(番外編)インタビュー
お久しぶりです!勢いで書いちゃいました!
新作のほうもよろしくお願いします!
はい、今日はファッション誌『ランラン』の取材でまいりましたー。ファッションクリエイターのバッジョです!よろしくー!(ぱちぱち)
今日のインタビューのお相手は…なんとなんと!
今をときめく『ハインツの至宝』カレンフィールド王子とミリディアーナ姫の侍女を務めていらっしゃる…プリゲッタさんでーす!
こんにちわー!
「はい、こんにちわ!(苦笑)」
いやー、さすが倍率の高い試験を突破して、白鳥城の侍女になられたプリゲッタさんですね!
かわいいですねー!
「あ、はーい。ありがとうございまぁす(少し照れた顔)」
こちらのプリゲッタさんは、かつて『謝肉祭』のミスコンで準優勝になったこともあるくらいの、美女さんなんですねー!
「そんなぁ、もう昔のことですよ。褒めたって何も出ないですよ?(キリッとした表情で)」
…えーっと。それでは今日は、プリゲッタさんのお仕事を聞いてみましょうか?
普段はどんなお仕事をされてるんですか?
「普段はですねぇ、王子や姫の身の回りのお世話ですとか…。あとイベントの際の司会進行なんかもやってますね」
まあまあ!?『ハインツの至宝』の身の回りの世話ですか!
あのー。不躾な質問かもしれませんが…王子と姫はどんな方ですか?
「最初からその話が聞きたかったんでしょう?(笑)でもいいわ、話してあげる。あのねぇ…王子も姫も、本当に素晴らしい人だと思いますよ」
素晴らしい?
素晴らしいとは、どのあたりがですか?
「そうですねぇ…たとえばカレン王子なんかは、お城の中ではけっこうヤンチャなんですけど…凄く優しいんです。たとえば前に、あたしがお城のお皿を破ったことがあるんですけど…」
おやおや、お城のお皿を割った?
それはよろしくないですねぇ?(笑)
「はい、よろしくなかったんですよ(笑)
でもそのとき、カレン王子があたしのことを庇ってくれたんですよ!」
ははぁ、そんなにお優しい方なんですね。
しかも、超イケメン!
「そうなんです!
でも、悪いこともあるんですよ?」
悪いこと、ですか?
それはどんな…
「あまりにもカレン王子がイケメンすぎて、他の男の人がどうしてもイマイチに見えちゃうんですよ。
おかげで理想が高くなっちゃって…(笑)」
あはは、それは仕方ありませんね。
なにせ『ハインツの太陽』ですからね(笑)
…それでは話題を変えて、姫の方はいかがでしょう?
「ミア姫はですね、お近くにいると、女としての自信が無くなってしまうようなお方ですね(少し遠い目)」
ほほぅ…自信が、ですか?
「はい、だって…完璧すぎるんです、ミア姫様は。奥ゆかしくて優しくて、なによりとんでもない美女でしょう?もう、同性のあたしですら目が眩んじゃいますもん(笑)」
ああー、そういう意味ですね(笑)
私はお二人のことは写真集でしか見たことありませんが、やっぱり写真とは違いますか?
「ぜんぜん違いますよ!実物の方がはるかにお美しいです!オーラが違います!(真剣な表情)」
オーラ。ですか…?
「オーラというか、気品というか。まさに『ハインツの至宝』ですよ!(少し興奮気味に)」
いやー、そうですよねぇ。
お二人は本当にハインツ公国では人気ありますもんねぇ。
…とは言いながら、『白鳥城』で働いている方は、プリゲッタさんをはじめ美男美女が多いと聞いていますが…そのあたりは?
「そうですね、みんな可愛らしいですよ。同僚のシスルなんて、この前のコンテストで3位に入りましたしね」
たとえば…エリスさんなんかはどうです?
一時期、王子の恋人じゃないかって噂も流れましたよね?
まぁ、王子本人が否定されたそうですが。
「エリスですか?可愛らしい子ですよ。王子とも姫ともすっごく仲良いですし。ただ…カレン王子の恋人ってよりも、ミア姫の親友って感じですかね?いつも一緒にいますから」
いつも、ですか?
それは本当に仲良しなんですね。
「ええ。エリスが王宮に来てから、ミア姫はとっても明るくなられましたし。それまではほとんど部屋に篭っていらっしゃったので、心配していたのですよ。そういう意味ではエリスにはみんなすごく感謝してます」
ほほぉー、そうだったんですね。
そうすると、ハインツ国民一同、エリスさんには感謝しなきゃいけないですね(笑)
「あはは、本当ですよー(笑)」
と、いうことで。
今回はプリゲッタさんへのインタビューでしたー!
ありがとうございましたー!
「はーい、ありがとうございます(最高の笑顔で)」
ーーーーーーーーーーーー
「なんだよこれ、あははっ!」
ミアが読んでいた雑誌を放り投げながら、爆笑していた。
…まったく、こっちは笑いごとじゃないっていうの!
雑誌の名前はランラン。
なんでも先日プリゲッタがインタビューを受けたそうで、その記事が載っていると聞いたから取り寄せたんだけど…
これ、プリゲッタのインタビューってよりも、カレンたち3人の話を聞いてるだけじゃん!
「お皿割ったの庇ったってよりも、あんとき何枚割ったか分かんなかったから、まとめて謝っただけなのにねっ!プププッ」
ルビングルームのソファーで笑い転げてるミアをキッと睨みつける。
…まったく、姉さまはのんきなんだからっ!
「ふふっ、良いじゃないカレン。別に悪く書いてあるわけじゃないんだから」
カレンが不機嫌でいるのに気付いたエリスが、淹れたての紅茶を持って近寄ってきた。
…エリスのこういう空気読むところは凄いよなぁ。
「うーん、そうかなあ」
「そうだよそうだよ。…まぁ、あんたのせいでプリゲッタは女としての自信を失ったみたいだけとねっ。うけけっ!」
美味しい紅茶を飲んで少し落ち着いたきたぼくの心を、追い打ちでかき乱しにかかる姉さま。
あまりに腹が立ったので、近くにあったクッションを投げつけてやった。
「あいたっ!やめてー、姫さまー!暴力はんたーい」
「ぼくは『姫さま』じゃないっ!」
「…ぶっ」
…ついに堪え切れなくなったのか、エリスが吹き出した。
ぼくはなんだかバツが悪くなって、そっぽを向いてしまう。
ふと窓の外を見ると、中庭の緑に花が咲いているのが見えた。
あれは…春に咲く花だったかな?
「…もうすぐ春だね」
「…もうすぐ『魔法学校』に入学の時期ね」
横に寄ってきたエリスが、感慨深げにそう呟く。
そういえば魔法学校には、エリスの親友であるティーナがいるんだったよね。
やっぱり会えるのが楽しみなんだろうなぁ。
「…二人と一緒に行けるのが、楽しみね」
そう言って微笑むエリス。
あれ?そうなの?
それが…楽しみなの?
「ほんっと楽しみだね!はやくあたしらも『天使の歌』が歌えるようになりたいしね!」
姉さまが賛同しながらぼくたちの間に割り込んでくる。
そう…ぼくたちは天使に目覚めたとはいえ、まだ『天使の歌』を覚えてないのだ。
魔法学校に行くのは、それが一つの目的でもある。
そろそろ、ぼくたちも準備を始めないとね。
魔法学校…
いったいどんな出会いがあるんだろう。
聞いた話だと、ブリガディア王国の第一王子であるレドリック王子や、『英雄』レイダーの妹…確か名前はスターリィだったかな?そういった有名人も同級生に居るみたいなんだよね。
あぁ、不安だよ。
できれば…男として行きたいんだけどなぁ。
「もーすぐ春ですねー?早くこのお城に縛られる生活から卒業したいやぁ!」
…本音ダダ漏れですよ、姉さま。
続編となる新作
『新世界カニヴァル 〜魔王を喰った少女 〜』
のほうを連載開始してます!
良かったらそちらの方も見ていってくださいね!




