215 (sideアリス)スノウキャット討伐部隊の部隊長トロンギルス
トロンギルス(スノウキャット討伐部隊の部隊長で第1小隊の小隊長、ドロイアスよりも一回り体が大きく、穏やか:犠牲享受派)
ドロイアス(スノウキャット討伐部隊の第2小隊の小隊長、片目に傷のある体格のいいスノウラビット:犠牲享受派)
ヘロス(スノウキャット討伐部隊の第3小隊の小隊長、部隊の索敵と偵察を中心とする。性格に少し変わった所がある:犠牲享受派)
レイダス(スノウキャット討伐部隊の第4小隊の小隊長、アリスの所属する小隊で少し寡黙:犠牲享受派)
ネフューゼ(スノウラビット族の子供で犠牲享受派、アリスのお世話係)
「やめろ。ドロイアスっ。フェイシズ族長から話は聞いている。そちらはキルアント族のアリスさんだ。寒さ耐性もあるから、この積雪の地でも普通に活動できるそうだ。気をつけろ。強いぞ!」
片目に傷のあるスノウラビットは名前をドロイアスと言うようだった。
アリスは、このスノウラビットに少しイラっとしたので挑発したことを少し反省した。
「申し遅れました。私はキルアント族のアリスと申します。以後よろしくお願いいたしますわ」
「丁寧にどうも。俺はこの部隊の隊長を任されているトロンギルスだ。ガラの悪いやつもいるが、根はいいやつばかりなのでよろしく頼むわ」
トロンギルスは部隊長だけあって、体つきが他のスノウラビットよりも大きかった。先ほどのドロイアスも体が大きいがそれよりも一回りは大きかった。
口調は穏やかだったが、一流の戦士とはこんなもんなんだろうといえる雰囲気を持っていた。
「次いでに、小隊長たちを紹介しておくよ。その前に、今回の討伐隊は4つの小隊を作っている。1小隊は3兎だ。で、俺は第1小隊を兼任している。そして、先ほどのドロイアスは第2小隊の小隊長だ。ほら、あいさつしろ。ドロイアス」
名前を呼ばれたドロイアスは少し嫌そうな表情でアリスの前に出てきた。
「第2小隊のドロイアスだ。けっ」
完全に私のことを嫌っているみたいですわ。
まあ、構いませんが・・・。
「で、第3小隊の小隊長でヘロスだ。第3小隊は索敵と偵察を主として活動する。全体の統制を図ることもあるから基本戦闘には参加しないと考えて置いてくれればいい」
「よろしくねぇ。ア・リ・ス・ちゃん。いつでもいらっしゃぁ~い。かわいがってあげるからね。うふん」
「はっ、はい。よろしくお願いしますわ」
アリスは少し背筋が寒くなる気がした。
これは、周りが寒いからでは決してないわ。
ヘロスには近づいてはいけませんわね。
アリスはひそかに心に誓っていた。
「まあ、ヘロスはいいやつだ。うん。いいやつだ。そうしておいてくれ。でだ、最後は第4小隊でアリスお前の所属する小隊になる。基本は予備隊だから、小隊長のレイダスにしたがって動いてくれればいい」
「わかりました。レイダス様。よろしくお願いいたしますわ」
「レイダスでいい。後、その敬語みたいな変な言葉はよしてくれ。少し理解に苦しむ」
「ええ、わかりました。できるだけ気をつけますわ」
通常の小隊は3兎だが、第4小隊は私が入ることで、3兎+私で構成されることになった。
「よし、アリスの事はこれくらいにして、皆へ!今回の討伐の方針を伝える。討伐派の族長を発見したのは、エイプ渓谷の先にあるカイザル高地とのことだ。エイプ渓谷はその名前のもとになったスノウエイプ達がいる。そいつらとスノウキャット達の両方を相手にすることは避けたいので、回り道になるがカイザル丘陵経由で移動する。おそらくこの場所でスノウキャット達が待ち伏せているに違いない。本来、スノウキャット達は群れる事や待ち伏せなんていう方法は取らないんだがな。今回は討伐派の族長が絡んでいるから気をつけろよ。いいか」
「わかったぜ。討伐派のやつらぶっ潰してやろうぜっ」
「目にもの見せてやろうぜっ」
トロンギルスが説明を終えるとすべての部隊から威勢はいいが、罵るような声が響いていた。皆、今回の件では討伐派に対して色んな思いがあるようだ、しかし、それでも、皆、歴戦のつわものといった雰囲気を持っていた。
「アッアリス様、気をつけて言ってきてください。村で安全を祈っています」
そんな中で、ネフューゼはてくてくとアリスの側にやってくると、小さく声をかけて来た。
本当にかわいいわね。ネフューゼちゃん。
「大丈夫だよ。こう見えて私強いんですわよっ」
アリスはこそっとネフューゼが安心できるように伝えた。
しかし、スノウキャット達に先日倒されそうになった事があるから、それほど簡単にはいかないだろうと思っていた。
※ ※ ※
「第2小隊と第3小隊は俺に続いてくれ。第3小隊は索敵わすれるな!第4小隊は後方からの襲撃に備える為に、少し距離を開けてついてきてくれ。しかし、その分第4小隊は孤立する危険性があるから、適度な距離を保ってくれ。まあ、この点はレイダスなら問題ないだろうが・・・いいな!」
トロンギルスは全部隊に対して、速やかに指令をだした。
個性的な小隊長たちであったが、トロンギルスには反対する事もなくしっかりと従っていた。トロンギルスにはいろんな意味で魅力があるんだろうとアリスは考えた。
しかし、ここまで、信用されるためには何を行ったのかと考えてみたが、今のアリスにはよくわからなかった。
「レイダス小隊長。ところで私たちはどう戦えばいいんですの?」
アリスは独立遊軍だと説明を受けたがどう考えているのか気になりたずねてみた。
「トロンギルス隊長が言った通りだ特に変わった事はしない」
レイダス小隊長は表情も変えないばかりか、こちらも気にもせず淡々と返事をした。
あー、そうですの。
私はこの部隊でも、嫌われているようですわね。
でしたら、しばらく様子を見ると言うことで良いと言うことにしておきますわ。
それならば、それで、私はスノーラビット側の戦闘能力及び戦闘仕方をしっかり学んでいくことにしますわ。
アリスはスノウラビットのレイダス小隊長は私の戦闘力について気にならないのかしらと疑問に感じていたが、たずねてこない以上気にするのをやめることにした。
これからスノウキャット達との戦闘が始まります。
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