18.ポイントが足りない
翌日、カイが報酬を受け取り、車内にお金を入れると教団の山岳拠点に向って移動を始めた。 ただし、リヤカーと簡易トイレとテントについては、ギルドに預かってくれるので身軽になった。
この世界、トイレと言ったものが未完成みたいで、まだ壺や桶などが主っぽい。それで一定量溜まった後は、村の肥溜めに捨てるみたい。ちゃんとしたトイレのシステムがあるなら、野営地だって汲み取り式トイレくらいは作れそうなのに、そんなものがなくて囲いのある野外でしてたし。
「では、トイレについては後を御願いする」
「あぁ、便利だから使わせてもらうよ。 せいぜい盗まれないように気をつけるさ」
カイに簡単に説明され、何度か使用したギルドマスターも大分気に入ったらしく、旅に出ている間は硬殻のギルドが使う運びになったらしい。もちろん使用料は支払うし、溜まった中身の処理もしてくれるそうだ。
カンドの村を出て半日、山が見えてくると思ったよりも道が険しく見える。
「ところで、山道だけど馬車とか荷馬車は通れるの?」
結構重要な事。戦車である以上道がないことには登れない。戦闘機とか戦闘ヘリになれればいいのだけど、スキル欄や型式選択にそれっぽいものはなかった。
「教会がある以上、建設するために作った荷馬車が通れるくらいの道はあるだろう」
結構怪しいけど、なかった時はどうしよう。道を作りながら進む事になるのだろうか。
「最悪かなり遠回りして、登れそうな所を進む事になるかなぁ」
「74式か10式で登ればいいだろう。 以前TVで登板性能が高いと言っていたはずだ」
そう言えば、ずっと前にTVでだけど、74式戦車が登板が優れているとやっていた記憶がある。他にも理由があるけど、後継機の10式戦車が出来るまでずっと現役だったって。
なんというか、自分よりもカイの方が色々覚えていて、いないと戦車の装備的にもやっていけない気がしてならない。
SPに意識をむける。ゴブリンを20体以上倒したおかげで 105+340で445と大分増えているけど、2000SPの74式戦車には全然足りない。
「ポイント的にはまだまだだめっぽい。 10式はすぐ空腹になるからなぁ」
本当は最新式の方が燃費は良いと思うのだけど、そこは何か条件があるのか性能が良い方がすぐに燃料が減る。一方で60式無反動砲だと全然なのだけれど、
「道中でドラゴンかワイバーンでも狩ればいい。 もしくはゴブリンかオークの集落でも殲滅するか」
カイの考え方が過激な所は若干慣れたけど、なんていうか目的の為なら手段をさほど選ばない所がちょっと怖い。本来自分もそう在るべきなのかも知れないけど、そこは平和ボケした元日本人だからなのか、なんとなく手段や方法を選びたいと思ってしまう。
「登れないようだったら考えてみるよ」
10式で登ってみて、空腹になったらまた他の戦車になって休んでと、繰り返せばなんとか、なるといいなぁ。




