緊急プログラム
美喜の答えに美咲は状況が読めなかった、
美咲が無線で呼び出した時、一人でコックピットに
いるような言い方をしたジャイクを美咲は疑いを持った。
「美喜さん、亮が危ない助けて!」
~~~~~
「さて、君には着陸の手順を教えなくてはいけないな、
我々が安全に着陸する為に。ウッ」
ジャイクは突然うめき声を上げた。
亮は足元を見ると背中にナイフが
刺さったままのラーマンは
ジャイクの足にしがみつき噛み付いていた。
「痛てて・・・」
ジャイクは痛みのあまりシートベルトをはずし立ち上がり
ラーマンの髪を引いたがもうすでに死に掛かっている男は
ジャイクの足の肉を食いちぎるほど強く噛んでいた。
ジャイクは体を自分の体を伸ばしパイロットケースに
手を突っ込んでピストルを
掴むとラーマンに向けて引き金を引こうとすると
ラーマンは立ち上がってゾンビの様に
ジャイクの首筋に歯を立てた。
「パーン」
ジャイクの撃ったピストルの弾はラーマンの頭を
貫通しコックピットのフロントガラスに当った。
「あっ、まずい!」
亮が声を上げるとガラスのヒビが
次第に大きくなっていった。
亮は呆然としてラーマンの顔を見ると
ジャイクは顔色を変えた。
その瞬間フロントガラスが飛び散り空気圧の差で
コックピットの中の物が外へ飛び出していった。
その勢いは止まらず70kg以上あるだろう
ジャイクの体が宙に浮いた。
「た、助けてくれ!」
ジャイクの体がコックピット内の体が
何度かバウンドするとフロントに引っかかった。
亮は手を伸ばしジャイクの手を掴んだ。
「助けてくれるのか?こんな俺でも?」
「当然だ、助けを求めるものには手を差し伸べる」
亮は思い切りジャイクの手を引いた。
「ありがとうよ、頼むそのお金で大学を作ってくれ」
ジャイクはナンバーを言うと亮の手から滑って
機外に放り出され10000メートルの高さから
真っ暗な太平洋に落ちていった。
コックピットの中はアラームが鳴り響き
機は急に高度を下げ客席には酸素マスクが天井から降りた。
客席から悲鳴が上がった。
亮はオートパイロットを解除して高度をゆっくり落として
水平飛行に戻した。
亮は透かさずマイクを持って機内に放送を始めた。
「ただいま、機体の故障によって急降下いたしました。
今機体の故障が解決して高度を落として
ホノルルに向かっています。
ご心配なく」
パイロットの顔を見ていない乗客は亮の言葉に安心した。
パイロットと思われる声が違う事に気づいたのは
クルーと小妹とマギーと美喜だった。
小妹は立ち上がってコックピットの
ドアを叩いた。
「亮、何かあったの?」
亮は機内でのパニックを防ぐために
CA向けのマイクでパーサーの福井に呼びかけた。
そして、コックピットの中で起きた事件を説明した。
「それで、あなたは操縦できるんですか?」
「たぶん出来ると思います。さっきマニュアルを読みました」
福井のきつい言い方に亮は答えた。
「そんな事出来ません。いくら乗客の命をハイジャック犯から
助けたと言っても操縦は別です」
「福井さん、團さんは大丈夫です」
秋山良子が福井に言い切った。
「えっ?なぜ?」
「彼は一度読んだ本はすべて覚える事が出来るんです」
「すべて?」
福井はそんな事信じられなかった。
「すみません、揉めていないでください
操縦を出来るのは僕しかいません。
それにコックピットに入れそうも無い・・・」
亮はドアに目をやるとロックはかかっており
立つと爆発が起こる椅子から亮は立つことが出来なかった。
「亮、私たち何か手伝う事ある?」
小妹は福井が持っていたマイクを取り上げた。
「マギーと美喜さん
一緒に聞いてくれ」
亮はマギーを呼び出して小妹と
マギーと美喜に指示を与えた。
「ラーマンたちが飛行機のどこかに爆弾を
セットした可能性がある。
着陸したら出来るだけ早くこの機から
脱出するんだ。それと
怪我をしている加藤大使は一番後ろの
出口に運んでショックから護って欲しい」
「了解」
亮は自分の席が爆発する事を二人に伝えず
機内の乗客の安全を考えていた。
「悪いな、二人とも」
「何言っているの亮ならパーフェクトに着陸させる事ができるよ」
「ありがとう・・・」
亮はそう言うとマイクを切って美咲に連絡をした。
「こちらJOL7007便、危機管理室、原警視どうぞ」
「はい、こちら原です。團さんですね」
「はい、コックピット内を制圧しました。
ハイジャックの主犯はCoパイのジャイクでした。
すぐに彼の素性を調べてください」
「分かったわ、それでジャイクはどうしました?」
「それがコックピットのガラスが割れて
鳥のように飛んでいってしまいました」
「飛んで行った?」
亮はジョークを言ったつもりが美咲は理解できなかった。
「ええ、それで今僕が飛行機を操縦しています」
「わ、わかったわでもあなた操縦できるの?」
「はい、さっきマニュアルを読みましたからどうにか・・・」
「大変!すぐに専門家を呼ぶわ」
美咲は普通の人間なら焦ってパニックを起こす
ところが冷静に対応する亮が不思議でしょうがなかった
「それから美咲さん、ロビンと無線で
話がしたいんですけど・・・」
「分かったわ、ロビンに話をしておく」
「お願いします」
亮が美咲との通信が切れるとすぐにロビンの声が聞こえた。
「亮、大丈夫か?」
「あっ、ロビン」
亮はロビンの声を聞いてホッとした。
「ずっと交信を盗聴していたから状況が分かったよ。
録音もしてある」
「実はロビン・・・」
亮はロビンに自分の椅子の下に爆弾がセットされ
自分が動くと爆発する話をした。
「マジかよ」
「ええ、どうにかしないと」
「わかった、どうすればいい?」
「緊急プログラム218発動してください」
「わ、分かった」
「亮、これを動かすという事は・・・」
「はい、相当ヤバイです」
そう言った亮の体には機内の物がぶつかり
いたる所から出血をしていた。
「わかった、後はどうする」




