57.ダカツの町
どうやって盗賊達を探すか困っていると、カイはため息を吐いた。わからないので仕方ないけど、勢いで無理な事を言っちゃったかな。
「次の村か町で情報を集めるか、襲ってくるところを捕まえるしか無いだろう」
「ごめん」
「盗賊を潰せば旅費になる。 前回使い過ぎたからな」
食べ物も飲み物も自分には要らないけど、カイには必要だし何よりも大事になった場合とか、色々必要なわけであったほうがいいのはわかる。前回も結局戦う事にはなったけど、公的にはお金で殺人行為の賠償金を支払ったので罪状はないわけだし。
「次の町に急ぐぞ。 このペースで行けば明朝にはつけるはずだ」
それから少しペースを上げて町へと急ぐと、明朝には町の門が見えてきた。
四人の衛兵が門の前に居る。コフルの町よりも厳重な警備がされていて、石の防壁の上にも巡回できる通路があるっぽい。剣だけじゃなくて弓を持った衛兵が沢山巡回している。
「旅人か。 ここはダカツの町だ。 入るには保証金10万ビタ支払ってもらう」
高っ。パーマー子爵の保証状があるから安くなるか無料になると思うけど、そんな高額で旅人が町に入れるのかな。
カイは保証状を取り出すと衛兵に見せた。
「保証状か。 それなら3万ビタだ」
保証状を見せてもお金がいるなんて、ダカツの町はよっぽど危険なのかもしれない。入場料をカイが渡すと門をくぐって町の中に入る。
どの家もレンガ造りばかりでとてもお金がかかっているみたい。露店はないけれど、道沿いには大きな店が多くて、歩いている人たちの服装もすっごく良い。汚れも見当たらないしお金のある町って感じがする。
「みてあれ。 あの汚らしい服」
「旅人かしら。 みすぼらしい姿ね」
すっごく嫌な事を言われている。カイの美貌じゃなくて見た目に目がいくなんて、目が腐っているんじゃないかな。戦いに向いた服装をしているといっても、隠し切れない中性的美しさが顔から見て取れるのに。
「まずはギルドに向かうぞ。 そこで依頼があるか確認する」
情報収集といえばギルドか酒場、問題はカイの素行によっては大騒ぎになるかもしれないって事。それはカイと相手次第というか、もっと名声があれば話は別なのかもしれないけど、まだ全然知られていないっぽい。知られてしまうとその面倒もあるけど、役立つ事もあると思う。
門のところにいる案内人にお金を支払って、ギルドの場所に案内してもらうと、やっぱりこの町も蒼転の剣のギルド ダカツ支店があった。この町はギルドと酒場が併設されている形。ギルド兼酒場の前に停車し、カイが中に入ろうとしたとき、一人の人間が窓をぶち破って飛び出してきた。




