49.ゴーレムとドイツ戦車
迫ってくるゴーレムに主砲を向けようと思ったけど、こんなところで榴弾の主砲を撃ったら、ゴーレムの飛び散った残骸で周りが大変な事になるからこれはやめておこうかな。
全速力で車体をぶつけることにする。M41軽戦車なんて言われていても。
全長 8.212m
全幅 3.198m
全高 2.726m
重量 23.224t
最大 500馬力
という目の前のゴーレムよりもずっと大きいし、たぶん500キロもない石のゴーレムなんて相手にならないはず。
体当たりによってゴーレムは足の部分が壊れ、上半身部分が車体の上を跳ね回った後地面に転がる。小さくなったゴーレムを超信地旋回で踏み潰しながら履帯を全力で回転させ、残った石の体を削り取るように全車重を掛けて車体で踏みつける。石が割れる音が響き、10秒も経たずに石のゴーレムは粉々に押し潰す事ができた。
でも、無理やり人型の石の塊をのぼったせいで、片方の履帯が駆動から外れてしまった。やっぱり無理な動きというか、変な方向に力がかかると外れやすいというか、これからは気をつけなきゃいけないかも。
「くそが! 苦労して作ったゴーレムを壊しやがって!!」
ゴーレムの所有者の男の人はすごく苦々しい表情をしながらこちらを睨んでいる。
売り言葉や買い言葉ではあったけど、先に襲ってきたのはそっちだし、謝りたいけど喋るわけにはいかないしなぁ。
「どうした。 勇者なのだろう。 これでおわりか?」
カイの挑発する様な言葉はともかく、勇者ってこの人が? 見た目で判断しちゃいけないのは分かるけど、どうみても悪人顔の世紀末な服装なんですけど。
「うっせぇぞてめぇ! 覚えてやがれ!!」
ゴーレムの残骸をそのままに、実は仲間だったっぽい三人を連れて走っていってしまった。
あれがこの町の勇者かぁ。イメージと随分と違うんだけど、実力至上主義だと素行とか人格そっちのけで勇者になれてしまうのかな。
とりあえず履帯を直すために車両一覧に意識を向ける。
大破に近かった74式はまだ修理中、数日経っているんだけどまだ数週間かかりそう。とりあえずM47戦車にしておこう。
「ようやく静かになったが。 リョウ 中に入るぞ」
ハッチを開いてカイを中に入れる。ここなら話をしていても外の誰かに気付かれる事は無い。
「すまないが、二三日旅をやめて休みたい」
急に休みたいなんてどうしたのだろう。でも、カイが休みたいというならいいかな。少しは町の中で落ち着いていたいし。
「それなら蒼転の剣の裏庭を借りた方が良いんじゃないかな。 広場だとたぶん休めないし」
「そうだな」
それから蒼転の剣のコフル支店に尋ねて、裏庭の一角を借りた。カイは車内で死んだように丸一日眠り続け、もう起きないんじゃないかと心配してしまったけど、寝息が聞こえるから生きてはいると思う。
目覚めるまで時間もありそうだし、静かで人目も無い夜にじっくり調べよう。
スキル:ドイツ国戦車ver1 300SP
Ⅵ号戦車Ⅰ型
Ⅵ号戦車Ⅱ型
マウス
これで1960SPでレベル22と。一つ一つ変わってみてチェックしなきゃ。
まずはⅥ号戦車Ⅰ型、ティーガー。
変化すると車体の中に雑誌みたいなものが置かれている。なにこれ、Tiger Fibel(虎戦車入門)? 中身はティーガー戦車の扱い方マニュアルみたいだけど、戦車が女性に擬人化されてるしドイツってやっぱり日本人と色々共通性があるんじゃ。
それに上手く超信地旋回はできないし車体は重いけど、不思議と一体感があると言うか体にしっくりくる。
次はⅥ号戦車Ⅱ型、ティーガーⅡ、別名ケーニクスティーガーや王虎っていう言い方もあると説明にあった。
重っ、というかなにこれ、何をしても動かしにくくて体がとても重い。何かに似ていると思ったけどあれだ。防災訓練で着用水泳したときみたい。何をするにもものすごく抵抗感がある感覚にそっくり。
最後はマウス超重戦車と。
痛っ! なにこれ、変化した途端何もしていないのに全身が酷い筋肉痛みたい! まさか自重で車体が勝手に軋んでる!? あ~~! 自重で地面にめり込んでいく! ちょっとまずいって何この戦車!?
急いでティーガーⅠに戻ると地面にめり込んでいくのが止まった。これ、マウス超重戦車になることはないんじゃないかなぁ。74式とか修理の都合や残りのSP問題もあるし、普段はⅥ号戦車Ⅰ型かM41軽戦車かな。Ⅵ号戦車Ⅰ型はM47よりも体にしっくりくるし。
簡単な説明:
Ⅵ号戦車Ⅰ型
第二次大戦中ドイツで作られた戦車
当時はとても硬い・重い・強い・遅い
Ⅵ号戦車Ⅱ型
第二次大戦中にドイツで作られた戦車
当時はとてもとても硬い・物凄く重い・恐ろしいほど強い・凄く遅い
マウス
第二次大戦中にドイツで作られた超重戦車
物凄く硬い・余りにも重過ぎる・どうしようもないくらい遅い・とてもでかい




