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幼馴染は俺のことを好きじゃないのに、独占欲だけ強いらしい  作者: 海風


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10/11

告白

「振ったよ。あいつのこと」


 寝起き早々言われた言葉がそれだ。


「だから、私のこと見てよ」


 唯が俺の髪を触りながら言う。


「...嫌だよ」

「どうして?」

「言っただろ。もう前みたいには無理なんだよ」


 唯が、寂しそうな目をする。

 恋人より深く繋がっていたいというあの言葉。それが唯の本音なんだと実感する。

 ..もし唯の気持ちが、自分と同じベクトルに向いていたなら。

 駄目だ、また泣いてしまう。


「..泣かないでよ」


 唯が、俺の頬を伝った涙を袖で拭き取る。

 唯の顔を見ると、彼女も泣いていた。


「分からないの....私..」


 唯の顔に手を伸ばす。とめどなく流れる涙に袖がすぐびしょ濡れになる。


「一緒がいいの。ずっと..」

「...うん」

「あいつといい感じだって言ったのは、私と凪斗は恋人じゃ駄目って言おうとしたからで..」

「..分かってる」


 2人で、顔が触れ合うような距離で、涙を拭いあう。似たようなことが、沢山あった気がする。

 俺が泣いて、唯も泣いて。

 唯のことを好きになってしまう前もあったし、多分、後も何度かあった。

 いつから唯を好きになったのか分からない。でも唯は、分かってるのかもしれない。

 唯は、唯を好きになってしまった俺を、好きじゃ無いんだ。

 俺も、気づかないふりをしてた。俺だってこんな自分、好きじゃ無い。でももう、それが今の自分なんだ。

 こうやって変わっていくんだ。全部。それが普通なんだ。


「私、凪斗のままでいて欲しかった。ずっと同じ、凪斗のまま」

「うん」

「2人で1つだったのが、段々ただの2人になっていくのが..怖かった」


 後ほんの少し首の角度を変えれば、唇が当たるくらいの距離、唯が喋るたび唯の温度を感じる。


「振っちゃえば、全部言っちゃえば昔の、ありのままの凪斗に戻るって、馬鹿だよね」


 また一筋、涙が流れる。


「今の凪斗が、ありのままの凪斗なんだよね。」

「唯...」


「ねえ、凪斗。」


 唯がか細い声で言う。


「私を好きな凪斗と、一緒にいてみたい。真正面から受け止めてみたい。」


 唯は俺の目の、どこまでも奥を見つめながら言った。


「...」


「付き合って」



 分からない。何を言っているのか。

 どういう意図があるんだろう。

 せっかく、全て終わると思ったのに。

 それでいいのかよ。唯。

 どうせ別れる。どうせ...


 でも....


「..うん」




 馬鹿だ。


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