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何かが欠けた完璧な人生
お嫁さんなんて夢が欠けて
剥がれ落ちた未来水晶
なのに全然目減りしない
着陸点を失ったまま
駆け抜け過ぎた砂山の向こう
慌ただしい日々の中で
ひとりだけで眠る夜
目を覚ましたら雨音の中
寂しさが誰を求めてるの?
何度も何度も同じ夢を見た
好きって言うだけじゃ伝わらない
好きって繰り返すだけじゃ届かないの
叫べば叫ぶほど掠れていく声
欠けたはずのものを探す私の
瞳の中で笑う男の子
苦しい胸を押さえながら
私が探してるものがある
小さな証で十分なんだ
指の中になんにもなくて
涙が溢れるのはきっと証拠
私が君に会えない証拠




