↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
非幸福者同盟  作者: 相羽裕司
第十話「夏の雪明り」
PR
208/277

208/八月十四日3~消えた蒼い線

 今日もネットカフェに泊まる。


 狭く区切られた個室の中で、ジョーは虚空を見つめている。


(割りあてられた奇跡は、もう終わりだって、何だよ)


 結局自分はイジけているのだ。大切だと信じたものが、ここで終わりだとどうしようもなく否定される現実を前に。


 こんなみっともない自分を、叱咤してくれる存在に思い当たった。だけど彼女ももういない。


 苦しくてどうしようもない時に、それでも勇壮なるあり方をジョーに補強してくれていた、背骨の蒼い線ももう、消えていた。


(そうだ。エッフェル搭。愛想を、つかされたんだった。違うな。彼女は悪くない。優先順位を付けただけだ。分かってる。俺だってそうだ。それは、正しい)


 金色の髪をなびかせる、凛としたエッフェル搭の姿が思い浮かんだ。どうしてあそこまで自分に助力してくれたのか、詳しいことを聞きそびれていた。だけどもう、問うことはないだろう。


 信頼は築いてもいつか壊れる。


 暗闇の中は冷たい。暖を取るものも、寄りかかれるものも何もない。


 悲しみにくれた中、ジョーは一人の人間としてこの宇宙に問うように言葉を発した。


「どうしてこの世界に、キセキは定量しかないんだ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。