第39話:殿、さつまいも味噌汁で国際争乱を止めます
大学芋が世界を席巻した結果……
「布武丸領の芋を独占せよ!」
「いや、我が国が先に交易を結ぶべきだ!」
「大学芋を制する者は天下を制す!」
ついに国際的な争乱が勃発した。
港には軍船が並び、各国の兵がにらみ合う。
父上「布武丸……今度こそ戦になるぞ」
重臣「芋のせいで世界大戦とは……」
だが俺は落ち着いていた。
「……こうしょう!みそしる!さつまいも!」
―――
港に大鍋を据え、火を起こす。
ぐつぐつと煮えるのは――黄金色のさつまいも入り味噌汁。
忍軍「殿……まさか国際交渉に味噌汁を?」
俺「そう!でんとう!でも、あたらしい!」
―――
やがて各国の将軍や使節が集まり、武器を構えて叫んだ。
「布武丸!今すぐ大学芋の権利を渡せ!」
「さもなくば港を封鎖する!」
俺は鍋の蓋を開け、香りを広げた。
「……のめ!さつまいもみそしる!」
―――
将軍たちは鼻をひくつかせ、思わず一口。
「……あまい……? いや、甘みと塩気が調和している……!」
「体が温まる……! 戦う気が……消えていく……」
「大学芋もいいが……この汁こそ……平和の味だ!」
兵士たちまで次々に飲み干し、武器を置いて椀を両手で持ち始めた。
―――
国王たちは顔を見合わせ、ついに笑った。
「布武丸! そなたの芋味噌汁は戦を越えた! もはや国を争わせるのではなく、国を繋ぐ!」
父上「……戦を止めたのが芋入り味噌汁とは……」
重臣「後世には“さつまいも汁条約”として伝わりましょうな……」
俺は丼を掲げ、堂々と叫んだ。
「さつまいも!みそしる!へいわ!てんかふぶ!」
各国「「「おおおおぉぉぉ!!!」」」
布武丸、11歳。
さつまいも入り味噌汁で国際争乱を止め、平和条約を結んだ春の出来事である。




