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キャシーとの夜

「まあそうだけど。女って男と

離れるとだんだん冷めちゃうよね。

どんなに愛していても」

マギーは二人の関係を心配した。


マギーが笑うと玲奈か悲しそうな声を出した。

「私マギーが羨ましい」

「どうして?」

「亮は一生あなたの事を大事にしてくれるもの。

それに比べて私は早く彼を作れって言われたわ」


「ああ、玲奈。私たちは家族よ、そんな事言わないで」

「うん」

玲奈はマギーのベッドに入り込んで

マギーの大きな胸に顔を埋めた。

「うふふ、マギーのおっぱい大きくて柔らかい・・・」

玲奈は一緒にいて安らぎを覚えた。


~~~~~

朝6時に目を覚ましたキャシーは

隣に亮がいないのに気がつき

部屋の探すと亮は窓側に手をついて

腕立て伏せをしていた。

「亮」


「あっ、おはようございますキャシー」

「よかった、亮がどこかへ行っちゃったかと思って」

裸のキャシーが亮に抱きついた。

「どこへも行きませんよ。

これから仕事があるんですから」


「わかっているけど・・・」

キャシーは父を亡くしその後金を目的に近づいてきた

多くの男にだまされ裏切られ、

亮がいなくなる事に不安を感じていた。


亮は上半身裸で黒いボクサーパンツ姿で汗を拭くと

「キャシー困りました。服が無いんです」

「うふふ、タキシード姿で歩けないわね。

待って父の物が有るから」


キャシーはクローゼットからスーツを何着か

と新しいワイシャツを持ってきた。

「父がロンドンのサヴィル・ロウの

ハーディ・エイミスで仕立てたスーツだから

 かなり硬い感じがするけど、立派な紳士に見えるわ」

キャシーは裸の亮に上着を着せた。


「亮・・・」

キャシーは父親の上着が亮の後姿が

父親にあまりにも似ていたので涙をこぼした。

「問題はパンツね。長さが合うかしら?東洋人は・・・」

亮がパンツを履くと長さがピッタリだった。


「あれ長さがちょうど良い」

亮がつま先を見て笑った。

「父は小柄だったから亮と足の長さが合ったのね」

「はい、お父さん鍛えていたんですね」

「ええ」


亮は鏡に自分の姿を映すと10数年前の

英国デザインが新鮮に見えた。

キャシーは興奮して亮に抱きつき

キスをするとうれしくなって、


「ハンプトンズの家に父の遺品が

あるから気に入った物を持って行って

身に着けてくれる?」

キャシーの言ったそれは、自分と関係を持っていた

父親に対する複雑な心理からだった。


「それはいつかあなたに運命の人が出来た時上げてください」

亮が優しく言うとキャシーは小さな言葉で呟いた。

「あなたが運命の人なんだけどな・・・」

「えっ?」

亮が声を上げるとキャシーは窓際に立って

朝日を浴びた。


「亮、ニューヨークのビジネスマンは

こうやって高い場所から世界一の

街を見下ろして自分を奮い立たせるの、

天下を取ってやるって。

日本の庭園を見ても天下を取る気にならないでしょう」


「はい、確かにそんな気分になりますね。

でもキャシーは不動産では天下を

取っているんじゃないですか?」


「ううん、不動産は父が作ったもの。

私は別なもので天下を取りたい。亮と一緒に」

キャシーが亮の手を握ると亮は強く握り返した。

亮は様々な人間と出会い、体験をしているうちに

自分の使命と責任を知り

明らかに自分が変わって来た事を感じていた。


「亮、あなたは自分の正しいと思った事をして、

私はあなたを全力でアシストする」

「ありがとう、キャシー」


亮はキャシーとの食事を終えると

ローガンに電話をかけた。

「おはようございます。今電話を

かけようと思っていたところです。

 どこでお会いできますか?」


ローガンが丁寧に亮に聞いた。

「ランド不動産に来てください」

「かしこまりました。9時に伺います」

亮はローガンとの電話を切ると絵里子に電話をかけた。

「うれしい、亮無事だったのね」


「はい。ご心配をかけました。ところで今夜、

父たちが蝶で飲むそうですね」

「ええ、今お父様と同伴中よ」

「あはは、それは失礼しました」

「それで?」

絵里子は亮の電話の意味を知りたかった。


「絵里子さんの息子さんと会いたいんですが」

「えっ?祐希と」

「ええ、仕事を手伝ってもらいたいんです」

「本当?きっと喜ぶわよ。でも無理しないで

あなたの部下にならないような

 高慢な奴なら切り捨てても良いわよ」


「はい、無理はしません」

「じゃあ、あなたに電話をかけさせるわ。驚かないでね」

「えっ、驚く?」

亮は絵里子の言った意味が解らなかった。

「うふふ」

「みなさんよろしく」

亮が言うと絵里子が優しく答えた。


「体気を付けてね、あなた」

電話を切った絵里子を秀樹が茶化した。

「絵里子ママ、親しそうだったけど男か?」

「ええ、社長の良く知っている人よ」


「まさか亮じゃないだろうな」

「そうよ」

「くっそ!やっぱりお前たち怪しいぞ」

秀樹が悔しがった。

「ご想像にお任せしますわ、うふふ」


~~~~~

亮が身支度を整えると鏡の前に立ち

その横にキャシーが並んで全身を映した。

「さあ、戦闘開始です」

「はい」

キャシーは亮の首に手を回してキスをした。

亮とキャシーはエレベーターに乗り

1階に着くとエレベーターの前に

マシューとイーサンが立っていた。


「おはようございます」

亮は躊躇無く二人を従えて歩き出した。

「今から50番街のランド不動産で

打ち合わせをします」

昨日よりちょっと雰囲気が変わった亮に

イーサンが答えた。

「了解しました」


玄関にはシルバーのロールス・ロイスファントム

が横付けになった。

「亮、乗って」

キャシーに言われて生まれて初めて

乗ったロールス・ロイスは

信じられないほど静かでゆったりした空間だった。

「キャシー、自分で運転しないんですか?」


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