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異世界を戦車として進む  作者: 赤崎巧
1章 旅立ち
16/313

16.味は良いけど見た目が・・・・・・

 クアン村から離れ、夕闇が回りを覆いかけた頃、往路で使った野営地まで到着する事が出来た。 荷馬車に詰まれた農作物の重さが往路よりも軽かったらしく、荷馬車の動きは軽快だった。

 日も暮れ、夕食の時間になったのか各々が食事を始めていた。皆が何かを食べ物を見ると、食べれないけど、なんとなくカレーが食べたくなる。これはやはり元日本人のサガなのかもしれない。


「カレーが作れればなぁ。 カイは受け入れられると思う?」


「カレーか? 食べた事はないがTVでも頻繁に流していたな。 見た目はともかく大丈夫だとは思うが」


 干し肉を噛み千切りながらカイは話を聞いてくれる。

 それでも見た目の問題をはっきり言われるとなんというか困る。


「見た目は、う~ん、匂いで食べてもらうしか」


 見た目は非常に悪いし、今の自分は調理しかわからないけど、味は非常に良いのは確か。

 意識をスキル一覧に向ける。


スキル:冷凍冷蔵庫 22SP

備考:食料が保存されている。数日毎に中身は補充される。


スキル:野戦釜セット 6SP

備考:かまど用高圧タンク付き。タンクの中身の補充は、燃料補充スキルに左右される


 とりあえず調理道具も食べ物も準備は出来るし、車外装備対応で調理も出来るとは思う。ただ今取り出してしまうと、カイ以外が驚いてあれこれ聞かれそうなので今回は我慢。


「そろそろオレは交代まで眠る。 リョウは警戒を頼む」


 そう言うとカイはハッチを開いて車内で眠りに着いた

 明かりが松明と焚き木だけになり、暗闇に覆われると空は綺麗な星空に変わる。いままで興味はなかったけれど、これだけ美しいと眠れない自分には充分時間つぶしになる。

 

「あの、トイレを使わせてもらいたいのだけれど」


 じっと空を見ていて気付かず、いつの間にか女冒険者の1人が近くに立っていた。

 答えるわけにも行かないし、カイを起すほどの事でもないので、ギリギリ範囲内にある簡易トイレの扉を開いてみせる。

 

 「いいってことかしら。 それじゃ使わせてもらうわね」

 

 なんとか意思が伝わったようでよかった。

 何かのきっかけでもあれば話しても大丈夫なようにしたいけれど、もう少しの間は我慢しておく。

 なんて話せばいいか判らない時もあるし、この世界のゴーレムが話すかどうかもわからない。もしゴーレムも話すのだったら、自分が話しても大丈夫だと思う。

 

 森の騎士の男達が歩いてくるのが見えるからそろそろ交代時間らしい。

 

 「カイ、交代時間みたいだよ」

 

 小声で伝えるとすぐに目を覚まし、戦車のハッチを開くとカイはすぐに出て行く。

 

 「交代時間か?」

 

 「あぁ、気が付いていたのか。 これから朝まで頼む」

 

 そう伝えると男は自らの寝床がある場所に戻っていった。

 カイは寝ているもう1人の女冒険者を起す。

 

 「リョウ、ヤグラ近くに移動してくれ。 オレは砲塔の上で周囲を警戒する」

 

 それから朝までカイと一緒に警戒を続けた。

超簡単な説明 雑記

野戦釜セット:

直径1mくらいの鉄製の鍋とガスバーナーに近い見た目をしたコンロのセット

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