43.こんなところにカルト集団!?
順調に5階層まで上った所で、楽器を叩く音がかすかに響いているのに気付き、通路を反響する中辿っていく。
カイは8時間ずっと寝ているけど、危険じゃないということかな。
出来る限りゆっくり静かに進んでいくと、通路の先に焚火とそれを囲う人たちの姿が見えた。余り近付いてもなんだし、ぎりぎりはっきり見えるけど、25mほど離れた薄暗い通路の角から様子を窺う。
止まったまま静かに様子を見ていると、自分に気付いた数人がこちらを見た。
「あんなところに像なんてあったか?」
「ゴーレムにもみえるが、まぁいい。 急いで準備しないと」
大なべを出したり焚き木を組んだり、再び忙しく準備を始めた。
いや、見たことないなら怪しむべきじゃないですかね。こちらとしてはありがたいけど。
25mくらい先では大きな鍋を用意したり、衣装っぽいものを着たりと、牛の頭骨を被った怪しい集団、しかもダンジョンなのに防具どころか上半身裸、もう怪しさ満点というか。
これはカルト教団ではあるんだけど、前に比べると非常にマイルドと言うか、ただの変態の集まりっぽい。
「雄牛様を崇めよ!」
「「「雄牛様を崇めよ!」」」
壁に掛けられた無数の牛の頭骨、台座の上に座っている人は牛の皮っぽいモノを着た上、牛の頭骨を被っている。他の人たちは頭骨だけ、奇妙な踊りをしながら焚火を囲いながら踊ってる。
こう奇抜と言うか、どこかでこんなカルトの話を聞いたことが有るような無いような。
「どうかしたのか」
目が覚めたカイがすぐに状況を察してくれたけど、もう少しのあいだ様子を見ていたい。
「カルト集団っぽいんだけど、ちょっとどうするか迷っている所」
カイは車体のスリットから外の様子を覗いて見ている。危険は無いと思うけど、像やゴーレムに思われているなら、そのままにしておいたほうが都合がいいと思う。
遠めに見える大鍋の方に視線を向けると、なんか人の手と足っぽいものが、まさか祭壇の大鍋で煮えているのって人なんじゃ。
「ねぇ。 鍋の中身って」
「恐らくそうだろうな。 飢餓の時に馬鹿共が人を食っていたが、それに似ている。 木の根や草でも齧ってる方がマシだというのに」
飢餓なんて起こっていなかったのだから、この人達は意識して人間を食べているということに。ぞっとしてきた。
眺めていると、教主というか、一際大きい牛の頭骨を被り、皮を纏った半裸の男が両手を広げ、周りの人を集めて何か宣言をするみたい。
「さぁ、ミノタウロス様が殺した人間を食し、力を得ようではないか!」
簡単で軽い説明
車体のスリット:
車体についている運転席から外をみる小さな線上の穴




