6.「釣り」に行こう!
「「着いたーーー!」」
ゆたか達一行は市内の離島に釣りに来ていた。
「今日は絶好の釣り日和ね」
「ねーねーさおりって釣りしたことある?」
「今日が初めてね。大物釣ってやるわ!」
「マグロとか釣れないかなー」
まだ見ぬ大物に思いを馳せるみんととさおり。
「そういや作久田よー道具は全部用意するって言ってたよな?」
「言ったねー」
「じゃあ、なんで手ぶらなんだよ。持ってくんの忘れてないよな?」
「はっ!!!忘れた!!!なんでもっと早く言わないの!?」
「正気か?このクソチビ!じゃあ、何のためにここまで来たんだよ!往復でフェリー代1000円強するんだぞテメー!」
「ま…待てッ!矢木!うそ!うそ!
うそだよおぉ〜ん!冗談じゃ冗談!」
「はぁー。ビビらせんなって…」
「あはははは。で、誰がクソチビだって?」
「悪かったよ」
「許さないからね。根に持つからね。このツケは絶対払わせるから。心のメモ帳にキッチリメモってるからね」
バツが悪いゆたかは冗談を流しながら話を変える
「はいはい。じゃあ道具はどこにあるんだ?」
「もう釣り場に置いてあるよ」
「お前、さっきのジ⬤セフのセリフやる為だけに、わざわざ前もって道具置きに来てたのか?」
「いや?来てないよ」
「は?じゃあどうやって?」
「ちょっと大荷物だったからね。ドローンを使ってね」
「それバリバリアウトだろ」
「今更今更。さ、釣り場の受付を済ませよ」
「開き直るなよ…」
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「あ、矢木!ちょっとここで待ってて貰える?」
防波堤に少し入った辺りでしょーごはゆたかを呼び留める
「いいけど、なんで俺だけ?」
「ちょっと実演したいものがあってね」
「はいはい、終わったら読んでね」
「まあ、その必要はないと思うけどおけおけー」
「じゃ、お先にごめんね〜」
「悪いねゆたか、この釣り場は3人用なんだ」
「この釣り場はそんなに狭いように見えないが?」
「…………逃げるんだよォ!」
「はぁ…まったく…」
待機するゆたかに一声掛け、3人が先に行く。
ゆたかはすぐ呼ばれると思い、スマホの電源を入れるが————
10分以上経っても呼ばれることはなかった。
痺れを切らしたゆたかが視線をスマホから3人に向けると、みんととしょーごが釣り竿を持ちはしゃいでいた。
(ここで待たされた意味は何だったんだよ…)
ゆたかが呆れながら歩き始めると同時に、しょーごが海に向かって釣り針を投げる
釣り針は弧をかいて進む
海ではなく、ゆたかに向かって————
(は?なんなんだあの針!)
ゆたかの目の前に来た針は自ら器用に動き、ゆたかの服にフッキングする
(なるほど。釣り針にドローンが付いていやがる。これであの挙動をしたのか………ん?待て…俺が釣り針にかかってるってことは…!)
ゆたかが行動を起こす寸前、釣り上げられる。
「おわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっっっっ!!!!!」
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「はぁ…はぁ…テメー…殺す気か…?それともなんだ…さっきの復讐か?」
「あはははは。復讐するならもっと苦しみを味合わせるじゃんね」
笑いながら答えるしょーごの手には恐竜の頭蓋の形をしたリールからピンクの糸が出た釣り竿があった
「どうだった?私の新しいス●ンド"ビ●チ・ボーイ"は?」
「お前のスタ●ドはシ●ハじゃなかったのか?」
「DISCを入れ替えたんだよね。」
「ハッ、お前の本当のスタ●ドはホ●イトスネイクってわけか」
「ってことでビーチ・ボ●イの解説をさせてもらおう!」
そう言ってしょーごは意気揚々と話し始める
「まずなんと言っても、水空両方で好きなように動く!まぁ、そのために釣り針部分にドローンを付ける必要があって見た目はぶっちゃけク●だけど、性能は抜群!操作はこの別端末で行えます!ちなみにソナーも付いてるから自動で魚を探してフッキングまでしてくれる!ラインは長くて丈夫!こんなシャープな釣り竿見たことある?」
「すごいじゃない!貸して!それで大物釣ってやるわ!」
「いいよー。はいこれ別端末ね。説明書もその中に入ってるから」
「オッケー!」
「で、俺らの分の釣り竿は?」
「ちゃんとあるよ!でも、ちょっと目を瞑っててくれる?」
「はぁ?またかよ…今度は何するつもりだ?」
「禁則事項です」
「チッ、わーったよ。目ぇ瞑ってればいいんだろ?」
「サンキュー、じゃ阿部!さっき言った通りね!」
「オッケー!任せて!」
2人はガタゴトと準備を始める
「はい、じゃあ矢木、ちょっと左足上げて!」
「は?なんでだよ?」
「いいからいいから!」
「へーへー」
「そうそう、それで右も上げてー。でそこで正座!」
「何座らせられたんだy……イテッ!何か頭ぶつけたんだけど!俺はホントに何に座ってんの!?」
「準備が終わるまでの楽しみだよゆたか!で…これを被せて…はい!危ないからこれ持ってて!」
「ん?これは紐?にしては太くて…ゴムっぽいような…」
「じゃ、これを着て!」
「はいはい」
「仕上げにこれを付けたら…」
「つけ髭?」
「よし!完成!」
「やっと終わったか…じゃあ、目を…」
「ゆたか!腰の辺りにあるへりをちゃんと掴んでてね!」
「ああ…ってへり?」
「「よっこいしょ」ういちっと」
ゆたかに浮遊感が襲い掛かる
「おわっ!」
「「じゃ、いっせ〜の!」」
先程とは比べ物にならない浮遊感がゆたかに襲い掛かかり————
バッッッシャァァァァァーーーーーーーン!
「おい!さっきから何なんだ!いい加減説明しろ!」
「もういいかな!はいこれ見てー」
しょーごがこちらに向けた姿見には、ぷかぷか浮かぶ宝の文字が書かれた舟に頭から釣り針を生やした姿で座っているゆたかが写っていた
「つられ●ろう丸かよ!」
「矢木ー、お似合いだよー」
「あ゙?海に引きずり落とすぞテメー!」
「まーまーとりあえずそれで釣りしてよ」
「は?こんなバカデカい釣り針で釣れるわけかねえだろ!」
————————————Two thousand years later————————————
「で、なんでこんなことになってんだ……………?」
「エィ」「エエ」「エイ」「エェ」「えぃ」「エェ゙」「エッ」……
ゆたかの周りには赤、青、緑色をしたナマズが大量に集まっていた
「おお〜!そっちも大漁だね!」
みんとはゆたかとは色違いの舟に乗り、黒い体に赤青緑各色の唇と背びれを持ったナマズを連れて話しかける
「なあ、コイツらナマズだよな?」
「そうだね。ゆたかのが"怒り●マズの一郎"、"悟りナ●ズの三郎"、"鉄砲ナマ●の五郎"で、僕のが"紅蓮ナマ●のお凛"、"黄泉ナ●ズの権蔵"、"冥土●マズの佐吉"だね」
「そうだよな…じゃなんで海で釣れるんだ?ど●こ池に帰れよ。てか、コイツら普通の魚じゃなくて妖怪だろ?俺みたいな一般人に釣り上げられるなよ」
「エィ」
「いや、"エィ"じゃなくてだな…」
「エェ」「エェ゙」「エイ」「エエ」「エ゙イ゙」「えぃ」「エッッッ」「え゙ぃ゙」「エー」「イ゙ェイ゙」「エ゙ェ」………………………
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!エーエーうるせんだよ!しかもキッチリ"エィ"以外で鳴きやがって!…………待って、何か興奮してる奴いなかったか…?」
「ねーねー、しょーごとさおりの成果見に行かない?」
「あぁ…そうするか…このまま続けてナマズしか釣れないだろうしな…」
「エィ!」
ゆたかとみんとが大量のナマズを引き連れてしょーごとさおりの下へ向かう
「おっ!そっちは大漁じゃん!」
「お陰様でな」
「いっぱいナマズ釣れたよー!」
「島田は?」
「あー…今ビー●・ボーイで大物探してる」
「何やってんだ…?釣れよ…」
「記念すべき1匹目おっきいのが良いってことじゃない?さおりってそういうの気にするタイプだし」
「だからって粘りすぎだろ」
「まーそこは人それぞれだk「来たッッッ!!!」
さおりの声がみんとを遮る
「やっとか…」
「何釣ったかな?マグロ?」
「カジキかもよ」
「いや、無理だろ。それにここら辺にいるんか?」
「んーじゃあ、クジラとか?」
「もっとありえないだr「ン゙ン゙ゥ゙ーーーーーーーーキヴヴヴーーーーーーーーヴヴッ」
「「「!?!?」」」
ビーチ・●ーイのラインの先が海面から飛び出す
「やった!超大物ッ!」
「それどころじゃねーだろッ!てか、何であのバカデカいクジラを釣り上げられるんだよ!」
「やった!鯨肉食べ放題!」
「食べきれるか!」
「え?そっち?」
「これが問題になっても、どうせ作久田が揉み消すんだからそっちは気にしなくもいいだろ!」
「いや、確かにそうするけどさぁ…」
3人が慌てていると、ゆたかの頭が海に引っ張られる
「うわっ!待って、何か掛かった!しかも何かデカい…」
「こっちも大物!?」
「あ!ナマズたちがグルグル踊ってる!」
みんとの指摘通りナマズたちが踊り——————
ゆたかは巨大な茶色のナマズを釣り上げた
「分かってたけど!分かってたけどッ!あのナマズ達の動き的にもッ、釣り上げる際の重さ的にもッ!分かってたけどッッッ!何で池のヌシが海で釣れんだよ!ヌシなら余計すっ込んでろよ!!!」
「にしてもでかぁ…ヌシってこんなにデカかったんだ…」
「ゆたか!ヌシ釣ったんだし技名叫んで!」
「は?何でそんなことを!」
「じゃないと、帰らないんじゃない?ヌシ」
「……………………………………」
空中に浮かびじっとゆたかを見つめるヌシ
「……………………わぁったよ!言えばいいんだろ言えば!」
「ど⬤こい大漁節ッ!大漁じゃ!」
その掛け声と共に口から強力な水流を吐き出す
そして、さおりが釣り上げているクジラに大きな風穴を空けた
「あーーーーーーー!私の大物が!!!!!」
クジラの体が風穴の部分から真っ二つに裂けたのを見届けてヌシは海に潜っていった
「ちょっと矢木!なんてことするのよ!躾ぐらいしておきなさい!アンタのせいで上半分しか残ってないじゃない!」
「躾なんかできるか!釣り上げたばっかだぞ!それに半分だけでも持て余すのにもう半分を惜しむな!」
「ふん!もう知らない!作久田!とりあえず釣り上げた上半分捌きなさい!」
「え?私?」
「そうよ!他に誰が裁けるのよ!」
「前もって言っとくご俺は無理だからな」
「僕もー」
「えっ嘘だろ嘘だろ」
「作久田……頑張れよ…」
「いやーーーーーーーーーーーー!!!!!」
ゆ「なぁ、お前の作ったビ●チ・ボーイって水中自由に動かせるんだよな?」
しょ「そうだね」
ゆ「じゃあ、沈んだ下半分も釣り上げられるんじゃね?」
しょ「…………………」
ゆ「おーいノシ聞こえてるー?」
しょ「お前それ絶対島田に言うなよ!フリでも何でもなく!」




