第21話:殿、甘味は天下を制す
味噌。醤油。スパイス。オリーブ油。
そして……布武丸が次に狙ったもの。
「さとう!あまい!てんかふぶ!」
村人「殿、また新しいのを……?」
父上「布武丸、甘味は確かに珍重されるが……塩より高価だぞ」
俺は真剣にうなずいた。
戦国オタクだから知っている。
砂糖は“白い金”。
甘味は人心を掴み、外交の切り札になる!
―――
だが問題は産地だ。
「殿、砂糖は聞いたこともないぞ……」
「たしか海の向こう、南の島で採れるとか……」
……そう、サトウキビは温暖な地域でしか育たない。
この辺りの気候では無理だ。
となれば――外交あるのみ!
―――
早速、異国商人に交渉を持ちかける。
俺「さとう!ほしい!」
商人「オオ……シュガー?タカイヨ!」
商人は金貨を数えながらニヤリと笑う。
「ワタシノ国、ナンブノシマ。サトウキビ、イッパイ。ダガ……航海アブナイ。海賊イッパイ」
……海賊、ね。
ちょうどこっちには“味噌汁寝返り海賊団”がいるじゃないか。
俺は振り返り、元刺客&元海賊の家臣団に言った。
「いくぞ!さとうきび!てんかふぶ!」
家臣団「「「おおおぉぉ!!!」」」
―――
そして始まった――南方航海。
異国船に味噌と醤油を満載し、海賊たちが舵を取り、村人たちが味噌玉を携えて出航する。
目指すは“砂糖の島”。
数日後。
見えてきたのは青い海に浮かぶ緑の島々。
そこには背の高い草――そう、サトウキビが一面に生えていた!
―――
だが島の住民は警戒心を示す。
「そなたら何者ぞ!我らのキビ畑を荒らす気か!」
槍を構える島の戦士たち。
だが俺は両手を広げ、鍋を指差した。
「……みそしる!」
島の民「……?」
味噌汁を振る舞うと――
「なにこれ!あったかい!」
「塩よりまろやかだ!」
「これは……砂糖と交換してもいいかもしれん!」
―――
交渉成立。
味噌と醤油を渡し、代わりにサトウキビを手に入れた。
さらに数人の島民が「この不思議な子供の国を見たい!」とついてきてしまった。
―――
帰国後。
父上「布武丸……今度は砂糖まで……」
重臣「甘味は貴族も飛びつくでしょうな」
村人「殿!これで味噌団子がもっと甘くなる!」
俺は砂糖を握りしめ、誇らしげに叫んだ。
「さとう!あまい!てんかふぶ!」
村人「「「おおおおぉぉぉ!!!」」」
布武丸、6歳。
砂糖を求めて南方航海に挑み、サトウキビを手に入れた夏の出来事である。




