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異世界を戦車として進む  作者: 赤崎巧
1章 旅立ち
32/313

32.支援活動 綺麗な水は大事(準備)


「水を綺麗にする方法を集めていると聞いてきた。 紹介状もある」

 

 カイが門番に紹介状を渡し、荷車を届けた後少しの間待たされ、屋敷の前の広間に迎え入れられた。

 

「私が屋敷の主。 バートン・A・パーマー、 デュロ領 パーマー子爵の子息、 バートンだ」


 立派なというか、装飾過多な服装で応接間にでもいるのかと思っていたけど、どうみても作業服みたいな服で出迎えられた。


「どのように水を綺麗にする方法を知っているのかな。 それによって報酬は弾ませてもらう」


 貴族のイメージでは高圧的で貴族以外の話なんてろくに聞かないと思っていたけど、もしかしてこういったところが積もり積もって変人と呼ばれているのかな。


「水を綺麗にする建造物を作れる。 資材はかかるがその水量は多い」


「ほう、それは面白い。 いままでは魔法で浄化する方法が一番多かったが、どの程度の量を作れるのだね」


「そちらが用意できる資材と協力次第だ。 建造にも少々時間が掛かる」


 案内された裏庭は広く、色々やっていたのか、訳も分からない機械っぽいものまである。


「どれもこれも魔道士や商人から水を綺麗にする道具として購入したものだ。 大して綺麗にできず、量も少なく余り役には立たなかったが、それなりの参考にはなった」


 結構本格的に水を綺麗にする努力をしていたみたい。もしかして作業服っぽいのを着ているのは、今さっきまで何か作業をしていたのかな。

 河から引かれている水路の水を確認すると、ちょっとだけ赤っぽいというか少し澱んでる。

 河に赤土が流れ込んでるのかな。農業用水としては澄み過ぎた水よりも、ちょっと栄養が混ざっている水の方が良いらしいから、この程度は許容範囲なのかもしれない。でも飲料としては最悪かなぁ。


「必要なモノは、レンガ 砂利 砂 木炭 玉石 以上を用意して欲しい」


「そんなものか。 ある程度は私が研究していたものもあるが、明朝までに用意させておこう」


 カイが用意してもらう材料を伝えると、明日の朝までには全部そろうという。領主の子だけあって材料が潤沢に手に入るっていうのは正直楽。

 それよりもカイも知ってたのね、ろ過装置の作り方。ますます自分の必要性と存在感が。


「では、明朝から取り掛かるので一旦帰らせてもらう」


 屋敷を出て、村外れの広場まで移動すると早めに食事を済ませ、カイは毛布に包まり車長席に座る。


「リョウ、明日は頼む」


「え?」


「リョウの代わりに材料を伝えることは出来ても、オレはTVで見ただけで構造まで知っている訳ではないからな」


 ちょっと安心。自分にも役目があったというか、TVで見ただけで構造以外は覚えているのは凄い。自分は学問で習っているから知っているけど。


「明日は任せて。 どんどんやっていくよ」


「頼む。 戦いに関しない事はオレは苦手だ」


 カイはそう言うと目を瞑って眠り始めた。

 戦い以外が苦手と言うけど、交渉はするし人は助けるしでそんなことはないと思うんだけどなぁ。


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