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セクシーアイドル

「亮の頭の中には日本の会社と企業家の

データが入って株で相当儲けている。

お蔭で彼にはうちの会社も

5億ドル以上儲けさせてもらった」

「5億ドルも」

サイモンは目を丸くして言った。


「ああ、このRRレコードも亮が

いれば大儲けできるだろう。

 ジェイソンがどんなに有能な

男でも亮に逆らうようだったら

 すくに首にするつもりだ」


ロイとサイモンがコソコソ話をしていると

「ジェイソン、プロモーションビデオの

制作はどうしていますか?」

「長年付き合っている制作会社があります」

「ブルックのプロモーションビデオは

Americanwebに制作を頼めませんか」


「いきなり言われても、

制作部にも付き合いがありますから

すぐには・・・」

ジェイソンは急に弱気な返事に

亮はだんだんイライラしてきた。

「では音楽配信のシステムは?」

亮が聞くと決まっていたかのように同じ返事をした。


「それも今まで通りで」

「わかりました」

亮はふてくされた顔をして返事をした。


ジェイソン・セガールはWSOが

RRレコードを買収する前からの社長で

スタッフの変更もほとんどしておらず、

ロイも全く知らない世界なので

友人のサイモンを非常勤のRRレコードの

役員にしてジェイソンのアドバイザー的な立場

になるように依頼していた。


「ロイ、ちょっと会社の中を見せてもらうから

 会社の方に戻ってください」

亮は何かに憑かれたような顔で言った。

「わかった、じゃあ夕食の時にまた会おう」

ロイは亮がRRレコードに興味を持った事に気づき

立ち上がって肩を叩いた。


「ジェイソン、会社内を見せてください」

「では、誰かに案内させましょう」

「いいえ、マギーと二人で結構です」

亮たちはそう言って会議室を出た。

営業、制作企画、著作権管理、宣伝、

ウェブ制作それぞれの部署、スタジオ

を覗きながら従業員の顔を見ていた。


「へえ」

亮は独り言を言ってマギーの顔を見た。

「マギー何か感じなかった?」

「色々有ったけど何から言えばいいかしら」

「じゃあ、ケーキでも食べながら話をしよう」

亮はDVDとCDを受け取って

RRレコードから出た。


「亮、私とレコード会社の経営の話をしたって・・・」

マギーは亮を護る立場であって、

仕事の相談相手では無いと思っていた。

「いや良いんです」


二人はBleecker Streetの

マグノリアベーカリーに入った。

「これこれ、セック○・アンド・ザ・シティに

出ていたカップケーキ」

亮はきれいな色のカップケーキを

見てニコニコと笑った。


それを見ていたマギーは

「亮って本当に甘党なんだね」

「ええ、小学校の頃は欲望は勉強の妨げになるから

ケーキやお菓子を食べさせて

 もらえなかった」

「本当!」


「はい、でも脳にはブドウ糖が必要だから

白いかけらを舐めさせられたいました」

「厳しかったんだね」

マギーはお金持ちのお坊ちゃんはケーキが

食べ放題だと思っていて可笑しくなった。


「ところで、さっき気が付いた所ってどこですか?」

亮がマギーに聞くと

「なんかみんな元気がないような気がした」

「そう。あれは上司に対する不満でしょう。管理職は

高級腕時計やブランドスーツを着ているのに部下は

スウォッチの時計に50ドルのGパンです」


「確かに年寄りが多かった気がする」

「どの企業にもベテランは必要です。

でも概して年を取ると頭が固くなって

既存意識が強くなりすぎるんです、

音楽業界には若い人の感覚は必要ですから

会社はうまく機能していないような気がします」


「そうね」

「今のままではいい新人は発掘できないかもしれない、

それで僕にDVDやCDを

渡してロイの前で責任転嫁を図ったんだと思います」


「なるほどジェイソンのパフォーマンスだったんだ、

だから亮は急に変な事を言い出したのね」

「はい、パワーバランスと言ったのは経営者と

の相性の事だったんですけどね」


そこへ玲奈がお店に入ってきた。

「お疲れさま、買い物できました?」

「はい、アバクロ、アメリカンイーグル、

バナナパブリックへ行ってきました」

「アメリカンイーグルの細身の

ジーンズはセクシーですね」


亮はスタイルの良い女性のローライズの

腰からお尻を思い浮かべながらニヤッと笑った。

「あら、亮ってジーンズが好きなの?」

マギーが興味深そうに聞いた。

「ええ、ピチピチヒップのラインが好きです。

細身のジーンズはスカートと違ってごまかしがきかなくて

トレーニングでヒップラインを作らなくてはいけないから、

新宿のマッスルカーブでジーンズコースを作ろうと思います」


「あはは、それ面白い!」

玲奈は、現代人はより具体的なイメージを

わかせた方が集客を増すという

亮の考えに感服した。


「バナナパブリックは以前倒産しそうになった時

GAPが買収してブランドイメージを変えて

今の超人気ブランドになりました。

これからのファッション業界は儲かって

資金力と販売力持ったブランドが

弱小ブランドを吸収していくことに

 なると思います」


「えっ?相変わらず詳しいわね亮」

玲奈が亮の知識の深さに驚くと

「ええまあ、スタジオDもいずれ

カジュアルのファストファッションブランドを

作って世界に売っていくつもりです。

その時は中国で製造して価格を落とします」


「そうですか・・・」

玲奈が父親の工場を使わないと

思って気落ちした様子を見せると

「もちろん中国工場の運営、管理は

玲奈さんのお父さんの会社に

やってもらうつもりです。中国で製造する時は

しっかりとした管理が必要ですからね」

亮が言うと玲奈は微笑んで答えた。


「父に中国語を勉強するように言っておきます」

亮がうなずきながら

「さて部屋にもどってDVDと

CDをチェックしよう。

 ジェイソンと約束をしてしまったので」

亮は時計を見て言った。

「そうね。私たちも食事に行くから

着替えないとね。マギー」


玲奈が言うとマギーが困ったような顔をして

「私、この格好で良いかしら?玲奈」

「大丈夫、亮に言われて買っておいたわ」

玲奈は袋をマギーに見せた。


「ありがとう!玲奈、亮」

マギーは亮と玲奈に抱きついて頬ずりをし

仲間といる喜びを体中で感じた。


亮はマギーと尚子の部屋に戻ると

CDとDVDのチェックを始めた。

映像の入っている歌い手は踊りのレベルが

中々高くて見入る人もいた。


「マギー、アメリカ人も巨乳とそうでない人

 色々いるんですね」

「そうよ、小さくて悩んでいる子もいるのよ」

「日本人のボーカリストはセクシーじゃ無いと

 言われています」

「うーんそうね」


「なんか、グループのアイドルは少女みたいで

 アメリカでは少女に興味を持っては

 いけないように教育されているいるから」

「ああ、そうか」

「たとえ、親子でも父親と娘が一緒にお風呂に

 入ったら幼児虐待で逮捕されるのよ」

「えー」


亮はアメリカに居る間そのような話を

誰ともしなかったので知らなかったが

外国人のからみれば日本人のお父さんの

ほとんどは犯罪人になる事が可笑しかった。


「そうか、アメリカで日本人女性を

 アーティストとして売るのは大人じゃ

 無くてはいけないんだね」

「亮はどうしてそんなに海外での

活動を考えるの?」


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