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twenty
「なんかついてますよ」
気づくべくもなかったが、マヨの背中に赤いしみがべっとり。
ホサナ組に、マヨを見ると抱きつく事を覚えたボケ老人がいる。尾籠な話、個室を訪ねたりすれば、物陰に潜んで、ズボンをおろした格好で待ちかまえている。飛びかかるが早いか、部位をなすりなすり、「お前どにに行ってたんだよ。ここんとこ顔を見ないから寂しかったじゃないか。用事はもういいの?」とやる癖がある。
個室ならまだ良いのだけれども、マヨがお風呂の当番で勘違いされた日には偉い騒ぎになる。
さっき、二階の出口で外履きに替えていたら、晩の食事を始めていたその老人が、口に食べ物を含んだまま寄ってきながら、背中の上に倒れこむような形でおんぶした。
「俺を置いてどこに行く気だ!お前、どうして冷たくするんだ?俺がイヤになったか?」
メインディッシュに出たオムレツ。かけてあったケチャップがマヨの後ろへと移されたのに違いない。




