アロハの目的だけどな…」




