パラシュート降下
デュークが言うとC4爆弾とロケット弾、ライフル、
マシンガンが運ばれてきた
「亮、我々 ?
あなたを護る命令を受けている」
マシューは自分たちだけ作戦に参加していないのを
気にして亮に聞くと
「ええ、それはアメリカ国内の護衛ですよね。
これから行くのはメキシコですから
国境で待っていてくれますかすぐに戻ります」
亮は二人に気を使って言った。
「わかった、無事に帰ってきてくれよ」
「了解です」
亮はマシューとイーサンと手をがっちり握りあった。
亮と暗鬼の隊員の装備が終わり
フェニックスから数キロの砂漠に車で到着した。
そこに待機していた10数機のヘリコプターに
次々に暗鬼の隊員がヘリコプターに搭乗し
赤いライトを点滅させながら真っ暗な空へ飛び立っていった。
~~~~~
10時、ルート85南下しメキシコ共和国
ソノイタ手前の国境を5台の車が通過した。
「ここから5kmのところだ」
関龍がナビを見て確認した。
しばらく走ると飛行機の音が聞こえ
パラシュートを付けた荷物が
真っ黒な空から落ちてきた。
5台の車がその荷物を囲み
それを開けるとたくさんの武器が入っていた。
「こちら、関龍荷物を確認」
関龍が無線で話した。
「了解、他の荷物も投下する」
関龍が空を見上げると等間隔でパラシュートで
隊員たちが降下しプエルト・ペニャスコへ
向かう道路Carr Fedaral 8に沿いに待機した。
11時メキシコ上空パラシュートを付けた亮と小妹が
飛行機に乗っていた。
「いいか小妹、見張りに見つからないように
パラシュートを海岸に飛ばす、
そのために10m手前でパラシュートを切り離
してプールに音を立てないで飛び込む。
水深1.8mだからとても危険だぞ」
「それは訓練で習ったよ。それより亮は大丈夫?」
「たぶん」
亮はパラシュートで降下するのは2度目だった。
亮と小妹は暗闇で見える目薬を点すと
マギーが後ろから亮に声をかけた。
「さあ、そろそろよ。見張りを倒すのを失敗したら
私たちが降りられないんだからね」
「わかっているよ。3・2・1」
亮と小妹は掛け声をかけて3000mの
高さから飛び降りた。
~~~~~
宴で客たちが盛り上がっているところに
エリックが入りエリックはゴメスに見せられた
映像に映っていた三人組を監視していた。
その中の一人が席を立つとエリックは
後ろを付けていった。
頭の薄い肥った男はバルコニーに出て時計を
少しいじると
時計に向かってボソボソと話し始めた。
「ネイトだ、明日ゴメスの別荘で
麻薬取引の確認をした」
「ネイトなぜ連絡が取れなかったんだ。
ずっと連絡をしていたんだぞ」
無線の向こうで大声が聞こえた。
「仕方がなかったスマフォを取り上げられていたし
この時計もプールで
外していた」
「ネイト作戦中止だ!すぐにそこから脱出しろ」
「手遅れだ、ベロニカは麻薬をうたれて
男たちの慰み者になっている」
「今からそちらに攻撃部隊が入る巻き添えを食らうぞ」
「待ってくれそんな話聞いていないぞ」
ネイトは全く知らない話で動揺していた。
「おい、何をやっている」
ネイトにエリックが声を掛け
腕時計を抑えた。
「ほう、なかなかいい物を持っているな」
エリックは時計をいじくりまして
ネイトをにらみつけた。
「お前は何者だ?FBIか?DEAか?それともCIAか?」
ネイトが口をつぐむとエリックはピストルを頭に付けた。
「さあ、吐いてもらおうか」
エリックはネイトの手をひねり上げ地下室へ連れて行った。
~~~~~
亮と小妹は頭を下げ時速300mに落下スピードを上げ
ゴメスの別荘がみるみる大きくなり亮は
アルティメーターで1000mの高度を確認すると
ベリーフライ(伏せの状態)の態勢に変えた
スピードを時速200m落とした。
「500、300、250m行くぞ!」
亮は自分に声をかけリップコードを開くと
パラシュートはゆっくりと開き
体に強いショックを受けた。
陸風を受けプールの上にパラシュートを
コントロール10mのところに
来ると亮は体からパラシュートをはずし
ベリーフライスタイルでプールの
水面に向かって落ちた。
亮は水面2m手前で頭を下げ手から
水深1.8mのプールに入水して体を丸め
水の中で落下の力を回転に変えた。
亮はすぐにプールから上がり周りを
見渡し小妹が降りるのを待つと
小妹は暗闇の中から姿を現した。
「まずい!」
落下する小妹の体はプールから1mずれていていた。
亮は小妹の落下する場所に素早く回り込み
落ちてきた小妹の手を両手で引き一本背負いで
プールに投げた。
「大丈夫か、小妹」
亮はプールの縁から体を乗り出すと
「うん、大丈夫ありがとう。降りる瞬間風が吹いたんだ」
プールの中から顔を出した小妹が言った。
「OK、じゃあ行くぞ」
亮と小妹はゴメスの屋敷から繋がっている
見張り台の1ヶ所に向かった。
亮は素早くライフルを組み立てるとすぐに
見張り台に立っている二人の男の
尻に向かって麻酔弾を撃った。
すると3秒後に見張りの男が倒れた。
「3秒か・・・小妹時間に気をつけろよ」
「了解」
亮と小妹は二手に分かれて
4ヶ所の見張りを倒した。
「マギー、OKだ安心して降りて来い」
「了解!」
マギーたちを乗せていた飛行機は
太平洋岸から大きく旋回し
ゴメスの別荘の上空を通過した。
~~~~~
ゴメスの屋敷のプールの付近で何が
起こっているか知らない
エリックはネイトを椅子に括り付け
容赦なく責めていた。
「殴った程度じゃだめか・・・」
エリックはペンチを持ち出してネイトに見せた。
「これで睾丸を潰す。これをやるとあまりの
痛みで2度と立たなくなるそうだ。
この間のFBIの男は痛みをこらえるのに
涙を流していたな」
エリックの拷問に慣れた態度はネイトを
自白させるには
そんなに時間がかからなかった。
ペンチをネイトの股間にあてた瞬間
「待ってくれ、言うから命を助けてくれ。
俺はDEAのフィラデルフィア支部の捜査官だ」
「残りの二人もだな」
「そ、そうだ」
「なぜ、逮捕権の無いメキシコにわざわざ捜査に来てる」