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異世界を戦車として進む  作者: 赤崎巧
1章 旅立ち
43/313

43.こんなところにカルト集団!?

 順調に5階層まで上った所で、楽器を叩く音がかすかに響いているのに気付き、通路を反響する中辿っていく。

 カイは8時間ずっと寝ているけど、危険じゃないということかな。

 出来る限りゆっくり静かに進んでいくと、通路の先に焚火とそれを囲う人たちの姿が見えた。余り近付いてもなんだし、ぎりぎりはっきり見えるけど、25mほど離れた薄暗い通路の角から様子を窺う。

 止まったまま静かに様子を見ていると、自分に気付いた数人がこちらを見た。


「あんなところに像なんてあったか?」


「ゴーレムにもみえるが、まぁいい。 急いで準備しないと」


 大なべを出したり焚き木を組んだり、再び忙しく準備を始めた。

 いや、見たことないなら怪しむべきじゃないですかね。こちらとしてはありがたいけど。

 25mくらい先では大きな鍋を用意したり、衣装っぽいものを着たりと、牛の頭骨を被った怪しい集団、しかもダンジョンなのに防具どころか上半身裸、もう怪しさ満点というか。

 これはカルト教団ではあるんだけど、前に比べると非常にマイルドと言うか、ただの変態の集まりっぽい。

 

「雄牛様を崇めよ!」


「「「雄牛様を崇めよ!」」」


 壁に掛けられた無数の牛の頭骨、台座の上に座っている人は牛の皮っぽいモノを着た上、牛の頭骨を被っている。他の人たちは頭骨だけ、奇妙な踊りをしながら焚火を囲いながら踊ってる。

 こう奇抜と言うか、どこかでこんなカルトの話を聞いたことが有るような無いような。


「どうかしたのか」


 目が覚めたカイがすぐに状況を察してくれたけど、もう少しのあいだ様子を見ていたい。

 

「カルト集団っぽいんだけど、ちょっとどうするか迷っている所」


 カイは車体のスリットから外の様子を覗いて見ている。危険は無いと思うけど、像やゴーレムに思われているなら、そのままにしておいたほうが都合がいいと思う。

 遠めに見える大鍋の方に視線を向けると、なんか人の手と足っぽいものが、まさか祭壇の大鍋で煮えているのって人なんじゃ。

 

「ねぇ。 鍋の中身って」


「恐らくそうだろうな。 飢餓の時に馬鹿共が人を食っていたが、それに似ている。 木の根や草でも齧ってる方がマシだというのに」


 飢餓なんて起こっていなかったのだから、この人達は意識して人間を食べているということに。ぞっとしてきた。 

 眺めていると、教主というか、一際大きい牛の頭骨を被り、皮を纏った半裸の男が両手を広げ、周りの人を集めて何か宣言をするみたい。

 

「さぁ、ミノタウロス様が殺した人間を食し、力を得ようではないか!」



簡単で軽い説明

車体のスリット:

車体についている運転席から外をみる小さな線上の穴

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