第37話:殿、ほくほくお芋で外交します
秋。
布武宿ではサツマイモが大豊作だった。
「殿!今年は芋が山ほど採れました!」
「米が不作でも芋がある! 腹いっぱいです!」
村人たちが芋を抱えて大喜びする一方で、俺はニヤリと笑った。
「……これ!くにあんぜん!がいこう!」
そう、サツマイモは飢饉にも強い“救国の作物”。
これを外交カードにすれば、領地の地位はさらに上がる!
―――
隣領との会談。
敵領主「布武丸……そなたの領地は食が豊かだと聞く。だが余の領では米が凶作で……」
俺「だいじょうぶ!いも!ある!」
領主「いも……?」
テーブルに並んだのは、蒸した芋、焼き芋、芋ようかん。
領主は恐る恐る口にする。
「……ッ!? ほくほく……甘い……!」
「芋でこれほどの満足感とは!」
たちまち顔色が変わった。
―――
「布武丸殿! ぜひこの芋の苗を分けていただきたい!」
「いや我が領にも!」
「うちもだ!」
次々に手を挙げる領主たち。
父上「布武丸……これほどの影響力が……」
重臣「もはや芋で天下が動く時代……」
―――
数か月後。
布武宿発の芋苗は周辺領へと広まり、各地でサツマイモ畑が作られた。
結果、食糧不足は一気に解消。
だが……同時にとんでもない現象が。
「殿! 宮廷が“芋派”で埋まりました!」
「団子派もカステラ派も、今や“芋団子”“芋カステラ”を推す始末です!」
……お菓子界すら芋に侵食されてる!?
―――
国王までも嬉しそうに宣言した。
「布武丸! そなたは戦をせずに国を救った! 今や天下は“芋”の上に築かれる!」
俺は黄金色の焼き芋を高々と掲げた。
「いも!ほくほく!てんかふぶ!」
村人&宮廷「「「おおおおぉぉぉ!!!」」」
布武丸、10歳。
サツマイモ外交で領土を繋ぎ、食糧と平和を確保した秋の出来事である。




