55.砲撃
先頭のゴーレムに向け、主砲の71口径8.8 cm KwK 43 L/71を発砲。続けてティーガーⅠの56口径8.8 cm KwK 36 L/56も続けて撃つ。遠隔操作している感覚なので、ティーガーⅠの方は遅れた。
強烈な砲撃音と炎と硝煙が噴出し、榴弾を受けたゴーレムが粉々に吹き飛び、衝撃や砕けたゴーレムの残骸で周囲のゴーレムが薙ぎ倒され一度に5体破壊された。
「くそ! ゴーレムが爆裂魔法を使うってのか!?」
「それでもたった2つのゴーレムです! そのまま行け!」
恐怖も何もなく命令どおりに動くだけのゴーレムがどんどん迫ってくる。
何か言っているけど、正直構っている余裕は無い。頑張ってるけど中々再度装填されないし、その間にもどんどんゴーレムは近づいて来るし、正直結構焦っている。
「くそ! 爆裂魔法がつきねぇのか!!」
「重装甲タイプではなく、走れる強襲タイプにするべきだったか」
少しずつ後退しながら、榴弾で先頭のゴーレムを出来る限り巻き込みながら倒していく。あと10体ほどになるまで1分近くかかったけど、もう目の前までゴーレムが迫っていた。
履帯が外れないように移動しながらの発砲は控え、急加速急停車をしないように気をつけていたけど、目の前まで迫ってくるとそんな事も言ってられない。
全速力で後退すると案の定履帯が悲鳴をあげ、今にも駆動から外れてしまいそう。10mほど離れ再び狙いを定め撃ち続け、ようやく40体のゴーレム全てを倒し終えた。
「あれだけのゴーレムを……畜生!」
「そんな馬鹿な……」
結構危なかったんだけど、やっぱり数の暴力にはまだ2体で相手にするのは難しい。あと2か3体を同時に扱えればいいんだけど、自分の体ともう一つを遠隔操作するのはなんというか難しい。
「カイ、終わったから後お願いして良い?」
カイは頷くと砲塔の上に立つ。
「続けるか。 退くか。 それとも 死ぬか」
死ぬかって、もう戦う余力もないんだから、退くしかないんだと思うんだけど。うーんなんとか穏便というか穏やかな判断になってくれないだろうか。それでも甘い事を言って、聞いてくれる相手とも思えないし、これは自分の判断が間違っているのかなぁ。
「くそが! 覚えていやがれ!!」
「この借りは高くつきますよ!」
二人のヒャッハー系勇者は捨て台詞っぽい事を言って逃げていく。
やっぱり後々の事を考えたら、厳しい言い方が一番なんだろうか。あの二人は今後も何かしらしてきそうだし、勇者相手に実力行使もそのうち必要になってくるかも。




