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お姫様たち②

読んでいただいてありがとうございます。

 エロ親父のお妃様の一人であるファラーさんは、数人いる妃たちの中では若い方なのだそうだ。

 

「マジで守備範囲広すぎじゃん。もうちょっと節度を持とうよ」


 ぶつぶつと偉大なる砂漠の国王に文句を言うエデルを見て、ファラーは耐えきれずに笑っていた。

 この方の笑いの沸点も案外低いのかもしれない。


「陛下から、あなたの面倒を見てあげてほしいと言われたのよ。でも、わたくしも噂を聞いただけでどんな方なのか知らなかったから、マディーハと一緒に来たら分かるかと思ってね」

「マディーハ姫は試金石ですか?」

「あら、陛下公認の試金石よ。あれでも王家の血を引く姫。本人も一部の周りの方々もそのことをとても誇りに思っているのよ。おかげでそこそこわがままだし、国王陛下の姪という自分の実力ではない部分でも主張してくるから、マディーハに屈するような人間は信用出来ないじゃない」


 真正面から対立するどころか、エデルはマディーハのことなど眼中にないようだった。

 ちょっかいをかけてくるのが面倒くさいなー、とは思っていそうだが、マディーハの言葉を鵜呑みにしない冷静さもある。


「正直、惜しい、と思ってしまったわ」

「惜しい、ですか?」

「えぇ、陛下から聞いたのだけれど、あなた、人妻だそうね」

「あのエロ親父!マジで何言ってやがる!よりにもよって人妻とか!」


 自分のことは最初の男とか言うし、人の旦那とかならともかく、人妻とか言うし……!

 ……あれ?でも、俺、人妻なのかな?

 ここにきてエデルは急に自分がそう呼ばれてもおかしくないことに気が付いた。

 アリアとエデルが並んだら、確実にエデルが、所謂受けであることはすぐに分かる。

 主導権は絶対にアリア様が持ってますよね、と言われたら否定出来ない。

 妻、いや、夫なのだが、よく考えたらウエディングドレスも着たし、今だって女性のような服を着ている。

 メイド服だってドレスだって、似合うのなら踊り子のような衣装……はちょっと露出が過ぎるので却下だが、とにかくそういう服を着ることに抵抗はない。

 ファラーさんみたいなナイスバディの人が着るような服は無理だけど、普通の女性が着る服ならいける。


「ふふ、あなた、何故か人妻という言葉が似合うわね」


 ファラーの言葉が心に染みる。

 そうか、俺、ついに人妻という言葉が似合う人間になってきたのか……。


「うう、なら、その可哀想な人妻が夫のもとへ帰るお手伝いをしてくれませんか?」


 この際、夫だろうが妻呼ばわりされようが、アリアのもとに帰れるのなら何でもいい。

 きっと心配している。

 エロ親父が何かしらを仕掛けるつもりでいるようだけど、アリアさんなら絶対に突破出来る。

 思考回路が最近は囚われのお姫様状態になってしまっているが、それも全てアリアを信じているが故だ。

 素直にタスケテと叫ぶことに躊躇なんてない。


「ふふ、ごめんなさい。それは無理よ。だって、陛下のお気に入りの寵姫を勝手に外には出せないでしょう?わたくしが叱られてしまうわ」

「あぁぁぁ、寵姫って……!この際それでもいいんで、ここにいるのは相応しくないのよ、とか言ってライバルを外に放り出しませんか!?」

「あら、残念なことに、可愛らしい寵姫を後宮に閉じ込めて皆で愛でることに決定したばかりなのよ」


 おほほほほ、と笑いながら宣言するファラーは、やっぱりあの食えない親父の妃なのだと実感した。

 というか、皆で愛でるって何ですか?

 決定?え?何処のどなた様方で決定したんですか?

 俺の意思は?

 

「明日、皆でお茶でも飲みましょうね」


 楽しそうなファラーによって、エデルの明日の予定まで決定されていたのだった。


 

 

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― 新着の感想 ―
あー、人妻··· やはりアリアさんが、旦那様なんだ。 うん、知ってた!(納得しか無いわ〜www)
砂漠の国なのに大草原不可避www
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