七話 文明滅びる世界
虚空に佇む神殿に無数に漂う道具たち、禁庫の風景は今日も変わらない。
回収者はワーカーを手に乗せて、世界中を行き来するワーカーたちからの報告を聞いている。そうしていくつか聞いているうちに気になる報告があった、曰く「とある高度文明世界がとてつもない速度で滅びていって今では遺跡のように風化している」とのことだ。
もしかすると同胞の仕業かもしれないが、とりあえず今は他のワーカーたちからの報告を聞くことにする。曰く「新たに統合された草原世界に居た少年が目覚めた」や同じく草原世界で「新たに二つのグループを発見、片方はかなり大人数、もう片方は数名程度」などの観察対象や「旅行屋が謎の機巧少女と接触した」といった一見同胞と関係ないような事側も報告対象だ。
報告をすべて聞き終えて回収者は動き出す、やはり滅びた世界という単語が無性に気になってしまうのだ。たとえ大規模な異能であったとしても栄えた文明を瞬く間に風化させることができるのは空白の世界に存在しない管理者か禁止道具くらいのものである。
故に件の世界へと渡るのは当然のことだ、少なくとも回収者にとっては―――
○○
荒廃した世界、一言で言えばその通りである。ビルや車道、電信柱が朽ちてかつてはそういう文明にがあったという痕跡のみを残した急速に衰退した無人の文明世界、それがこの世界である。
そんな世界に陽炎のように揺らめき、空間に滲むように現れた存在は言わずも知れた回収者であった。
回収者は辺りを見渡すと小さく頷き無数の労働者を呼び出した。労働者達はそれぞれが四方八方へと飛び、情報を集めるだろう。
その間にここに居るであろう同胞の絞込みを行いことにする。幸い急激に世界を衰退させられる権能を持った同胞は限られるのだ。一つは時間干渉系である、その権能で生物の動きを停止して全ての時間だけ進めれば成す術無くこんな有様に成るだろう。しかし残り数個の中に時間干渉系は無いのだ。
では二つ目である、二つ目は環境改変系だ。環境改変系ならばこの世界の状況を再現できるだろう、しかし環境改変系では生物は変化しない、であればこの説は説明できない。
それではと三つ目、世界終焉系ならば可能である、この状況も説明出来るので有力ではないか?、だが世界終焉系は同調者が極端に少なく具現は中々出来ないので回収困難な部類である、もはや残っている殆どの同胞がこの系統ではあるが都合よく同調者に出会えた可能性はあるが保留にしよう。
ダメ押しでもう一つ、願望達成系もあるかもしれない。願望達成系ならば運命の操作や未来への干渉等が容易であるからこの状況も作り出せる。
つまりこの世界に同胞が在るなら世界終焉系か願望達成系のどちらか、あるいは両方の要素を持っている可能性があるということだ。
――もうすぐだ、もうすぐ全てが元通りになる。そうすれば次は元凶を破壊するだけだ…
誰にも観測されていない回収者は姿を持たない、透明な光の玉のようでただ揺蕩う存在だ。
しかしそれでも不敵に口角を上げるのだった。
諸事情により、大変中途半端なところですが一旦ここで完結表示にしておきます。
申し訳ございません




