第四話
瞬きをしてみる。
…ある。
目をこすってみる。
…ある。
頬をつねってみる。
…痛い。
「…」
―宮内さんも真ん中っ子だし、明日現れたりして!
昨日の先生の言葉が、頭を過った。
…ごめんなさい先生。あったみたいです。
「えぇ…」
眉をひそめながら、じりじりと近づいて見てみる。
これが、あの真ん中っ子ガチャ。
「なんか、考えてたのと全然違うんだけど…」
魔法のガチャガチャって聞いてたから、もっとキラキラしたいかにも「魔法でーす!」みたいな感じかと思ってたのに、こんな地味なことある?時代遅れな田舎町の駄菓子屋にちんまりと、さりげなーく置かれているなんて。
「中身は…見えないな」
大きさはあれど、隣にあるガムボールマシンとほとんど同じような色と形をしている真ん中っ子ガチャは、ケースの部分が乳白色になっているせいで中身が見えない。イメージイラストもない。
あるのはただ、カラフルな文字で書かれたこの意味不明な文章だけ。
「うーん…」
何が出るのかわからないのは、ちょっと怖い感じがする。あれでも、その人にとって一番必要な物が出るんだよね。それなら、別に悪い物が出たりはしないかな。
―もし本当に見つけることが出来たんなら、回してみるといいと思うよ。
「…」
…回して、みようか。
両手に持っていた買い物袋を左手にひとまとめにして、ショルダーバッグから財布を取り出す。
「…ん?あれ?」
金額を見ようとガチャに視線を戻して、気がついた。金額が書いていない。
いや、それ以前にそもそもお金を入れる投入口がない。
「…無料ってこと?」
首をかしげつつ、一旦財布をしまって、試しに手をかけてみる。そのまま軽くひねってみれば、どうやら回せそうだ。
「…」
思い切って、そのまま手首をひねる。
ガコンと、カプセルの落ちる音がした。
「…?」
取り出し口に転がってきたのは、薄いグレーのカプセル。相変わらず中身が見えないけれど、結構大きい。片手で持てるけど、指が回りきらない。ちょっと重さもある。
試しに軽く振ってみれば、ガチャガチャと中身が揺れる音がした。
「…」
何が入っているんだろう。
家に帰ってまたいろいろ母から頼まれる前に、ここで一度開けてみようか。
カプセルの中央の爪を指先で外して、下の両側を押す。カポッと音がいて、カプセルは開いた。
「…ん?」
見えた中身に、私はまたもや首をかしげる。
出てきたのは三つ。
一つは、課題と書かれた変な紙。『嫌を主張せよ』と書かれている。
二つ目は、交通系ICカード。ご丁寧に『千円分チャージ済み』と書かれた付箋がついてある。
三つ目は、【Claim】と書かれた鍵。持ち手のところがハートみたいになっていておしゃれで可愛い…けど、なんの鍵?
ガチャマシーンにもう一度視線を向ける。
『本気で素敵な真ん中っ子になるために、貴女にとって一番必要なものが出てきます』
「…これが、私に必要なもの?」
…いや、どれも意味不明なんだけど。
【Claim】
『課題:嫌を主張せよ』




