花里小夜×月森景都②
花里小夜と月森景都が一緒にいる機会はボディガードになってから増えた。それは葉山が登校していない時も含めてだ。
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そんな二人は今日も会話をしている。
二人共、三限の講義が終わり、後は帰るだけになったので大学のラウンジで面と向かって話しているのだ。
「そう言えば、景都先輩はあの話知ってます?」
「あの話?」
「はい。ある出会い系サイトが仮想空間で会うみたいなことをしているらしいんですよ」
「へぇ…そんなことできるんだ」
「それはあたしも思いました。今の出会い系ってそんなことまで出来るようになってるんだって驚きましたよ」
出会い系と言えばアプリ上でやり取りをするだけで、それ以上でもそれ以下でもない。
もちろん、通話など相手の肉声を聞けるものもある。それでも仮想空間なんてものを出会い系が導入するなんて普通は考えられない。
「そこで男の人がいたらしいんです」
「出会い系サイトに?」
「はい、そうらしいです。男性で出会い系とかやっている人ってフィクションの世界以外でいるんだなぁって驚きました」
この世界で男性はとても貴重な存在だ。そして男性の特性として女と接触したいと思わないのだ。なるべく会わずに過ごそうとする男性が多い。
だから、出会い系で女性と会おうとする男性は本当に珍しいのだ。出会い系をするってことは女との出会いを目的にしているということなのだから。
「へぇ…そんな男の人がいるんだ」
「景都先輩もそう思いますよね。女性を怖がらない男性って思ったよりもいるのかもしれないです」
「…でも、小夜さんは葉山くんのこと以外、頭にないよね」
「それはそうだよ。だってあたしが好きなのは葉山くんだけですから。男性だったら誰でも好きになるとかじゃなくて、あたしは葉山くんだから好きになったんですもん」
花里小夜の想いは…他の葉山優のことを好きな相手よりも強い。葉山優という男に夢中になってしまっているのだ。もう取り返しが付かないほどには。
「本当に小夜さんは葉山くんのことが大好きなんだね」
「はい!でも、景都先輩も葉山くんのこと好きですよね?」
「…うん。すきかな」
「まぁ…あたしとしては複雑ですけど、葉山くんの魅力に気付いてくれる人がたくさんいるのは嬉しいです」
自分の好きな人を好きになってくれることが嬉しいのだろう。
「…小夜さんはきれいだね」
「きれい?」
「うん。そんな風に思えるのって心がキレイなんだと思う」
「そうですかね?」
「だって僕はそんな風に思えないよ。少しでもライバルが少ない方がいいって思うんだ。僕が葉山くんに振り向いてもらうために」
この世界は結婚制度があるといっても、複数の女性と結婚することはできる。でも、葉山優という男がその制度や自分の将来をどう考えているのかは分からない。
もしかしたら、本当に愛した一人しか結婚しない可能性だってあるのだ。
そうなると葉山様に好意を抱いている相手は全員がライバル同士ということになる。そうなれば月森のようにライバルが少ない方がいいと考えるのは当たり前の考えともいえるかもしれない。
そんな会話が繰り広げられていた。




