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異世界を戦車として進む  作者: 赤崎巧
1章 旅立ち
74/313

74.実は苦手

 カイは瞑想して精神を高めて神様と話をしてるのかな。原理とかやり方とかさっぱりわからないけど、木の板に時折何かを刻んでは、再び瞑想にもどってる。

 自分はどうしよう。何か出来ることないかなぁ。食べ物の提供は、今回だけじゃ意味がないし、音楽なんて出来ないし、装飾の手直しとかは、それも元の形が分からないとどうしようもないからなぁ。


「リョウ」


「なに?」


「何か布を出してくれ。 大量にな」


 えっ、布って言われても、タオルとかTシャツとかを出せば良いかな。

 BX・PXの販売欄にあるTシャツとタオルを選択して、文字が入っていない単色モノを結構な量をSP交換、5750―92で5658SPと。

 あ、擬装ネットとかも使えるかな。生地としてはともかく留めるヒモとかになりそう。5658-24で5634SP。まだまだSPはあるから少しの間は利用に苦労はしなさそう。


「これで準備は出来そうだ。 これから数日間は服を作るのに時間を使う。 その間にリョウは丸太の木材を手に入れてくれ」


 丸太をって、町の外に出ればたぶん集められると思うけど、それなら材木屋で買ったほうが良いんじゃないのかなぁ。それとも比較的新しい材木である必要性があるとかなのだろうか。

 カイと共に町を出てから森に向かう間も、車内で裁縫をしている。一人旅とかしてたから繕い物が出来るのはわかるけど、まさか服を作れるまでとは思わなかった。

 町を出て少し進んでいくと、やっぱり大きな森の近くにきこりと言うか材木所があった。ここで必要な材木を買えば良いかな。


「リョウ 出来たから見てくれ」


 到着と同時にカイが見せてくれたのは、なんていうかシャツを適当に切って、あれこれ長い布をひっつけただけ。意外と下手なんだなぁ。

 何も言わないでいると察したのか、表情が暗くなる。


「……やっぱりか。 あまり得意では無くてな」


「どんなものか絵を描いてみて」


 地面絵を描いてもらってなんとなくわかったけど、これって羽衣っぽい。そういえばカイが居た本の中では戦意高揚の為に、戦巫女が奉納の舞いを踊っていたっけ。


「自分も少し出来るだけだし、商人の町なんだからお金を積んで作らせたほうがいいんじゃないかな。 絵は上手いんだし」


「そうか……そうだな。 すまないがもう一度あの柔らかい布を出してくれ」


 たぶんタオルの事かな。たしかふわふわもこもこしていたし、5634-100で5534SPと。

 その後は材木をきこりに売ってもらい、車体にロープで括りつけて町に戻った。

 本当に6本の丸太の木材を一体何にするんだろう。

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