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パルクール・ランナーズ  作者: 桜崎あかり
第4部

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51/63

新たな領域へ

・2021年10月30日付

細部調整

 午後2時10分、ビスマルクの動きに磨きがかかっているようにも見えた。他のプレイヤーに抜かれる事もない――圧倒的とは言わないが、間違いなくスキルは上昇しているだろう。


 ARゲームでは汗が飛び散ったりはしないが、こちらに限っては――それが見えるような動きと言えるのかもしれない。


『これが――ARゲームのプレイと言う事か』


 ビスマルクも――今までのプレイは単純にARパルクールもパルクールの延長線と認識していた箇所はあったのだろう。その認識が変わりつつあったのが、前回と今回のプレイかもしれない。


【やはり、プレイ内容が変わっている】


【ビスマルクもARゲームのスタイルでプレイする必要性を感じたか】


【ARゲームにはARゲームのプレイスタイルがある。そうでなければ、注目されても炎上するだけだ】


【彼女はパルクールのプレイスタイルで今までプレイしていた。だからこそ、パルクールを広めようと言う一部プレイヤーと同じように見えたのだろうな】


【そう言う物なのか?】


【そう言う事だ】


【パルクールを広めたいのであれば、別の手段を使うべきだろう。ARゲームは、そう言った宣伝手段で使うべきではない事は――超有名アイドルの一件で分かっているはずだから】


 様々なコメントが飛び交う中、ビスマルクのプレイスタイルの変化は彼女がARゲームを分かっていなかったから――という結論に達した。


 今のビスマルクは、パルクールプレイヤーとしてではなく――ARゲームプレイヤーとしての彼女として動きだしたのかもしれない。



 そのビスマルクのプレイとほぼ同タイミングで終了したのが、スクルドのプレイだった。スクルドのプレイは、明らかにFPSを意識した動きなのは間違いない。それでも、パルクールに求められるのは――スピードだ。


 しかし、FPSのように敵を撃破する必要性がまったくないランダムフィールド・パルクールで、どのような動きを――。


【あのプレイはありなのか?】


【相手プレイヤーに意図的な妨害をする事は禁止されているはずだ】


【よく見るんだ――あれは攻撃ではない】


【あのガジェットで、どうやったら機動力重視の動作が出来るのか?】


【重装甲タイプ――あれは、むしろパージ型だ】


 コメントをたどるだけでも、スクルドの動作には衝撃を受けるものばかりである。スクルドのARアーマーは、最初からヒューマノイドモードという異例のアーマーと断言できた。


 しかし、彼女の本領発揮は――アーマーパージ後にある。それは、パージしたアーマーが戦車に変形するからだ。戦車と言ってもキャタピラで道路が荒れる事はない。あくまでもARアーマーはCGで出来た特殊アーマーと言う位置づけである。


『ARゲームはSNSテロやデスゲームに利用させる訳には――いかない』


 ゴールしたスクルドはARアーマーを解除し、バイザーとインナースーツ姿に。そして、周囲を見回して――何かを探しているようにも見えた。


(どちらにしても――すぐに反応がある訳ではないだろう。今は様子を見るか)


 スクルドの視線がギャラリーに見える訳がない。ARメットのデュアルアイが光るのは確認出来るかもしれないが――。



 例のニュースを受けて、西雲春南にしぐも・はるなの周囲にはマスコミや別のフラッシュモブが取り囲むような非常事態に――はなっていない。


 しかし、一連のARゲームを巡る事故やトラブルといった類に関係するのは――間違いなく、マスコミだろうと。


(新たなプレイヤーが続々出てくる中で――自分は何をしているのか)


 考え方を変えたはずなのに、まだ動きには微妙なズレがあった。やはり、一連のネット炎上を引きずってしまうのか? それとも、向き合おうと決めた過去と――今の状況がフラッシュバックするのが原因なのか?


 どちらにしても――マスコミや広告会社等が炎上させ続けていく限りは、一連のSNSテロとも言うべき状況は終わらないのだ。何としても、ARゲームをSNSテロやデスゲームとして運用させないようにしなくては――コンテンツ正常流通を目指す為にも。

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