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戦国恋歌  作者: Maaa
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「…?!…景政様…何を?」


椿はなじみのない痛みに戸惑う。



「“印”をつけただけだ」



「印?」


「そう」




景政の腕が伸び、椿の背に添えられた。



抱きしめられる度感じる心地よい暖かさと、 戸惑い。




だめだとわかっているのに


誰かに気付かれる前に離れなければいけないのに…





―――…あと少しだけ……もう少し…





景政は椿の長い黒髪をひと房すくい、口づけた。 人差し指と中指に、絹のような髪を絡ませる。


何度も椿の唇を味わいながら景政は囁いた。





「……今……お前を抱いたら、婚儀の夜あの男はどんな顔をするのだろうな」




椿はビクッと身を固くし、景政の着物を掴んだ。


「………わたくしは…」


「確率は二分の一だが……もしお前が選ばれて、生娘でないことがわかったら……どうなるかわかるか?」


「……存じております」



椿自身はその場で死、父に…祖国、薄巳に危害が及ぶ。




「覚悟はあるか…?」


淡々とした口調。でもその声は真剣だった。


自分ひとりの気持ちで今宵一晩の過ちを犯し、国の父を……民を裏切るか



気持ちに蓋をし、国のために今この時を忘れ 生きてゆくか…。





覚悟はできていた。

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