小さな小さな 大冒険!! 12
筆者の神龍です♪
一つの小説を書いている間に他の小説を書きたくなってしまったので、新しくアップさせて頂きました。
もし面白かったら読んでくださいね♪
毎週月曜日と木曜日の朝7時に更新します。
「有難うございます~・・・暫くは龍徳様と呼ばせてください~ど・努力しますので・・・。」
「努力するようなものじゃないんだけど・・・取り敢えずこれからも宜しくね♪」
「は・はい!こ・こちらこそ不束者ですが、よ・宜しくお願いします。」
「それじゃ~また、呼び出す事もあるだろうから今日は精霊界に戻っていてね♪」
「は・はい! 分かりました。」
そして、ひゅ~うと風に溶ける様に姿が消えていった。
「龍徳殿~! 今のは・・・何なのですかな?」
アキ達が走って俺に話しかけてきた。
「何なのって・・・風の精霊でしょう?」
「そ・そうなのですか?・・・あの様な風の精霊もいたのですね・・・。」
「龍徳さ~ん! 早速、風の魔法の練習してみる?」
「うん♪誰が先生をしてくれるんだい?」
「風魔法はね♪ どの属性とも大体相性がいいから皆使えるよ♪」
「そうなんだ? じゃ~ハル先生にお願いしようかな♪」
「任せといてよ! 風魔法はね~“エア”って言うんだよ♪ だから・・・さっきの魔法と同じ種類にすると~“エアボール”とか“エアバレット”なんだけど・・・風魔法は初級魔法だとあまり威力が無いんだよね。」
「へぇ~そうなの?」
「うん♪ だから・・・通常使う事が多いのが“エアカッター”と“エアトルネード”なんだけど・・・」
「なんだけど?」
「さっきから龍徳さんの魔法の威力が桁違いだから・・・今回はエアバレットを見せるね♪」
「了解!じゃ~よろしくお願いします♪」
「は~い♪ 魔法の中で、どの属性とも相性が良い風魔法なんだけど意外と難しい魔法でもあります!」
「へぇ~」
「何が難しいのかと言いますと・・・先ず!半透明である風魔法はイメージしづらい事。次に形のない風を固定する事が難しい事です!」
「なるほど・・・言われてみれば当然だね・・・確かにカッターとかトルネードはイメージし易いけど・・・風のボールと弾丸だもんね・・・」
「さすが、龍徳さん♪ 良く魔法を使う前に気が付きましたね♪ なので、風の魔法の大半は常に渦をイメージしなければ威力がありません!」
「なるほど~パチパチパチ」
思わず拍手してしまった。
「いや~それほどでも~」
ハルが照れ臭そうに頭をポリポリと掻いている。
「じゃ~早速やってみるね♪“エアバレット”!」
ハルが人差し指で銃を撃つように魔法を発動させた。
ヒュンっと風切り音がするが何も見えない。 結界に当たったのだろうバチンっと音が鳴った事で、漸く魔法が当たったと気が付いた。
「うっ・・・見えない・・・。」
「そうなんだよね~見えないからこそ使い勝手も良いんだけど・・・今見た様にボールやバレットは威力があまりないんだよね~」
「取り敢えずやってみるね♪」
水魔法の時の回転のイメージを風でやるだけだ・・・・・難っ! 出来ているかも分からん!
「クスクスクス♪ ハル~いくら龍徳様でもいきなりは難しいわよ?」
「えぇ~龍徳さんなら出来るかと思ったんだけど・・・見えないものはイメージが難しいかぁ~」
「そうみたい・・・何か良い方法があれば良いんだけど・・・」
するとナツが口を挟んできた。
「はい!先生交代♪」
「えぇ~ ちぇ~ わかったよ~・・・」
ハルが不満そうに渋々ナツにバトンタッチしていた。
「龍徳様? 風魔法の練習は、先ず魔力操作で風を起こすところから始めるのが普通ですわ♪」
「風を起こす?」
「はい♪ なので、本来風魔法は魔力コントロールの練習として一番最初に行うんですが、今まで龍徳様が当たり前の様に魔法を使われるので、ハルも勘違いしてしまったようですね♪」
「おぉ・・・なるほど・・・」
「本来、離れた場所に魔力を放った後、その魔力を移動させる練習を行いますわ♪」
「なるほど~って事は・・・こんな感じかな?」
10m程離れた空間に魔力を浮かべるイメージの後、その魔力を動かしてみた。
「はぁ~ヤレヤレですわ♪ これはハルが勘違いするのも仕方がありませんわね・・・。」
「でしょう? 言われてすぐ出来ちゃうんだもん! 出来ると思っちゃうわよ!」
「えぇ~言われたからやったんだけど・・・・。」
「言われた位で直ぐ出来る方が凄いんだよ!普通はもっと!も~っと!時間が掛かるものなの!」
ハルが魔法の大変さを力説しているが出来てしまうものは仕方がないな。
「先程もお話ししましたが、本来、マナその物には自然界に影響を与える事は出来ませんが、体内で“フロー”や“ブースト”を行い、マナの密度を高める事で、自然界に影響を与える事が可能となります。」
「それは、覚えてるよ♪」
「はい♪ そして、この世界の四大元素の源である精霊を通す事で、“魔法”と呼ばれる力を行使する事が出来る訳ですが、高濃度に圧縮された魔力であれば、別に四大精霊を通さずとも自然界に影響を与える事は可能なのです。」
「あっ! そう言えば、最初にマナのコントロールを教わった時に何か言ってたよね?」
「その通りですわ♪ この魔力その物を使う力を“無属性魔法”と呼びます」
「へぇ~ 無属性魔法・・・か・・・」
「はい♪ 訓練次第で、様々な使い方が出来る“万能魔法“でもありますが、魔力のコントロールが非常に難しいのが、欠点でもありますわね・・・。」
「万能魔法か~♪ それは、興味があるな♪」
「クスクスクス♪ 龍徳様であれば、そう言われると思いましたわ♪ 今さっきの魔力の放出を練習する事で、風を起こしたり、物を動かしたり、浮かせる事も可能になります。 風魔法は大気に干渉する魔法なので、規模が大きい魔法であれば目視できるのですが、簡単な魔法だと透明である為、却って練習が必要なのです。」
「フム・・・。じゃ~今は魔力のコントロールが大事なんだね♪」
「そうですわね♪ ですが、簡単な方法もあるにはあるのですが・・・」
「簡単な方法があるの?」
「あるにはあるのですが、非常に非効率と申しますか、魔力量との結果が見合っていないと言いますか・・・。」
「ん?どう言う事なの?」
「分かり易く言いますと“ブースト”状態が身体強化の魔法であると先程お伝え致しましたが、龍徳様もお分かりの様に目の力も強化されましたわよね?」
「おぉ! 確かに、視力が上がったよね♪」
「はい♪ あの状態は、身体強化なので、身体全体を強化したので、視力が良くなった程度なのですが、ブースト状態の魔力をコントロールして目に集中する事で、本来見る事が出来ないものまで見る事が可能になります」
「へぇ~ そうなんだ・・・。」
「はい。この状態を“魔眼”と言いますが、当然魔力を通常よりも大量に消費しますので、魔力切れを起こし易くなってしまいますので、注意が必要です。」
「魔力切れ?ってなんなの?」
「魔力切れって言いうのはね~♪ 人にもよるけど眩暈を起こしたり、意識を失っちゃう状態になるんだよ♪ 酷い場合は、命の危険だってあるから気を付けないとね!」
ハルがあっけらかんと教えてくれるが
「何か・・・危なさそうだね・・・。」
「そうですわね・・・本来であれば、お勧めしない練習方法なのですが・・・」
「まぁ~龍徳殿には無縁そうに見えるが・・・レベルが上がれば自ずと自分の魔力量が分かる様になるからそんなに心配はいらんと思うぞ・・・。」
「へぇ~」
「フフフ♪ そうですわね♪ 龍徳様の魔力量がどれ程なのか興味がありますが、今は無謀な事さえしなければ問題ないでしょう♪」
「じゃ~取り敢えず!さっき教えて貰った“魔眼”状態になってから風魔法を使ってみるよ♪」
魔力操作を行い風を生み出すと自分の掌に風の塊がある事が分かった。
「おぉぉぉぉぉぉ~~!見えた~♪ “エアバレット”!」
20㎝程度の風の塊を結界に向けて投げつけるとヒュンっと一直線に結界に当たったあと爆風が吹き荒れた。
「きゃぁ!」
ハルとナツの服が捲れ2人共慌てて自分の服を抑えていた。
「龍徳さんのエッチ~!」
ハルがジト目で俺を睨んでいる。
「えぇ~! ワザとじゃないよ? 本当だよ?」
「クスクスクス♪ ハルの冗談ですわ♪ それにしても・・・エアバレットで、この威力ですか・・・。」
「これって・・・絶対あれだよね?」
ハルが気になる発言をすると
「今は、龍徳殿に魔法を教えて差し上げる方が先であろうが!余計な事を申すな!」
アキが親子とは思えぬ程の厳しさでハルを叱咤していた。
「ゴメン!そうだよね・・・何にしても、後は土属性だけか・・・本当に凄いや♪」
「結局、三属性使えておるからな・・・四属性は無いと思うが・・・。」
「土の精霊は、意外と気難しいですからね・・・」
そんな事を三人で話し合っていたようだが俺の耳には届かなかった。そして・・・
「土の精霊よ”我が声に耳を傾け給え」
俺は、土の入った鉢を前に精霊に呼び掛けた。
すると、鉢の中の土がグニャグニャと形を成していく。
「・・・・・。」
手抜きの人形の様な姿が目の前に現れた。
「初めまして・・・俺は、龍徳・・・神谷龍徳って言うんだけど・・・君は?」
口の部分を一文字に紡ぐと微動だにしない。
「あの~・・・僕と・・・契約して欲しいんだけど・・・ダメかな?」
俺の言葉が聞こえていないのか如く、身じろぎ一つしない。
「あの~・・・話す事が出来ないんだったら・・・君に触れても良いかな?」
そう言って手を差し出したらすぅ~っと避けられた。
「あれ?・・・どう言う事なの? もしかして・・・嫌われてる?」
「ハッハッハ♪流石の龍徳殿も土の精霊は相性が悪かったようですな♪」
「ちょっと安心したよ♪ これで、すんなりと契約されてたらちょっとした事件だったね♪」
「これって・・・相性が悪いって事なの?」
「そう言う訳じゃないんだけどね♪ 土属性って気難しい精霊が多いんだよね~・・・」
「一旦、呼び出した精霊を精霊界に戻してからもう一度“召喚の儀”を行って見るのも場合によっては必要ですわ。」
どうしても気にいられないんだったら再召喚も仕方がないんだけど・・・折角俺の言葉に現れてくれたんだし・・・
「ゴメンね。勝手に呼び出して・・・俺の事が気に入らないんだったら精霊界に戻っても構わないんだけど、もし、何か伝えたい事があるんだったら少しだけ話をする事が出来ないかな?」
出来る限り傷付けない様に精霊に語り掛ける。
「・・・・・」
俺の言葉が聞こえないのか・・・相変わらず何の動きもない。
その時、三人が話しかけてきた。
「龍徳さん!多分その精霊とは相性が悪いんだよ。」
「そうですわね♪ 一度精霊界に戻って頂いた方が宜しいかもしれませんわ・・・。」
「フム・・・そうですな・・・ここまで、声が届かない土の精霊も珍しいかも知れませんな・・・。」
三人が心配してくれているが、俺には何かが、引っ掛かっていた。
その時、ある事を思い出した。
あれは、うちの子が4歳の頃。公園にいた他の子供が声を掛けて来て一緒に遊ぼうって誘ってくれたのに龍聖は、一言も喋らず断固として遊ぼうとしなかった。
あの時は、家に戻ってから龍聖に話を聞いたら“恥ずかしいから嫌って、ちゃんと言ったもん!”って声が小さ過ぎて聞こえなかったんだっけ・・・となると、もしかして・・・土の精霊は気難しいんじゃなくて恥ずかしがり屋なんじゃないのか?
俺の事が嫌なんだったら・・・精霊界に戻るよな?
だったら・・・
「恥ずかしいかも知れないけど・・・俺も初めてだから、君をどうしてあげれば安心してくれるのかが分からないんだよ・・・だからゴメンね。 でも・・・もし、俺と少しでもお話をしてくれる気があるんだったら指先に触れてくれないかな?」
そして、そぉ~っと土の精霊の手前に指を指しだした。
「・・・・・」
暫く動きのなかった土の精霊がビクビクする様に腕を突き出してきた。
こちらも良ければ呼んでくださいね♪
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