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異世界を戦車として進む  作者: 赤崎巧
1章 旅立ち
87/313

87.お金がないけど一休み


「さて、これからどうしたものか」


 カイがふと呟いた。


「なにが?」


「今は文無しだ。 売れる魔物の素材も何もない」


「やっぱり全部渡しちゃったの!?」


「たきつける為の勢いでな。 だが成功しただろう?」


「それは……そうだけど、カイ自身が危ないし」


「あの程度の相手、奇襲を掛けられようと毒を盛られようと相手ではないさ。 それよりこれからの旅費をどうするかだが」


「うーん。 それじゃお菓子とか布とかお金持ちに売ってみる?」


 確か前の町のパーティーで見た限りでは、お菓子と言う分類がほぼないように見えた。洋菓子とか和菓子とか食べきれる程度の食料品なら、中身だけを出して売れると思う。

 BX・PXという名の一種の何でも屋だから大抵のものはあるし。


「布のほうが良いだろう。 食べ物だと作れと言われかねないが、布なら出所を探ろうとするだけで済む」


「それなら、またタオルを出すよ。 色々種類もあるしとっても良い奴を」


「あぁ、そうしてくれると助かる。 それにしても少し疲れた。 少し眠りたいし水浴びもしたい」


 水浴びかぁ。お風呂がないから仕方ないけれど、でもここだと覗かれそうだしなぁ。水に浮く事が出来れば湖の中央付近に移動してあげることができるんだけど。


[条件を満たしました。 AAV7を開放します]


 もう開放条件については突っ込まない。

 AAV7は水陸両用車としての能力を有する装甲兵員輸送車。これで湖や海や河の中でもどんどん進める。


AAV7 1200SP


 1300+5520ー1200で5620SPと。

 これで水上を走ることも出来るし、中も広いからゆっくり休む事が出来る。もちろん89式装甲戦闘車よりは地上で動くのは遅くなるけど、車内はとっても広くなった。

 車体を変更し、ゆっくりと湖に向っていく。

 大丈夫だという予備知識はあるけれど、やはり鋼鉄の体で水上を進むのは怖い。

 ゆっくりと水に入っていくと、少しずつ体が浮かび前に進み始める。


「……うん。 大丈夫みたい」


 湖畔の中心近くまで行くと陸地は小さく見えるだけになり、ここでなら水浴びをしても見られることはないと思う。


「少し泳ぐ。 そのまま待っていてくれ」


 カイは裸になると湖に飛び込んだ。

 なんかもう裸を見てもほとんど何も感じなくなってきた。慣れたのかそれとも機械になってきちゃったのか、その辺はちょっとわからないけれど。

 20分くらいしたら水からカイが上がってくると、毛皮を敷いて車体の上でのんびり日光浴をしてる。のんびりぷかぷかと湖畔を浮かんでいると、自分もストレスが抜けていく気がする。

 夕暮れになるまでのんびりしたあと、車内に戻ったカイに食べ物をBX・PXから出して食事を済ませ、カイは毛皮に包まって眠りに付いた。

簡単な説明

AAV7:

アメリカで作られた水陸両用の装甲車両。自衛隊にも納入されています。

履帯(履帯)を持ち4トンの荷物か25人位乗れる広い内部スペースがある。大体小型車両を載せられるくらい広いです。

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