第十九話 : ダメもとで何時間持つか?
ゴリラ人間森男君の暴走を止めるため、岩原と塚田は無線で相談し一つの案を実行することにした。
一方、金門橋に向かって航行中の戦艦陸奥改二にちょっとした異常事態が発生した。
「森男君、森男君!」
「・・・?だ、だれウホ?」
森男は気が付くと真っ暗闇の中にいた。
「私は、お前の精神世界の神だ。」
「・・・て、ことはつまり・・・。」
「お前は今、暴走状態にある。」
森男は絶望した。ここでもやってしまったかと。
「だが、心配はいらん。これ以上被害が拡大する前に元に戻す歌をここで流してやる。」
「・・・え?」
チャンチャンチャララン♪
~♪『お願い森男。目ー覚まして~♪ お願い森男。は~はが泣いているっ。』
「なんかどっかで聞いた歌ウホー!!(汗)」
数分後
♪~『~♪ 目覚めたゴリラは美しいっ!!』
「・・・戻らないね。」
「当たり前だーッ!こんなで戻ったらもうとっくに自力で戻っているウホー!!」
「テ○カ・ルナ・マ○ソー君。ここは助手の汚トイレの神に任せなさい。」
「さり気に私の名前、危ない方向に間違えないでくださいよー岩原さ・・・汚トイレの神様。私は、塚田丸蔵です。」
「あのー塚田さん。さっき精神世界の神とか言ってなかったウホ?」
「こまけーこたあいいんだよ!さあ、助手!やるのです。」
「やりますねえ。」
いろいろカオスだが、森男はめんどくさいのであえてつっこまないことにした。
カチッという音ともに今度も聞いたことがある歌が響いてきた。
~♪ 『葬れ自我 狼煙あげ 己ただ ビル登れ 脳汁出して宿命と踊れやー♪』
「なんだ?この歌は・・・。気が高まるぅ・・・溢れるぅ・・・。」
森男はこの歌が効いたのか目覚めようとし始めた。悪い方向に・・・。
「ハングリーハイテンショーン!!!!」
森男はそう叫びながら何処かへ行ってしまった。
「・・・流す歌。間違えちゃった♡」
岩原はてへぺろなポーズをとったがもちろん可愛くない。
「間違えちゃったじゃないでしょー!!・・・ああ、もうだめだ。おしまいだぁ・・・。」
次の瞬間、森男の精神世界はシャットダウンした。
「岩原さん・・・。岩原さん!」
アーシャに揺り起こされた岩原は森男を止められたかどうかを聞かれた。
「バウウウ・・・。」
岩原は両手のひらを上にあげて首を横に振った。
「ダメだったってことかにゃあ・・・。」
一方同じころ、塚田も同じことを聞かれた。
「どうだったかね?塚田君。」
同じように返答したところ、案の定木暮に思いっきり殴られた。
「なめとんか貴様ー!!」
「しいましぇーん! /(;T∀T)/」
大金はふと何かを思いついたように塚田に話しかけた。
「そういえば、塚田さん。あなたって確かアルニア出身っておっしゃっていましたよね。」
「あ、ハイ。」
「たしか、マーゴ・アルニア民主主義帝国には六十歳から百二十歳までの間に軍隊に
入る義務があるという制度があったはずですが。」
「徴兵制度のことですね。私も入ったことはありましたが・・・あ!」
塚田はようやく大金の言いたいことが読めてきた。
「ですが、あの魔法は・・・いや、ここで考えていくうちにどんどん犠牲者が増える・・・やってみます!」
大金は嬉しそうにうなずいた。
木暮はなんのこっちゃな状態で、宇宙は広いのうとか思ったり思わなかったり・・・。
さて、場所は変わってここは現在、金門橋に向かって航行中の戦艦陸奥改二。
艦長の佐倉義則は艦橋で物思いにふけっていた。
《戦勝五周年というめでたい日なのだが、人民解放軍といい、ゴリラ人間の暴走といい・・・何かいやな予感がするな・・・》
「艦長!艦長!」
「どうした!?」
「右舷前方から何か出現してきます!!」
「なんだと!?」
接近ならまだわかるが、出現などありえないと艦長は液晶画面を見た。すると、そこにはじわじわと緑色の画面から自分達の艦よりもはるかに大きな白色の点が現れた。
あわてて窓の外を覗くと、なるほど右舷45°上空およそ1919kmに、正二十面体で真ん中部分に赤い幾何学模様の入ったスリット状を携えた物体がまるで幽霊のごとくスーッと現れ浮かんでいた。
直径は大体横20km、縦20km、奥行き20kmぐらいの大きさで、つい先ほど出現してから微動だにしない。
艦長は意を決してマイクを握りしめた。
「こちらは神聖日本皇国海軍である。現在、貴官は大東亜連邦の領空を飛行している。貴官の所属国家と目的を問いたい!速やかに返答されたし!さもなくば一分後に威嚇射撃をする!なお、それによって起きたそちら側の損害はこちらでは負わないものとする!」
艦長は、念のためドイツ語、英語、エゲロス語(宇宙共通語)で同じようなアナウンスをした。
一分たっても全く反応がなかったため、威嚇射撃を実行した。
「秋水式小型火薬ロケット・・・てーっ!!」
バシュー!!ゴゴゴゴゴーーッ!!
すさまじい轟音とともに陸奥の横の砲塔から勢いよく飛び出したロケットは、追尾式ではないため宇宙船の横ギリギリをすり抜けていった。
「自爆スイッチ起動!」
「了!!」
船員が『右舷第一発射後自爆』と書かれた赤いボタンを押すと、ピーという音ともに宇宙船の後ろで自爆する秋水の音がした。
すさまじい爆風だったのか、一瞬宇宙船が前のめりになったがすぐに持ち直した。
「これで驚いて応じてくれればいいのですが・・・。」
艦長は、エゲロス皇国関係国の船でないことを祈りながら部下の発言に頷いた。
「!!・・・か、艦長!所属不明間の中央付近が光り始めました!!」
「何!?」
艦長が艦橋の窓からのぞくと、ヒュイイイイイインという音ともに光が中央付近に集結しているのが見えた。
「やばい・・・。全員衝撃に備えよー!!」
艦長が言い終わらないうちに、改造バイクのエンジン音を音割れにして大音量にしたかのようなすさまじい音が艦内に鳴り響いた。
「・・・みんな大丈夫か・・・。」
まだ頭に残る耳鳴りをうっとうしく思いながら、艦長は乗組員の安否を確認するために声をかけながらあたりを見回した。
船員1「生きてまーす。」
2「私も無事です。」
3「船もなんともないようですな。」
4「クッ、耳が・・・今のはいったい?」
無事なのもいれば、精神に異常をきたしてしまったものもいる。
5「マ゜ッ!」
6「ポッチャマッ!」
7「くぅーん」
8「歪みねえな♂」
「・・・無事なものは、精神異常をきたしてしまった人に癒し魔法をかけてくれ。」
「了!!」
艦長が無事なものに被害情報を確認すると、先程の半数程度の船員が精神異常を引き起こしてしまったのと、数名ほどの気絶、また、ガラス2,3枚程度の破損、ほとんどのガラスのひび割れ、あと若干深刻なのが、今の攻撃で液晶画面、無線、その他電機器系統がすべてだめになってしまったことである。
ちなみに周りの見物客は、日本の象徴の一つでもある戦艦がいきなり未確認飛行物体から攻撃を受けたのと、その攻撃音が、意識が飛ぶほどの大音量だったため、気絶してしまった人がちらほらと。
「無線が使えないのは厄介だな・・・支給携帯の使えるものはいるか?」
だが、艦長が期待するような答えは得られなかった。全員今の攻撃で、携帯もやられてしまっていたのである。
艦長が頭を抱えていると、なんと復旧作業もなしに戦艦陸奥改二のすべての電気系統が復旧したのだ。
船員3「やりましたね艦長!陛下のご加護があったんですよ!」
だが、艦長は猛烈に嫌な予感がした。そして、その予感は的中してしまった。
船員4「緊急事態発生!本艦!自動運転のまま操作を全く受け付けません!!」
その瞬間、艦長含めた艦員たちは一瞬にして血の気が引いていくのを感じた。
「何!?緊急手動運転切り替え装置もか?」
船員4「…ハイ。」
艦長は立て続けに起こる不幸に頭が真っ白になった。
戦艦陸奥改二と未確認飛行物体とのやり取りのシーンを書いたのですが、自分、あんまり艦これとかワールドウォーシップスなどの戦艦が出てくるものを一切見てこなかったので、かなりおかしなことになっていますがそこは温かい目でお願いします。<(_ _)>




