113. スキルポイントの大量消費
生産系のスキルにもポイントを消費しよう―――。
そう考えたシズは、まず現在はランク『1』だけ修得している〈特性注入術〉のスキルランクを伸ばすことにした。
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〈☆特性注入術Ⅰ〉
ひとつの霊薬に注入できる錬金特性数が1つ増える。
錬金特性の消費数を『5%』減らすことができる。
[加護]が高いと消費数を更に少なくできる場合がある。
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霊薬を作る時に消費する際に消費する、錬金特性の個数を減らすスキルだ。
錬金特性は鍍金の際に大量消費することもあって、最近では材料の調達よりも、特性の確保に苦労することも多い。
なのでこのスキルに関しては、もっと早い段階で伸ばしておくべきだったなと、今更ながらちょっと後悔する。
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〈☆特性注入術Ⅹ〉
ひとつの霊薬に注入できる錬金特性数が2つ増える。
錬金特性の消費数を『50%』減らすことができる。
[加護]が高いと消費数を更に少なくできる場合がある。
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というわけで、ランクを一気に『1』から『10』まで伸ばし、スキルマスターさせた後のものがこちら。
錬金特性の消費数を最低でも半分に抑えられるようになり、更に[加護]に応じて減らすことも出来るわけだから、この恩恵はとても大きなものだ。
またスキルマスター時の追加効果で、霊薬に注入できる錬金特性の数を更に1つ増やすことができ、霊薬ごとに最大『3つ』の特性を持たせられるようになった。
非常に優秀で嬉しい効果だ。今後はプレイヤー向けの霊薬に、常に3種類の特性を注入することになるだろう。
それと―――〈特性注入術〉をスキルマスターした時点で、〈特性改変〉というスキルが新たに修得可能になった。
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〈☆特性改変〉
ランクⅡ以上の錬金特性を、下位の特性に改変できる。
魔物討伐時、及び素材から抽出して得られる錬金特性の数が
『20%』の確率で『2個』に増加する。
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(このスキルは絶対に伸ばすべきだよね)
スキルの説明文を読んで、即座にシズはそう判断する。
〈特性注入術〉が錬金特性の『消費を減らす』スキルなら、〈特性改変〉は錬金特性の『獲得数を増やす』スキルだと言える。
近しい効果を持つスキルだけれど、競合することはない。両者のスキルを伸ばすことで、錬金特性の確保に苦労している現状が大幅に改善できそうだ。
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★〈☆特性改変〉スキルをマスターしました!
スキルの効果に一部変化が加わりました。
★新たに〈☆特性魔術〉のスキルが修得可能になりました。
このスキルを修得するには[知恵]が『200』必要です。
○実績『一瞬でスキルマスター』を獲得しました!
報酬として〔スキルポイント:100〕を獲得しました。
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新しく修得したスキルをすぐにランク『10』まで引き上げたことで、『一瞬でスキルマスター』という名称の実績が手に入った。
報酬により、大量消費したポイントが『100』だけ返ってくる。
これで、現在のシズの所有スキルポイント量は『789』になった。
工房に入ってからの短時間だけで、2600ポイントも消費したわけだ。これでスキルポイントの処理は、概ね達成できたと考えて良いだろう。
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〈☆特性改変Ⅹ〉
錬金特性を『5個』集めると、上位ランクの特性に合成できる。
ランクⅡ以上の錬金特性を、下位の特性『5個』に分離できる。
魔物討伐時、及び素材から抽出して得られる錬金特性の数が
『100%』の確率で『3個』に増加する。
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スキルマスター後のものがこちら。
魔物討伐や、素材から抽出して得る錬金特性の数が『1個』から『3個』にまで増えることにより、遣り繰りは随分と楽になるだろう。
特に抽出で得る特性も増えるのが嬉しいところだ。流石に最近はレベル『2』の水蛇を狩りに行くことにメリットが感じられず、〔生命回復Ⅰ〕の錬金特性は主にヒールベリーからの抽出で都合していたから、その効率がとても良くなりそうだ。
また、錬金特性を合成してランクが1つ上のものにしたり、逆に分離してランクが1つ下のものに改変することが可能になったようだ。
これにより、〔生命回復Ⅰ〕を5つ合成すれば〔生命回復Ⅱ〕が1つ手に入る。
同様に〔生命回復Ⅱ〕を分離して〔生命回復Ⅰ〕5つにも変換できるようだ。
(―――そろそろ本命にも手を出そうかな)
そう思い、シズは〈○中級霊薬調合〉のスキルを修得する。
クラーバ島で優れた素材も手に入ったことだし。そろそろ錬金術師として、より上位の生産にも手を出して良い頃合いだろう。
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★〈○中級霊薬調合Ⅰ〉スキルを修得しました!
残りのスキルポイントは『689』です。
○実績『中級調合師』を獲得しました!
報酬として生産レシピを3つ獲得します。
今後は調合レシピメモから中級霊薬のレシピも出現します。
★『ハイポーション』の生産レシピを修得しました。
★『プルーフェア』の生産レシピを修得しました。
★『マナポーション』の生産レシピを修得しました。
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スキルを修得すると、レシピが3つ得られた。
ハイポーションとプルーフェアはHPを回復する霊薬、マナポーションはMPを回復する霊薬のようだ。
ハイポーションはメランポーションの上位で、時間経過による自然劣化が生じない霊薬。プルーフェアはベリーポーションの上位で、自然劣化が生じる代わりに、1つの材料から量産が可能な霊薬のようだ。
プルーフェアの材料は『エイドプルーン』1個または『ライフプルーン』1個、それから溶媒用の『水』。
エイドプルーンは1個で霊薬2本分、ライフプルーンは1個で霊薬5本分の材料になるようだ。但し水は調合する霊薬の個数と同じ数だけ必要になる。
早速シズは、クラーバ島の河川で採取した『パーミス河川水』で水球を作成し、その中に『ライフプルーン』を1個投入してみた。
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【現在投入中の素材】
・ライフプルーン×1
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【調合レシピ/プルーフェアの調合×5】
基本成功率:100%
スキル補正:+11%
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最終成功率:100%
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[敏捷]や[知恵]が不足しているということもなく、問題無く『100%』の確率で調合が成功するようだ。
これなら、問題無く量産もできるだろう。
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〈○中級霊薬調合Ⅰ〉
錬金術を用いてスキルランクに応じた中級霊薬を生産できる。
中級霊薬を『2個』まで同時に生産できる。
霊薬の生産成功率が『1%』向上する。
生産した霊薬の品質値が『1』増加する。
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但し、説明文を見れば判る通り〈中級霊薬調合〉スキルのランクが『1』だと、中級霊薬であるプルーフェアは『2個』ずつしか作れない。
ライフプルーンは1個でプルーフェア5本分の材料になるので、ランクが『1』のままだとちょっと生産がやりにくそうだ。
それに何より、2個ずつ生産するというのは時間効率が悪すぎる。
というわけでシズはスキルポイントを投入して、〈中級霊薬調合〉のスキルランクを『5』まで成長させてみることにした。
これでプルーフェアを一度に『10個』まで生産可能になる。
ライフプルーン1個で5本分の材料になるから、水球に2個投入して10個ずつ調合していけば、無駄が出ることもない。
中級霊薬でも変わらず霊薬調合を2ライン同時に行うことができるようなので、とりあえず10個×2ラインで生産してみる。
調合に要する基本時間は初級霊薬の倍で『20分』。但し[敏捷]と[知恵]が要求値を上回っているので『14分15秒』まで短縮できるようだ。
《成 功 率 1 0 0 %》
《つよい》
《普通に中級霊薬作れる天使ちゃんが凄すぎる》
《是非売って下さい!》
《完成品はメンバーショップにも並べて下さいまし!》
「ん、了解。あとで並べておくね。最初は個数制限掛けちゃうと思うけれど……」
生産に要する時間が長く、また20個×2ライン体制で作れる初級霊薬に較べると、一度に半量ずつしか作れないので生産数には限りがある。
〈中級霊薬調合〉スキルのランクを『10』まで上げられれば、初級霊薬と同じ20個×2ライン体制で生産可能になるけれど。残念ながらそこまでするには、スキルポイントが足りないようだ。
当面は販売個数に制限を掛けて、少しでもメンバーショップを利用する多くの人の手に渡るよう、取り計らう他ないだろう。
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▽『プルーフェア』10個の霊薬調合が完了しました。
生産経験値:4000/スキルポイント:10
▽『プルーフェア』10個の霊薬調合が完了しました。
生産経験値:4000/スキルポイント:10
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視聴者と雑談しながら14分少々の時間が経つと、問題無く霊薬は完成した。
流石は中級霊薬だけあって、得られる生産経験値の量が多い。
当面はこの霊薬の量産だけでも〔錬金術師〕のレベルを大いに成長できそうだ。
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プルーフェア/品質[108]
【カテゴリ】:霊薬
【注入特性】:〔生命回復Ⅰ〕〔魔力回復Ⅰ〕〔再生Ⅰ〕
【品質劣化】:-2/日
【霊薬効果】:HP+128、MP+15
HPが毎秒1回復(30秒)
エイドプルーンやライフプルーンを主材料に調合した霊薬。
この霊薬が安定して作れれば中級調合師を名乗ることができる。
時間経過で品質がゆっくり劣化するので注意が必要。
服用後は『120秒』間、霊薬が服用できない状態になる。
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完成後の霊薬がこちら。
どうやらプルーフェアは霊薬の『品質値』がそのまま基本回復量になるようだ。〔生命回復Ⅰ〕の特性注入で更に+20されたことで、回復量は『128』と非常に高いものになっている。
また〈特性注入術〉をスキルマスターしたことで、1つの霊薬に3つまで特性を注入可能になったので、〔魔力回復Ⅰ〕と〔再生Ⅰ〕を注入してみた。
〔再生Ⅰ〕は今回初めて霊薬に注入してみたのだけれど、飲用した際に『HPが毎秒1回復』の効果が30秒間得られるらしい。
それも含めると、実質的なHP回復量は『158』相当だと言える。
頼もしい回復量なので、使い勝手はとても良さそうだ。
今後はベリーポーションと並行して、こちらも量産していくことになるだろう。
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お読み下さりありがとうございました。




