99.これから
村の女の人達を乗せて、次の村を目指して進んでいるんだけど、活気が溢れているというか、夜になれば女の人たちが野草を集め、カイが狩ってきた動物を捌いて料理をしている。これだけ活気があると、前に見かけた商隊みたい。
この中で男手は酷い怪我をしながら家族の為に頑張った一人だけで、みんな女性だからカイも女性ばかりで気楽なのか、気分を害されている様子もないし良い感じ。
怪我をしている男の人はトラックの荷台でゆっくり休んでいる。
「あらぁ お兄さんかと思ったらお姉さんだったのね」
「あぁ、オレは女だ」
みんなで食事をとりながら談笑している。
「私達も男装すべきかしらねぇ」
「それは無理だ。 オレは幼い頃からこうだから違和感が無いが、お前達ではどう頑張っても女にしか見えないだろう」
「難しいわ」
食事を済ませると、各々の場所で横になり眠りに付いた。
カイが一人で火の番をしていると、少し大柄の女性が火にあたりに出てきた。
「これからどうするつもりだ?」
カイが薪を追加しながら話を始める。
「何人かは他の街や村で働く。 後は親戚の村とか」
長く捕らえられていた人達の村に向っているけれど、先ほどの村のこともあるから、あんまり良いことにならないと思う。
「あの人達も、最悪私がなんとかする」
大柄な女性は周囲に怯えながら、まだゆっくり食事をしている4人を優しい目で見ている。
落ち着いて観察してみると、前にギルドで見かけた女戦士の人みたいにがっちりしているけど、まさか元冒険者とか元兵士だったりするのかな。
「本当にできるのか?」
「……するしかないだろう。 見捨てるのは残酷だ」
「抱えきれず共倒れするぞ」
共倒れ、4人も居るからたぶんそうなるよなぁ。面倒を見ながらお金を稼ぐのはかなり大変だと思う。
「4人しか……、4人しか助からなかったんだ」
女性の悔しさがにじみ出ている言葉に察する事ができた。
あれだけ教団員が居たんだから被害者になった女性は沢山いたはず。それなのに4人だけトラウマを抱えた状態なのは、4人以外はもはや手遅れになっていたってことなんだと思う。
「そうか。 だが気に病んでいては切りがないぞ。 世の中いくらでも同じような目にあっている女はいる」
「分かってる。 それでも同じ境遇に陥ったのを、放っては置けない」
なんとなくカイに似た意志の強さを感じる。
「好きにすれば良い。 そろそろ眠る。 リョウ、あとを任せる」
カイは車内に、体格が良い女性もトラック近くで眠りに付いた。
みんな一生懸命できる事を考え、背負えないかもしれない重荷でも、必死に何とかしようとしている。何か自分が提案できる事はないだろうか。朝までに考えておこう。




