第10話:殿、味噌汁祭りをやりましょう!
味噌汁が村の心をつなぎ、忍者も陰陽師も撃退(?)した。
そんなある日、村の広場に集まった村人たちが口々に言い出した。
「殿!もうこれは祭りにすべきじゃ!」
「味噌汁の神様に感謝する祭りだ!」
「名付けて――“味噌汁祭り”!」
……いや、神様じゃなくて俺とおばちゃんたちの努力の結晶なんだけど!?
―――
翌週。
村の中央には大鍋が据えられた。
焚き火の炎でぐつぐつ煮えるのは――もちろん味噌汁。
大根、人参、肉、山菜、キノコ……具だくさんすぎて、もはやシチュー。
「殿ー!お玉をどうぞ!」
「ふぶまる様!お味噌をお供えください!」
……俺が神輿みたいに担がれて、鍋の前に運ばれてるんだけど。
なんか「味噌汁の御子息」みたいな肩書きがつきそうで怖い。
―――
そして、どこからともなく聞き慣れた声が。
「南無〜味噌〜」
陰陽師、再登場。
狩衣を翻し、鍋の前で呪符をばらまきながら踊り出した。
「味噌の香りに霊力宿る!悪鬼退散!胃袋安泰!」
いや、韻踏んでる場合か。
村人たちも「わっしょい!わっしょい!」と盛り上がり、
気づけば村全体がカオスな“味噌汁神輿祭り”になっていた。
―――
鍋の周りでは子供たちが味噌汁を片手に走り回り、
おばちゃんたちは「うちの味噌のほうがうまい!」と自慢合戦。
父上は頭を抱えていたが、結局おかわりを三杯していた。
俺は高く担がれ、叫んだ。
「てんかふぶ!みそしるぶ!おかわり!」
村人たち「「「わっしょい!!!」」」
……いや、何このノリ。
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こうして「味噌汁祭り」は村の恒例行事となった。
翌年以降、隣領からも人が押し寄せるほどの大イベントに育ち――
後世の歴史書にはこう記される。
“天下布武丸、幼少期より味噌汁を旗印に民心を掌握す”
布武丸、3歳。
味噌汁祭りで天下統一に一歩近づいた夏の出来事である。




