RRレコード
「しかし、ミスター・ダンの記憶能力、
戦闘能力は常人の何倍もを
持っています。しかもマギーもいますし」
「その通りです。我々の目にも止まらぬ
速さで男を逮捕しました」
マシューとイーサンがジョンに言い訳をした。
「当たり前だ、逮捕術は俺の昔の彼女の直伝だ、
しかもたった1日でハーバード大学の図書館の
本のラベルを記憶してしまう能力の持ち主だ」
「それならば、警護の必要はないのではないでしょうか」
マシューが背筋を伸ばしてジョンに言うと
「だから必要なんだ、彼の周りにはいつも
事件が起きてその中に彼は命を懸けて
飛び込んでしまう、そして一番いけないのは
周りが團亮を必要としてしまう事だ」
「はい」
マシューもイーサンはまさに
その通りだと思った。
「この前は日本の証券取引所を救うために
爆弾を抱えたまま川に飛び込んだ
幸い私の友人のCIAエージェントが救出したが、
一時は心肺停止状態だった」
マシューもイーサンもそれを聞いて唖然とした。
「その後は君たちの知っている通りだ。どう思う」
「はい、確かに異常です」
イーサンは自分が好意を持った亮が危険な事を
してほしくなった。
「自分がヒーローになろうと思わないから
目立たないように動く、
だからよけい始末に負えない」
「それは我々と一緒では・・・」
イーサンは亮がまるでシークレット・サービス
のように陰で動く男のように思えた。
「團亮はシークレット・サービスではない。
優秀なファーマシストで糖尿病治療薬の発明、
日本の数社の会社経営者でアメリカの
国家、企業も助力を貰っている」
「それってVIPじゃないですか、それなのに」
マシューはそんなにすごい男なのに
今まで名前を聞いた事が無いのを
不思議に思っていた。
「だからさっさと戻って、團亮を
警護しろ。どんな事をしても彼を護るんだ」
「はい」
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シンディと千沙子は事務所の家具を探しに、
玲奈は買い物に先にロイの会社を出て
亮とロイはJOLの打ち合わせを終え
車でRRレコードに向かった。
「マギーはこれからずっと
ボディガードに付くのか?」
ロイは車の前の助手席に座ったマギーに聞いた。
「はい」
マギーは後ろの席に座っている
ロイに振り返って答えた。
「なるほど、マギーなら誘惑してくる
女どもから亮を護れるな」
「うふふ」
マギーはロイに褒められたようでうれしかった。
「亮、くれぐれも無理するなよ。もう
お前だけの体じゃないんだからな」
「はい、ところでノーベル賞を受賞した
キンブリー博士が設立した神経科学研究所って
知っていますか?」
「ああ、サンフランシスコにあるキンブリ―
化学研究財団の中にある天才児ばかり集めて
教育をしている組織だろう」
「その資金は?」
「キンブリー科学財団で発明された商品の
販売や特許料で維持されている
その金額は年間10億ドルとも
50億ドルとも言われている」
「そんなに?すごいんですか」
亮は日本の理研を思い浮かべ驚いた。
「それがどうした?」
「その天才児に興味があって、勉強は
出来ても人間的にどんなにされてしまうか
心配です」
「そうか天才の君ならわかる悩みだな、
わかったうちの会社がキンブリ―財団が
持っている特許を使う計画がある。調べてみよう」
「お願いします」
亮はうれしくて窓からニューヨークの摩天楼を見上げた。
間もなくRRレコードに着くと亮たちは会議室に通された。
そこに音楽プロデューサーのサイモン・キャンベルと
社長のジェイソン・セガールが入ってきた。
「亮、久しぶりだね」
「はい、サイモンお久しぶりです」
亮がサイモンと握手をするとサイモンは
真っ白な髪のハンサムな中年男性を紹介した。
「いらっしゃい、社長のジェイソン・セガールです」
「團亮です」
亮はジェイソンと握手をした。
「先日、うちの持っている楽曲を送ったがどうでした?」
「はい、今みんなで聞いて日本人に合った曲を探しています」
「わかりました、早速だが日本で売れそうなアーティストを
プロモーションビデオを見て欲しい」
ジェイソンの秘書がDVDを20枚と40枚のCDを持ってきた。
「みんなさん新人ですか?」
亮はDVDとCDを目の前にして驚いて聞いた。
「はい、実力があるんですがいまいち魅力に欠けるんです。
ブルックを発掘したと言うダンさんの
お力を借りようと思いまして」
「わかりました、アーティストの生年月日、
本名、経歴、写真を見せてください」
亮はジェイソンに頼むとジェイソンが
不思議そうな顔をして聞いた。
「何に使うんですか?」
「パワーバランスを調べます」
「パワーバランス?」
「ええ、たとえば音で言えば共鳴して
音が大きくなる事があるように、
人間も一人一人持っているエネルギーの
共鳴でパワーが出るんです」
「それって占いみたいな話じゃないですか」
ジェイソンは亮が冗談を言っているんじゃないかと思った。
「いいえ、たとえばバンドの場合アーティストが
立つ位置を変えるだけでエネルギーを
強くする事も出来るんです。
まあ最悪はメンバーを変えなければ
ならない時がありますけど」
「あはは、それではぜひお願いして
もらいたいものです」
真剣に話す亮の話をジェイソンは
疑って馬鹿にしたように言った。
「では、ジェイソン僕と並んで立ってください」
まず向かって右に亮、左にジェイソン、
次に右にジェイソン、左に亮が立った。
「どうですか?同じに見えますか?」
亮が聞くとマギーは
「亮が向かって右に立っている方が
私は安心できるわ」
「私もその方が落ち着いて見える」
ロイもマギーの意見に同意した。
「いや、私は同じに見える」
サイモンはマギーの意見に反対だった。
「それです。ロイとマギーは
僕の事を良く知っていますので
パワーアームの左側が外側に出ている
時の方が落ち着くんです」
「しかし、三人組のリーダーは真ん中だぞ!」
サイモンは亮の言っている事の
意味が理解できなかった。
「そうです、ビジョン的には三角形の
トップがリーダーに見えますが
心理的、パワー的にはそうとも限らないのです。
明日までの二十人をチェックして文章で提出します」
亮はジェイソンに言い切った。
「は、はい」
ジェイソンは亮の迫力に負けて返事をした。
「ロイ、どうして亮はあんなに言い切るんだ?」
サイモンはロイの耳元で聞いた。
「亮の頭の中には何十万人もの
人間のデータが入っているんだ、
自信を持ってもいいだろう」
「何十万人ものデータ!?」




