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16話 樹の家って憧れます(住宅会社のCMコピーっぽいすね)

うーむ、間が開きすぎました、反省。

村に着いた、・・・・・・村でいいんだよな? 想像してたよりもデカくないか ここ。

そんなに深い森の中って感じはしない開けた空間に、やたらと頑丈そうな木の塀というか壁で囲まれている。

壁も・・・・・結構高いな、人にして二人分くらい、おそらく3m越えてんじゃないか?

MAPで見たところ、この辺りにはやばそうな野生動物はいないみたいだけど・・・・・・。

まぁ、ホーンドベアみたいなのが珍しいとは言っても出没する様な地域と近いんじゃあなぁ。

俺が想像してたのは害獣の少ない日本の村だった訳だし、こっちではこういうのが普通なのかな?


「おーい、大丈夫だ。ビョルンだ、他の者も全員無事だ、イリーもいる。」

門の上のほうに向かってリーダーのエルフが手を振りつつ声をかけると

こちらからは見え辛かったが門番なのかな? 門の裏側に隠れていたらしき人が顔を覗かせて来た。

「ビョルンさん、全員無事って、ホーンドベアはどっか行ったんですか?」

「ああ、詳しい話は村長の所で纏めてするが、とりあえずホーンドベアに関しての警戒は解除でいい。

 ただ、他に魔獣が流れて来てないかはまだ確認していないから、私達が入ったら

 引き続いて門は閉めたままで番を頼む。」

「わ、わかりました。いま開けますのでっ。」


片方の門が人一人通れるくらいだけ開けられてビョルンと言っていたエルフのリーダーを先頭にして

エルフ達と俺、シング、ペンタも村の門をくぐって行った。


「ほえ~」

思わず声が出てしまった、村の入り口であるんだろうその場所にはエルフを中心としてはいるものの

雑多な種族が集まって来ていた。


ぱっと見ただけでも、いわゆるファンタジーで言うところの獣人みたいなのとか、

ドワーフよりも小柄で細めなホビット?とかあっちの犬っぽいのはコボルトってやつかな?

トカゲっぽい人もいるなぁ、すげぇなぁ。


「タダさん、村長に話を通しますので少し待ってもらえますか? 

 そんなに時間はかからないと思いますので。」

「あ、はい。ここで待ってればいいですかね?」

「私が付いていよう、イリーは家に顔を見せてきたほうがいいだろう、安心させてこい。」

「は、はい そうですね、行って来ますっ。」

「ああ、一応、あとで村長のところで話を聞かれるかもしれん、・・・・・って行っちまったか。」

走り出すイリーにハニャさんが後ろから声をかけるが、

走っていったイリーが最後までハニャさんの言葉を聞いていたかは・・・・・、聞いてないっぽいなぁ。


「悪いやつではないんですが、そそっかしいというか、先走ることが多いというか、

 視界が狭いのは狩人としては良し悪し・・・・・です。」

「良くもあるんですか? 意外に聞こえますが・・・・・?」

「全体としては良くはないです、・・・・・ですが、獲物待ちの時などは考えるよりも

反応が優先される場合もありますし、ひとつの事に集中出来るのは得がたい資質でもあります。」

ハニャさんがそう言い、苦笑する。弟を見る姉のように思えるのは気のせいだろうか。


俺たちの周りに残ったのはハニャさんと俺が助けたエルフの狩人二人で、これはまだ勝手に歩き回られては

困るから一応の見張りって事なのかな?


周りからの視線がチラチラというか、いや、結構ガン見されてるか。

詳しい事情がわからず、いきなりよそ者が村にきたら こんなもんかねぇ。

「ああ、外の人がここに来ることはめったにないので申し訳ありません、無遠慮で・・・・。」

「いえ、気にしてはいませんよ、実の所 私も逆の立場なら気になるでしょうし。」

おそらくかなりの田舎ってことなんだろうし、基本的に知り合いしかいないとこに

いきなりホーンドベアの騒ぎの上、よそ者が来たってんで興味津々なんだろうなー。

ハニャさん達ががいなかったら取り囲まれてるんじゃないか、これ。あんまり嫌な感じはしないけど。

うん、いきなり よそ者は出て行け みたいな排他的な雰囲気ではなさそうで安心した。

母親のスカートの陰からこっちを見てる子供とか、わりとまぁ普通っぽいな。


「ホーンドベアが出た時に 外の畑にいた者も全員戻っているようだし、死人やら出なくて

 助かったなぁ、本当に。」

「昼間だったし、ここのところ 猪も少なくなってたから安心し過ぎてたかもしれん。」

エルフ二人が話しているとビョルンがこちらに戻ってくるのが見えた。


「村長にざっとですが話を通してきました、詳しい事を聞きたいと言っておりますので

 よろしいでしょうか?」

「はい、こちらからのお願いもありますし。」

「コナーとクキも来てくれ、治療してもらったのを話してもらった方がいいだろう。」

お、なんか心証が良くなるように気を使ってくれてるのかな? 助かるな。

それとも治療魔法に関してはこの村には使えるものがいないって言ってたし、別の思惑があるのかもしれないな。

迂闊な事を言ったり、したりしないように気をつけなきゃ・・・・・


ビョルンについていくとおそらく村の中心辺りになるんだろう、いくつかの大きな樹木とそれに

寄り添うというか、樹の一部をそのまま建物の一部として使った周りの家よりも大きくて立派に見える建物が見えてきた。

これはまた、ファンタジー感あふれると言うかなんというか・・・・・


「ロッド、さっき話した客人をお連れした、ハニャとコナー、クキもいる。」

大き目の両開きのドアに向かってビョルンが声をかけると中で人が動く気配がしてドアが開けられる。

「ああ、良かった本当にみんな無事だったのね、あれっ、イリーはいないの?」

片方のドアを開いて顔を出して言ってきたのはエルフの女性だった、年齢は・・・・・わかんねぇ。

見た目だとハニャさんよりは若く見えるが[見る(タゲる)]のは失礼な気がするし、気付かれるかも、と

思うとうかつに[調べる]とか使えないしなぁ。


「先に家に顔を見せに行かせた、治療のことはコナーとクキから聞けるからな。」

「そう、わかったわ。お客人 拾われの村にようこそ。村長のコート・ロッドと申します。」


拾われの村 ここはそういう呼ばれ方をしている。

魔獣がうろつく果ての森に一番近い人の住む場所。

言い換えれば人の住むことの出来る端の端。

辺境領であり、開拓の最前線と言えば聞こえはいいが、過酷ゆえに税すら免除される程の果ての村。

森の民と呼ばれるエルフと雑多な種族の生きる場所。


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